苫米地式コーチング認定コーチ CoacH T <タケハラクニオ> ブログ

認知科学者 苫米地英人博士に学び九州で活動するコーチ・ヒーラー・医師 CoacH T(タケハラクニオ)ブログ

カテゴリ:PMⅠ:The Power of Mind Ⅰ > 05:コーチの視点で教育を考察

PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-25監督がチームを去ったことは正しい選択だったのか? -前編-

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

監督がチームを去ったことは正しい選択だったのか? -前編-

 

では、フランコナ監督はどうすればよかったのでしょうか?

退任したことは責任を放棄したことになるのでしょうか?

 

私は「退任は正しい」と考えます。

監督の役割は「強いチームを作ること」であり、そのためには自主性を尊重し、自由を認める必要があるからです。事実、フランコナ監督は前述したとおり在任八年間で二回もチームを世界一に導いています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10691753.html

 

このケースでは、監督ではなく選手の方に問題があります。

 

ノースイースタン大学のスコット・バルディス教授の研究グループが行った実験を紹介します。ある課題について、二つのやり方で集まった学生たちにアイデアを出してもらいました。

前もって「誰がどんなアイデアを出したかをチェックする」と伝えておいたグループは、あまり活発にアイデアがでることはありませんでした。それに対して、「誰がどういうアイデアを出したかわからないようにして分析する」と伝えておいたグループでは、アイデアの量も質も高まったのです。

 

心理学では、自分以外からの評価を「他者評価」、あるいは「他者懸念」と呼びます。自分以外からの評価、他者の目を意識した時点で思考はパタリと止まり、いいアイデアがでなくなってしまったのです。皆さんも経験がありませんか?

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

プレッシャーは自分で設定するものであり、他の人から与えられるものではない」ということをこの実験が証明しています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

能力を最大限に発揮するためには、モチベーションのコントロールが重要です。

(正確には、「ゴール設定の結果としてモチベーションがコントロールされている」です)

 

(つづく)

 

 

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PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-26監督がチームを去ったことは正しい選択だったのか? -後編-

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

監督がチームを去ったことは正しい選択だったのか? -後編-

 

能力を最大限に発揮するためには、モチベーションのコントロールが重要です。

(正確には、「ゴール設定の結果としてモチベーションがコントロールされている」です)。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

want to(~したい)」で働く人は自分の能力を発揮し、「have to(~ねばならない)」で働く人は自身の能力を限定してしまいます。

チームは人間の集まりですので、チームの潜在能力を発揮するかどうかもまったく同じで、チーム内のムードが「want toか? have toか?」に左右されます。

 

もちろんリーダーには、チームのモチベーションをコントロールする責任があります。しかし、強制的にコントロールするのでは「have to」を仕掛けることになります。

 

リーダーがやるべきことは、モチベーションをコントロールする必要性を理解させ、その方法を教え、自ら行ってみせて、そして「私たちはできる」という確信をもって見守ることです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

いつまでたっても「have to」を「want to」に変えることができず、チームに悪影響を与え続ける人たちは、たとえどんなに“優秀”でもチームから除外するべきです。

中国の故事にも「政をなすの要はただ人を得るに在り」(貞観政要)や「一利を興すは一害を除くに若かず」(十八史略)などがあり、「have to(で生きる人)」を排除する重要性に言及しています。

 

メジャーリーグでは人事権はGMにあり、監督にはありません。フランコナ監督は、説明しても理解できない抽象度の低い選手達は追い出したかったはずです。

 

「現状のままでは雰囲気が悪い。ダメな奴らを追い出したいがその権限はない。かといって、監督の権力で強制的に更生させたとしても、結局はいつかチームの勢いを奪ってしまう」

 

そんなジレンマの中、自分のモチベーションも「have to」になってしまい、能力が発揮できなくなってしまうことを予見したのだと思います。関わる全員にとって「lose-lose」となってしまう未来を見てしまったのだと思います。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

すべては縁により起こっており、双方向の関係性です。そして、すべては不完全であり、絶対はあり得ません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

すべては空(くう)であり、仮(け)として存在しています。

仮として存在することができるのは、果たすべき役割・機能があるからです。その役割を果たせないならば、機能を発揮することができないのならば、空なるがゆえに存在する理由がありません。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

