F-029:プロとアマの違い part 3 ~This is unreal !

 

 part 1http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8582928.html

 part 2http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8748177.html

 

「プロとアマの違い」について考察する第三弾です。

 

第一弾(F-027)では「役に立つ」「付加価値を生みだす」という視点で、第二弾では「抽象度」という視点でまとめました。

 

その二つを統合した視点が今回のテーマです。

 

ちなみに、「二つを統合した視点」というのは抽象度が一つ上がっています。数学でいう最小公倍数のようなもので、LUBLeast Upper Bound、最小上界)と表現します。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html

 

それは二つを包摂(ほうせつ)する新たなゲシュタルトをつくりあげることであり、スティーブ・ジョブスの言葉でいうと「Connecting the dot」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7383761.html

 

 では、「役に立つ」「付加価値を生みだす」と「抽象度」を包摂する視点とは何でしょうか?

 

 

 今年、ロサンゼルス・エンゼルスに大谷翔平選手が入団しました。

全米でも投手と打者の二刀流が注目を集めましたがオープン戦が絶不調(防御率:27.00、打率:125厘)だったため、「大谷はマイナーリーグから始めるべき」(ESPN)、「基本的には高校生並みのバッター」(ヤフー・スポーツ)とドリームキラー化した米メディアから叩かれました。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040935.html

 

 ところが、開幕とともに大谷選手は爆発しました。開幕戦は初打席初球初安打、三日後に初登板初勝利、その二日後本拠地での初打席で初本塁打を放ちました。翌日は同点2ラン、その翌日にも三試合連発のホームランを打ち(飛距離137m)、その二日後には投手として二勝目を挙げています。4/22(現地時間)の試合では「四番・DH」で先発出場し、安打を放っています。

 

 先日、三本目のホームランの映像を見ました。大谷選手の打撃も印象的でしたが、すっかり興奮した実況者(FOXスポーツ・ウエスト)の絶叫に驚きました。

 

 OHTANI-SAN did it again !

Are you kidding me ?

This is unreal !!

 

 「This is unreal」を直訳すると「現実離れしている」「非現実的」です。本当の感覚は私にはわかりませんが、そこには「素晴らしい」という感嘆・賛辞が込められているそうです。

 

 私は、苫米地式認定コーチとして、「unreal」が賛辞になるセンスや文化が素晴らしいと思いました。日本で「現実離れしている」や「非現実的」という言葉が使われるとき、そこにはネガティブな思いが込められている気がするからです。

 

 認知科学以降、現実(reality)の定義は変わりました。

現実とは、一番臨場感の高いイメージのことです。それを理論化したものが「夢をかなえる方程式:I×V=R」です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

I」はイメージ(imageまたはimagination)、「V」は鮮明さ(vividness)。

よって、イメージがまったくできないもの、あるいはイメージできたとしても鮮明ではないものが「unreal」ということになります。

 

大谷選手の活躍は「(エースで四番が)リトルリーグのよう」「まるでマンガの世界」と例えられていましたが、それは今まで臨場感を感じられなかったイメージが鮮明になったことの表現です。

日本のファンはもちろん、全米中の野球ファンが、数十年ぶりに「まるでマンガの世界」からあらわれた若者の姿に、新たな“現実”が生みだされるワクワク感を感じているに違いありません。

 

個人の「want to」が社会の「want to」へと拡大していく過程で、まったく新しい現実が生みだされる

 

 それは「付加価値」がより高い抽象度次元で新たに創造されるということです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html

 

 「役に立つ」「付加価値を生みだす」と「抽象度」を包摂する視点とは、「よりたくさんの人の役にたち、未来にわたって付加価値を生みだし続け、新たな現実を生みだす」というものです。それまでの「unreal」を「real」に変えるということです。

 

 それを本人がしっかり志向していることが「プロフェッショナル」だと思います。

 

 では、大谷選手にはそんな高い次元での志向があるのでしょうか?

 

 答えはYesです。

 20171111日、大谷選手は東京都内の日本記者クラブで会見し、ポスティングシステムを利用してメジャーに挑戦する意向を正式に表明しました。

 その会見で「プレーしている中で、一番の選手になりたい。野球は何をもって一番かというのは測りにくいけど、ファンの方やいろんな人たちから、彼が一番だと言ってもらうことは幸せなことだと思う。そういう選手を目指して頑張っていきたいです」と唯一無二の存在として世界一に駆け上がる夢を語りました。

そして、二刀流について、「最初は、ごく少数の人しか思い描いてなかった。今は期待してくれている人がたくさんいる。もう自分だけのものではないのかなというのもある」と述べました。

 

 「もう自分だけのものではない」

 

 この“自我”が拡張していく感覚が「『役に立つ』『付加価値を生みだす』と『抽象度』を包摂する視点」を生みだします。そして、その視点が新たな現実の創造を可能とします。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353425.html

 

大谷選手は、プロフェッショナルとして、これからより多くの人々に希望と勇気を与え続けるでしょう。そして、誰もが想像できなかった新たな現実を生みだすことでしょう。

ゴール設定により生じるエネルギーを利用して新たな現実を生みだす大谷選手の今後の活躍がとても楽しみです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)