Q-026:霧島市教育講演会(180124 QA vol.12

 

2018124日(水)に霧島市(鹿児島県)で開催された「第12回学校保健研究協議会」にていただいた御質問・御意見に回答いたします(個人が特定される恐れがある場合は表現を変えています)。

 

 

・スコトーマやコンフォートゾーンを見つめることで、子供たちの抱えている悩みが多くの場合改善されるのではないかと思った

 

 A:悩みとは、「やらない理由ばかり考えていて、行動はしていない状態」です。それを創造的回避と呼びます。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040752.html

 

 講演ではハーバード・ビジネススクールの名誉教授 ジョン・P・コッター氏らの研究を御紹介しました。モチベーションには建設的動機(want to、~したい)と強制的動機(have to、~ねばならない)があります。その「want to」と「have to」の違いは、なんと、756倍の生産性の違いを生みだします。研究の詳細は「Corporate Culture and Performance」として書籍化されています(残念ながら和訳本は出版されていません)。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882609.html

 

 コッター氏のこの研究結果を紹介した時に、「私はそうは思わない」「とても信じられない」という反応がかえってくることが少なくありません。正直な反応をいただくこと自体はうれしいですし、そのように言いたくなる気持ちもよく理解できますが、しかしそれはとても危険な反応です。

研究者が十年以上かけて調べ上げ書籍にまでした科学的知見を、個人の偏見で否定するものだからです。否定した瞬間に、スコトーマの原理により、それ以上の認識・理解が難しくなります。偏見とは、過去の記憶でつくりあげた(つくりあげてしまった)ブリーフシステムと同意です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721531.html

 

繰り返しますが、否定した瞬間にスコトーマが生じ、“正しい”認識を妨げます。無明に堕ちるのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

 「私はそうは思わない」「とても信じられない」という感想は、コンフォートゾーンから外れた結果としてでてくるものです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html

 

 よって、御指摘のように、スコトーマやコンフォートゾーンを見つめ、ゴール側に書き換えていくことで悩みを解決することができます。もっとはっきりと言えば、スコトーマやコンフォートゾーンへの対処なしに悩みを解決することは不可能です。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 悩みとは、「悩むことに夢中になりすぎて、行動を忘れている状態」です。「同じ夢中になるのであれば、ゴール達成に夢中になろう!」という思いで、私はコーチングを勧めています。

 

 

・スコトーマをはずすためにいろいろな手立てをしても、心がガチガチに固まっていて受け入れられない子や親がいます(不登校の子や家族)。どう対応すればいいか教えてほしいです

 

 A:おっしゃることはよくわかります。「心がガチガチ」の人たちへの対応を誤ったことでコーチング導入に失敗してしまった苦い経験が私にもあります。

 その経験から学んだことを「The power of Mind Ⅰ」第六章にまとめていますので、ぜひフォローしてください。

 

 「心がガチガチに固まった人」へ対応するために大切なことは、自分の心がガチガチにならないようにすることです。「まずは自分がリラックスしている」「常にwant toで“現状の外”に飛びだそうとしている」「スコトーマを意識し、外すことを心がけている」といった意識状態が重要です。

 「すべての意味のある、永続的な変化は心の中のイマジネーションから始まり、やがて外側の現実を変えていく」というルー・タイス氏の言葉のとおり、すべてが自分のマインドからはじまります。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542364.html

 

 

・「君はできる」という言葉を大切に、自分がまずそう思って使っていきたいと思います

 

 A:「君はできる」という言葉は、じつは、その相手と同時に自分自身の無意識にも働きかけを行っています。

 

 コーチングにおいて用いられるアファメーションには11のルールがあります。その一番目のルールが「一人称で書き、主語を私にする」です。「私はできる」「私はすでにできている」というのが通常のアファメーションの形です。

 

 それに対して、主語を「私は(が)」から「君は(が)」に変換したものがユーアファメーションです。「君はできる」「あなたはすでにできている」といった言い方です。

 

 2014年にヨーロッパ社会心理学会論文誌(European Journal of Social Psychology)に掲載されたイリノイ大学 サンダ・ドルコス博士らの研究にて、「勝負の場で自己を高揚させるためには、自分に対して客観的に言ったほうが強く効く」ということが明らかになっています。

 例えば、スポーツの試合や大衆への発表の直前、あるいは試験を受ける時など、「私はできる」より「君はできる」の方がいいのです。

 

 繰り返しますが、「君はできる」という言葉は、その相手と同時に自分自身の無意識にも働きかけを行っています。

 大切なお子さんのために、そして自分自身のために、「君はできる」という言葉を使い続けてください。

あなたならできます。

 

 

・過去を見ず、未来を思える教育づくりをしていきたい

 

 A:時間は未来から過去へと流れています。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html

 

その流れを生みだすものがゴール設定です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 教師や親など大人が自らゴールを設定し達成に向かいながら自らの創造性を発揮し、エネルギッシュに挑戦を続ける生き様を見せてあげることが“最高の教育”になると私は考えています。続きは「The Power of Mind Ⅰ」第五章に記します。ぜひお読みください。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)