だから私は、フランコナ監督の退任は正しいと思っています。

 

(つづく)

 

 

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PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-27自由を求める人に必要な「自己責任」の意味

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

自由を求める人に必要な「自己責任」の意味

 

自由を追求する人は、「抽象度を上げる」必要があります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html

 

本質的には同じことなのですが、もうひとつ必要なことがあります。

それは「自ら戒める」ことです。

 

PM-05-19の人形の例えでいうと、いつまでもポーズを決めることができる人形は、潜在的にはかなり自由に関節は動くのですが、あえて制限を加えることで思い通りの姿勢を保つことが可能となっています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400928.html

 

この「制限」を自分の意志で行うことが、“自ら戒める”ということです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

西洋的な価値観には、神との契約の概念がベースにあります。

「戒」は神との契約上守らなければならないことで、もし破れば神に罰せられる(あるいは救済されない)と考えます。

 

それに対して、本来の仏教では「戒」は自分自身で自分に課すものです。

自分が心から望むゴールの達成のために必要な「戒」を、自分自身の意志で設定し、自分の意志で守っていくのです。もし破った場合に罰するのも自分自身だけです。

それが「自己責任」ということです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

動物の調教では“アメとムチ”が使われます。望ましい行動に対してはエサを与え、望ましくない行動には痛みを与えることで、行動を矯正していきます。

 

前時代的組織においては、人間に対しても、この報酬と懲罰による矯正が行われています。

これを他者にされてしまうことを許せば、人は他者の支配下に入ってしまいます。「have to」を仕掛けられ潜在的能力を十分に発揮することができなくなった人は、奴隷として生き続けることになります。

 

自分で、自分自身をゴールの実現に向かって矯正するのであれば、それは「自戒」であり「自律」です。釈迦が最後に説いたとされる「自帰依自灯明」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 

自戒や自律の場合、懲罰はもはや必要ありません。報酬だけでコントロールできます。

認知科学では、プライミングといわれる報酬系のメカニズムがすでに解明されています。そして、ドーパミンを自分でコントロールすることで強力にモチベーションを上げていく方法もコーチングとして確立しています。
 (注:「モチベーションを上げる」という発想には注意が必要です)

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

私たちはすでに他人に支配されることなく、思いどおりに自分自身を導く生き方ができます。真の自由を手に入れることができるのです。

そんな生き方を広げ、伝えていくことが真の教育です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9034343.html

 

(つづく)

 

 

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PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-28自分を縛るたったひとつのルール ―前編-

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

自分を縛るたったひとつのルール ―前編-

 

自由を履き違えないための大切なルールがあります。

 

抽象度の低い人は奴隷のままでいた方が社会のためになります。低い抽象度の人が自由を履き違えると、レッドソックスの三選手のようにまわりに悪影響を与えてしまうからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html

 

しかし、じつは、自由を履き違えることの恐ろしさは、決して個人やチームレベルでの話では終わりません。社会全体を暗く、誤った方向に導いてしまう危険があります。

 

ユダヤ系の政治哲学者にして思想史家であるアイザイア・バーリン(19091997年)は、「二つの自由概念(Two Concepts of Liberty1958年)」において、他者から拘束を受けない「消極的自由」と、自分自身に対して自己実現を課す「積極的自由」とを区別しました。

 

エーリヒ・フロム(19001980年)が消極的自由の対照概念として挙げた積極的自由についても、バーリンは「他者との連帯を求めるが故に究極的には全体主義につながる」と警告しました。

 

「消極的自由」とは「フリーダム」「リバティ」の和訳として日本語に置き換えられた「自由」のことです。そして、仏教に由来する日本語本来の「自由」が「積極的自由」にあたるといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 

バーリンが生きたのは二つの世界大戦が起こった時代です。その悲惨な経験の中で、自由を求めることが、一歩間違えると、戦争につながることに気がついたのです。

 

一方で自由を求めながら、一方で「戦争と差別のない世界の実現」を目指す未来において、このことは決して忘れてはならない大切な“戒め”です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10987549.html

 

(つづく)

 

 

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PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-29自分を縛るたったひとつのルール ―後編-

