PMⅠ:The Power of Mind Ⅰ
PMⅠ-05:苫米地理論で見える教育現場のスコトーマ
PMⅠ-05-11:そもそも教育とは?-5-2)望ましい方向へと変化させること
この章(第五章)では、苫米地理論(ベチロン)で教育を考察していきます。
そもそも教育とは?-5-2)望ましい方向へと変化させること
複数の関係者から教えていただいた、ある中・高一貫校での話を紹介いたします。
その学校では、前年に地元の国立大学医学部の合格者がでたということでした。
進路指導主任の先生は、新年度の保護者への説明会の際にこのように話したそうです。「進路指導前は薬学部志望だった生徒に対して、『君の成績なら合格できるから医学部を受験しなさい』とアドバイスをし、見事に合格させました」と。
現状の外の世界、つまり本人にとってスコトーマになっているものを認識できるようにサポートすることは、教師や親の大切な役割です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
その意味で薬学部を医学部に変えさせたというのは決して悪いことではないはずです。
しかし、私はこの発言に大きな問題を感じます。その言葉に「薬剤師より医師の方が偉い」といった差別的な思想を感じるからです。
コーチングとの関連でいうと、職業選択はゴールとはなりません。薬剤師になることそのものはゴールではなくゴール達成の手段であり、「薬剤師になって何をしたいのか?」がゴールです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html
生徒のゴールが薬剤師になることでしか達成できないのであれば、進路を無理やり医学部に変えてしまうことは決していいことではありません。そこが抜け落ちているのであれば進路指導は間違ったものである上に、生徒の潜在意識に差別を植え付けることにもなります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html
私自身は、生い立ちもあり、自分をエリートだと認識したことは一度もありません。ヒエラルキーの存在を前提に医療・介護現場で働いたことは一切ありません。
しかし、「エリートのくせに」や「どうせ医者だから」といった逆差別的な扱いを(多くは陰で)されるたびに、医療・福祉に携わる方々の無意識下に根深くはびこる差別意識を感じてきました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_124523.html
「薬剤師より医師の方が偉い」「薬学部より医学部の方がすごい」と刷り込まれてしまった生徒が、将来医師になったときに差別的な立ち振る舞いをしないか心配です。
(つづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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