Q-031:霧島市(鹿児島)医療講演会<180315> vol.1
2018年3月15日に、霧島市(鹿児島県)の病院で講演を行わせていただきました。事前にいただいていたテーマは「スピリチュアルペイン」です。
スピリチュアルペインは、緩和ケアにおける重要な概念です。
緩和する対象となる問題を「身体的」「心理的(精神的)」「社会的」「スピリチュアル的」と四つに分類し、それぞれ個別に捉えるのではなく全体として捉えるために「トータルペイン(Total Pain)」という概念が生まれました。
トータルペイン(全人的苦痛)のひとつである「スピリチュアルペイン」は、私が2011年に受講した「症状の評価とマネジメントを中心とした緩和ケアのための医師の継続教育プログラム(PEACE)」において「自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛(無意味、無価値、虚無、孤独など)」と定義されていました。
最新版では「自分の存在や意味を問うことに伴う苦痛」です。
私はこのスピリチュアルペインの定義(「自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛」「自分の存在や意味を問うことに伴う苦痛」)は不十分だと感じています。コーチとして。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/8293317.html
当日(180315)の講演会では、そのことを「ゴール」「エフィカシー」「スコトーマ」「コンフォートゾーン」といったコーチング用語を紹介しながら述べさせていただきました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html
先輩医師をはじめ、多様な職種のたくさんの方々に御参加いただきました。心より感謝申し上げます。皆さまのスコトーマを外すきっかけになれることを願いながら、心をこめてお話をさせていただきました。あっという間の60分でした。
講演終了後、院長室で医師や看護師、臨床心理士の方々とお話しさせていただきました。その話の中で今年度の新入職員に対しての研修を依頼されました。
とてもありがたいお話しだったのですが、私は躊躇し、しかも自虐的なコメントを発してしまいました。
すかさず院長先生から「いつもの先生らしくないし、コーチらしくない」とツッコミをいただきました。私は一瞬ドキッとした後にスコトーマが外れたことを感じました。頭の中がクリアになった感覚です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
その瞬間、「私らしくなかった」「苫米地式認定コーチの言動ではなかった」とセルフトークを行い、ゴールを達成した未来の自分の姿やコンフォートゾーンをイメージしなおしました。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html
つい自虐的になってしまったのには理由があります。
院長として勤めていた病院へのコーチング導入失敗の苦い記憶が、自虐的な言動を許すブリーフシステムをつくってしまっていたのです。本当に私らしくありませんでした。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html
講演に招いていただいた院長先生からの助言で、そのブリーフシステムに気がつきました。ゴール側からブリーフシステムをつくりなおしながら、改めて医療・介護の現場には今すぐコーチングの導入が必要であると感じました。
医療・介護の現場はどこも疲弊しています。特に地方では若い人が集まらず、スタッフの高齢化が徐々に問題として表面化しはじめています。現場の感覚では疲弊というより「システム崩壊」という表現の方がしっくりするほどです。
医療・介護業界において「働き方改革」は喫緊の課題といえます。
現在、盛んに議論されている「働き方改革」は、労働時間や労働環境改善の話が中心です。それは物理空間(次元)に焦点を当てたものです。
宇宙は情報量の大小で階層化することができます。その情報量の軸を抽象度と呼び、情報量が減るほど「抽象度が上がる」、反対に情報量が増えるほど「抽象度が下がる」と表現します。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html
「働き方改革」で議論されている物理空間(次元)とは、「抽象度のもっとも低い空間」であり、情報空間の底面です。
では、物理空間に限定した改革ではなく、情報空間全体を対象とした真の「働き方改革」とはどのようなものでしょうか?
…答えは「have to(~ねばならない)」を「want to(~したい)」に変えることです。
1992年に書籍化されたハーバードビジネススクールのジョン・P・コッター教授らの研究により、モチベーションの違いにより10年間で756倍の生産性の違いが生じることが明らかにされています。7倍ではありません。756倍です。
もちろん生産性が優れているのは「want to」のときです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html
当時よりCPUの演算能力が1000万倍以上アップした現代においては、もっと大きな差が生じるに違いありません。
つまり、これからは「いかにwant toを実現できるか」「want toを維持できるか」が成功の鍵になるといえます。
経営者目線で表現しなおすと、「いかに職員のモチベーションをwant toにできるか」であり、それは「職員一人ひとりのゴール設定をしっかりサポートできるか」「組織全体のエフィカシー(コレクティブエフィカシー)を高く保つことができるか」です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html
私は、スタッフ全員でコーチングを学び、実践することで、必ず756倍以上の生産性向上を実現できると確信しています。
そして実現したいと願っています。日本の医療の崩壊を防ぎ、日本に暮らす人たちの生存権を守るために。
…(一瞬躊躇しましたが)もちろん、その病院の新人研修は快諾させていただきました。具体的な話はこれからですが、すでに数パターン分の研修プログラムはつくりあげています。苫米地式認定コーチとして全力で取り組ませていただきます。もちろん100% want toで。
先日、その病院の研修担当のM看護師長より講演会(180315)のアンケート結果をいただきました。御多忙にもかかわらずデータ化までしていただきました。
次回から、いただいた御意見・御質問に対して回答させていただきます。ぜひ御確認ください。
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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