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

自分を縛るたったひとつのルール ―後編-

 

「消極的自由」とは、「フリーダム」「リバティ」の和訳として日本語に置き換えられた「自由」のことです。そして、仏教に由来する日本語本来の「自由」が「積極的自由」にあたります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10400987.html

 

バーリンが生きたのは二つの世界大戦が起こった時代です。その悲惨な経験の中で、自由を求めることが、一歩間違えると、戦争につながることに気がついたのです。

 

一方で自由を求めながら、一方で「戦争と差別のない世界の実現」を目指す未来において、このことは決して忘れてはならない大切な“戒め”です。

 

しかしながら、たとえ大きな危険があろうとも、私たち人間は自由であるべき存在です。自由を追求すべき存在です。

 

自由を追求しながら、同時に自己責任を徹底する。そして、抽象度を高めることで「自我=私」の定義を広げていく

 

…それが現代に生きる私たちが挑戦するべき生き方です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4448691.html

 

そして、その生き方は、社会性を身につけることを目的として幼児教育として家庭で始まり、学校で学びながら完成に向かい、社会の中で発展していきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10256634.html

 

その間に抽象度が上がり、人間形成が行われていくのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9963845.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9966391.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/10116950.html

 

では、「自律ができているのか?」「自己責任を果たしているのか?」をどうやって確認すればよいのでしょうか?

自由を履き違え、全体主義に傾き、戦争を引き起こすことを防ぐためにどうすればいいのでしょうか?

 

その答えは苫米地博士に学びました。自分を縛るたったひとつのルール…「フェアネス」です。

 

「私は(私たちは)フェアか?」

「社会に対しての私の(私たちの)言動はフェアか?」

 

…その視点で常に自分を見つめ続けることができれば、必ず自律できるようになります。そして、全体主義に走ることを防ぐことができます。

 

フェアネスを基準とする自由こそが“真の自由”です。そして、フェアネスを基準とする社会こそが“真の平和な社会”です。

その「フェアネスを基準とする自由」へ到る道を教え、サポートすることが教育の真の目的です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9034343.html

 

ただ「自らに由る」ことで心から望む「本当の私」になるのと同時に、抽象度を上げて社会性を身につけていく それは苫米地理論を学ぶことから始まります。

 

そして、コーチングを実践し、本当にやりたいこと、「want to」だけをする人生に挑戦し続ければ、そしてフェアネスを意識し続ければ、その先にはきっと真の平和があります。

 

純粋に自分の意志によって選択したものこそ、本当の夢であり、目指すべきゴールです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

自ら定めたゴールに挑み続ける人生はいつもエキサイティングであり、充実した生を全うすることができます。そんな心の状態が物理空間での体にもあらわれた結果、健康が実現します。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165888.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859896.html

 

私は確信しています。真の教育の結果として、本当の夢、ゴールを追い求める生き方が当たり前になったとき、人間は生まれながらに自由な存在であることをみんなが理解し、社会全体が明るく平和になり、やがて「空(くう)」に到達することを。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353367.html

 

(つづく)

 

 

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PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-30教育現場の疲弊

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

教育現場の疲弊

 

 素人の私に言われるまでもなく、教育の大切さは、教師の方々が一番わかっているはずです。しかし、現状では、教師の皆さんは本来の機能・役割を十分に発揮することが困難です。

 

物理的にも、情報的にも、すっかり疲弊してしまっているからです。

 

コーチとして、親として、教師の方々と接するうちに、現場の苦悩の大きさを知りました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8040944.html

 

 先に述べたとおり、教育の目的は「自由」ですが、その教育を授ける教師の方々が自由ではないのです。先生自身の「望ましい」を決める基準が外にあるからです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/9034343.html

 

 誰もが高い志を持って教育現場に飛び込んだはずです。

ところが、かつては確かに感じていた「want to」は、改革のたびにどんどん増える業務量や課外活動という名の強制的時間外労働により、やがて「have to」へと変わっていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

さらには「モンスター」と呼ばれる理不尽な保護者の言動により、精神的にもどんどん追い詰められていきます。情動優位の「ファイト・オア・フライト」の状態です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8164566.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166289.html

 

もともとの志が高い人ほどそんな現状に幻滅し、すっかり夢や希望を失ってしまっているのではないでしょうか。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

そして、エフィカシーが不当に下がってしまっているのではないでしょうか。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

それはまさに医療・介護現場で起こっている危機と同じ構図です。

 

「やる気がない」というレベルはゴール設定をやり直せば改善します。しかし、物理的身体も疲れきってしまった「エネルギー枯渇」の状態では、ゴールを設定しなおすことさえできません。現在の医療・介護現場や教育現場はそこまで削り取られています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8166400.html

 

だから私は、医療・福祉の現場と同じく、教育現場にも、一刻も早く苫米地理論やコーチングという福音を届けることを切望しています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430972.html

 

(つづく)

 

 

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PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-31自殺対策白書が示唆すること

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

自殺対策白書が示唆すること

 

 当然ながら、教育現場の疲弊は、子どもたちにも悪影響を与えています。無関心やあきらめ、不安・恐怖といった情動が生んだ“よどんだ空気”が子供たちを直撃しています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142435.html

 

厚生労働省が20186月に発表した自殺対策白書によると、2017年の自殺者数は21321人で、22年ぶりに22000人を下回った2016年(21897人)よりもさらに減少しました。前年同様中高年の自殺は減少しており、大人向けの自殺予防の取り組みは効果が表れていると評価されました(それでも、2万人以上の人が自ら命を絶ち、さらに自殺を考えたことがある人は4人に1人といわれています)。

厚労省 平成30年版自殺対策白書(概要)「1 自殺者数の推移」

https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/18-2/dl/1-1.pdf

 

最近の自殺の動向で注目すべきは「中学生の自殺者数」です。2015年は102人で17年ぶりに100人を超えました。子どもの総数が減っているにもかかわらず自殺者数は増加傾向にあり、1980年以降でみると女性アイドル歌手が自殺した1986年の133人に次ぐ多さでした。年代別人口10万人当たりの自殺者数では、中学生で2.94人と最多を記録しています。

 

子ども、特に中学生において、早急な自殺対策が必要です。

 

2018年の自殺対策白書で人口動態統計を基に死因順位を5歳ごとの年齢層別に見ると、10代前半や40歳以上は「がん」が最多で、2位に「自殺」「心疾患」が並びます。一方、1539歳はいずれも前年と同様に「自殺」が最も多く、中でも20代後半は2位「がん」の3.7倍、20代前半も2位「不慮の事故」の2.7倍でした。これは、中学生の頃から始まる思春期においての教育 -特にマインド(脳と心)について- が、その後の人生に大きく影響を与える可能性を示唆しています。

 ちなみに、先進国の年齢階級別死亡者数及び死亡率(1534歳)において、日本は「自殺」が1位(死亡数:4557人、死亡率:17.8)で、先進7カ国の中で突出しています。

 厚労省 平成30年版自殺対策白書(概要)「3 年齢階級別の自殺者数の推移」

 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/jisatsu/18-2/dl/1-3.pdf

 

20154月に「改正自殺対策基本法」が施行されました。

10年ぶりとなった改正の主な点は、「子どもの自殺対策」でした。学校は保護者や地域と連携し、児童・生徒の心の健康を保つ教育(自殺予防教育)や啓発活動を行うことなどが新たに盛り込まれています。

しかし、自殺予防教育の具体的な内容は各学校に任されています。どうしていいかわからずに途方に暮れている学校関係者が多いのではないでしょうか。

 

子どもたちはもちろん、苦悩を抱える学校の先生方にも、コーチングは福音となります。

自殺対策白書は、教育の現場にコーチングが必要とされていることをはっきりと示しています。

 

(つづく)

 

 

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PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-32子どもたちへの最大のプレゼント <前編:HOPE GAPを克服するために>

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

子どもたちへの最大のプレゼント <前編:HOPE GAPを克服するために>

 

 内閣府は毎年「子供・若者白書」を発表しています。

2017年度版には、小・中学生の意識に関する調査結果をもとに、「両親を信頼し,家庭が楽しいと思う小学生・中学生は増加」とまとめられ、「子供の自主性を尊重しつつ,子供に関心を持って臨む保護者が増えていることがうかがえる一方,家庭や学校に安心や満足を感じ,将来に積極的な志向を持つ子供が増えていることが指摘できる」と前向きな考察がなされています。

内閣府 平成29年版子供・若者白書(概要版)「特集 若者にとっての人とのつながり」

 http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h29gaiyou/s0.html

 

 一方で、過去には気になる調査結果もありました。2014年版「子供・若者白書」では、特集として世界7カ国の若者の意識調査が実施されていました。

「自分の将来に明るい希望を持っているか」という質問に対して、「希望がある」「どちらかと言えば希望がある」と答えた人が、日本は61.6%にとどまり、7カ国中最低でした。他の6カ国(82.491.1%)と比べても突出して低い結果でした。

内閣府 平成26年版子供・若者白書(概要版)「特集 今を生きる若者の意識 ~国際比較から見えてくるもの~」

 http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html

 

 この結果を知ったとき、私は「ホープギャップ(HOPE GAP)」という言葉を思い出しました。「ホープギャップ」とは、ヨルダンのラニア王妃が2002年から提唱している概念です。このホープギャップこそが「人類の直面する最大の課題」だと、ラニア王妃は主張されています。

 

ホープギャップとは、その名のとおり「希望を持てる人と持てない人との格差」のことです。生まれついての環境や教育などにより、希望を持つことができる子どもと持つことができない子どもとに分かれます。夢(ゴール)がある子とない子とに分かれていきます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

様々な研究により、「希望・夢・ゴールがある子どもとない子どもでは、その後の人生がまったく異なってしまう」という結果が明らかになっています。飢餓や貧困で苦しむ地域においてもホープギャップの格差により、免疫力やパフォーマンスがさらに違ってしまうようです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882140.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615641.html

 

通常「格差」というと経済的格差を考えますが、より重要なものは情報的な格差、すなわち「ホープギャップ」なのかもしれません。

モノや食糧など物資の支援や金銭的な援助ももちろん重要ですが、「希望を与えること」や「夢やゴールの設定の仕方を教えること」といった情報的支援がとても重要だといえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html

 

ラニア王妃は、「希望やゴールを持つことによって自尊心(エフィカシー)が高まり、それこそがテロや戦争をなくす平和へとつながる」と話され、「まず知識が必要。そして希望(ゴール)を持つこと。自尊心(エフィカシー)が自分の人生を楽しく生きる鍵だということを強く認識しよう」と説かれています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

気づかれた方も多いと思いますが、これはまさにコーチングの考え方そのものです。

 

(つづく)

 

 

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-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

 

 


PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-33子どもたちへの最大のプレゼント <後編:スピリチュアルペインはすでに始まっているのだから>

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。

 

 

子どもたちへの最大のプレゼント <後編:スピリチュアルペインはすでに始まっているのだから>

 

ラニア王妃は、「希望やゴールを持つことによって自尊心(エフィカシー)が高まり、それこそがテロや戦争をなくす平和へとつながる」と話され、「まず知識が必要。そして希望(ゴール)を持つこと。自尊心(エフィカシー)が自分の人生を楽しく生きる鍵だということを強く認識しよう」と説かれています。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

気づかれた方も多いと思いますが、これはまさにコーチングの考え方そのものです。

 

コーチングの元祖であるルー・タイス氏と苫米地博士が開発したセルフコーチングプログラムである「PX2」と「TPIE」は、21言語に翻訳されて、世界の60か国で導入されています。

 

このうち子ども・青年と親および教師を対象としたPX2は、海外では有料のプログラムですが、日本では2011年から教育機関への導入に関しては無償で提供されています。ファシリテーターと呼ばれるコーチ陣がボランティアで出張し、直接導入を指導します。

 

これはルー・タイス氏が、日本の若い人たちの学習意欲や向上心を高く評価した証です。さらには、PX2を世界に広げることで「ホープギャップ」を克服し、世界平和を実現してほしいという日本の次世代のリーダー達への願いでもあります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11301259.html

 

残念ながら、ルー・タイス氏は2012年にお亡くなりになってしまいましたが、その願いは「希望」となって受け継がれています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8045695.html 

第四章(PM-04-12)で、スピリチュアルペインの正しい定義は「自己の存在と意味がわからないことから生じる苦痛」とするべきであり、がん等の診断と同時に開始される緩和ケアの中だけで行われるものではなく、もっと早い段階から取り組むべきものであると書きました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html

 

その段階というのは「自分という存在についての内省が始まる中・高校生の頃がふさわしい」と私は考えています。その頃からスピリチュアルペインは始まっているといえるからです。

 

PX2を学ぶことで、自由意志で、未来側から、“自分”を創造していくことができるようになります。それはスピリチュアルペインを克服するための緩和ケアといえます。よって、このPX2プログラムは、子どもたちへの人生最大のプレゼントとなります。

 

 追加しますが、PX2の受講資格は、現在、医療・福祉関連の法人にも拡大されています。ただし、その運営母体であるBWFインターナショナル本部が認定する公益的な活動をしている法人に限られます。詳細はBWF事務局(HPhttp://bwf.or.jp/)に御確認ください。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702480.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702640.html

 

(つづく)

 

 

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-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8430748.html

 

PX2パンフレット-2(BWF HPより引用)
BWFインターナショナルHPより引用
http://bwf.or.jp/

 



PMⅠ:The Power of Mind

PM-05苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ

PM-05-34子どもにも大人にも生きる喜びを伝えるために ~苫米地式教育コーチング~

 

この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察しています。

 

 

子どもにも大人にも生きる喜びを伝えるために ~苫米地式教育コーチング~

 

 第三章で、当時勤めていた医療・社会福祉法人にてPX2が開催されたことを紹介しました。詳細は次章で取り上げますが、予定していた二回目のPX2は中止に追い込まれました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702480.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7702640.html

 

 苫米地博士は「PX2は子どもだけに届けてもダメだ」と断言されています。

私自身も身をもって体験したことですが、子どもにとって身近な親や教師などまわりの人たちがドリームキラー化するからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

PX2の受講生は間違いなくエフィカシーが上がっていきます。現状の外にゴールを設定することを学び、過去の記憶でつくられたそれまでのコンフォートゾーンをはるかに超える世界に新たなコンフォートゾーンをつくります。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

そのとき「コンフォートゾーンを乱された」と感じたPX2未受講者が敵にまわってしまいます。それを防ぐために、子どもと同時に親や教師も、そして現場と同時に教育の権威と呼ばれるような方々も、PX2を受講していくことが求められます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6854056.html

 

 ところが、現状では、その実現は困難です。

医療・福祉の現場と同じように教育現場はあまりの多忙さで疲弊しきっていて、教育の権威と呼ばれる方々は大量の知識と経験で自ら生みだしたスコトーマによりその重要性を認識できないからです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/11142435.html

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

コーチングが真っ先に役立ちそうなところほど、現状のコンフォートゾーンが強固なゆえに届かない(続かない)というジレンマが生じています。

では、その壁を乗り越えるためにはどうすればよいのでしょうか?

 

 

 2016年に教育界を激変させていく壮大なプロジェクトが始まりました。「苫米地式コーチング認定教育コーチ養成講座」です。

 

 苫米地博士による最新の講座で、誤った教育により洗脳されてしまったマインドを脱洗脳しながら、苫米地理論を徹底的に脳にインストールしていくものです。コーチングの基礎から実践応用、そして日本再生のために必要な知識や技術を徹底的に学ぶプログラムです。

 

世界をよりよくしていくためには、教育の質を高めていく必要があります。教師がコーチになる、親がコーチになる。そして、子どもたちがお互いのコーチとなってコレクティブエフィカシーの社会をつくることができれば、未来に差別はなくなり、世界は確実に平和に近づいているはずです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html

 

そんな未来にふさわしいリーダー達を育成するために、この講座は始まりました。

 私は提案者である青山龍苫米地式マスターコーチの高い志と熱い思いに強く共感しています。まだまだバリアがたくさんありますが、必ず合流すると心に決めています。

 

 皆さんもぜひコレクティブエフィカシーの社会(未来)をつくる取り組みに参加してください。

 自らの自由意志でコーチングについて発信しているこのブログにアクセスしているあなたは、すでにコレクティブエフィカシーを実現するコミュニティの一員です。

 

 

「第五章:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ」完

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

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