PMⅠ:The Power of Mind

PM-04苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ

PM-04-08医療・介護現場で生じる苦しみの悪循環 ~ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)~ 後編

 

 この章(第四章)では、医療・福祉現場での常識や取り組みを御紹介しながら、苫米地理論で考察していきます。

 

 

医療・介護現場で生じる苦しみの悪循環 ~ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)~ 後編

 

CDCCenters for Disease Control and Prevention、疾病予防管理センター)が公表している「Psychology of a Crisis」中に、危機に瀕したときの行動(Negative Behavior)として、下記の四つがとりあげられています。

 

Demands for unneeded treatment:不必要な治療(対処)を求める

Reliance on special relationships:特別な関係に依存する

Unreasonable trade and travel restriction:不必要に商業取引と渡航を制限する

MUPSMultiple Unexplained Physical Symptoms):複数の医学的に原因不明な身体症状が現れる

 

「不必要な治療を求める」という行動特性は、人工栄養・人工呼吸・人工透析といった「延命治療」の判断時に問題となります。もちろん、「必要か否か」「望ましいかどうか」は簡単には決められませんが、「落ち着いて考えると、しないほうが良いと思った」という意見を聞くことが多いのも事実です。

ちなみに、「簡単には決められない」理由として、不完全性が働くこともあげられます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

「特別な関係に依存する」というのは、特定の医師や治療法に固執してしまう等の行動としてあらわれます。医学的な根拠に乏しい民間療法や宗教に依存してしまうことも、この行動特性の表出として理解できます。

 

「不必要に商業取引と渡航を制限する」は、いわゆる「自粛ムード」として震災後の国民の行動にあらわれました。同じようなことが個人や家族レベルでも起こります。

 

MUPS(多発する、説明のつかない身体症状)」としてよく目にするものが、痛み、めまい、動悸、血圧上昇、腹痛や下痢などの消化器症状、蕁麻疹などの皮膚症状です。さらには食欲や睡眠といった本能レベルの欲求も阻害されていきます。

 

これは情報空間の何らかのバグが、物理空間に写像としてあらわれていることを意味しています。原因はあくまで情報空間にあるので、例えば薬物治療などにより物理空間だけで強引に解決していくと、より深刻な他の症状となって再び物理的身体にあらわれます。

その結果、身体症状が多発することになってしまいます。治療が新たな症状を生みだすのです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5165888.html

 

このように四苦がリアルになり、本能的な情動処理が優位になると、高次の判断が難しくなり、新たな苦しみを生みだしていきます。

これが医療現場で起こっている苦しみの悪循環です。

 

その状態(情動という扁桃体・大脳辺縁系処理)を克服し、より高次の情報処理である前頭葉前頭前野処理を取りもどすために、「抽象度を上げること」が有効です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html

 

より高い視点、より大きな枠組み(ゲシュタルト)で思考することができるようになると、不安によりIQが下がった状態から抜けだすことができます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6193912.html

 

CDCは、「ファイト・オア・フライト」時に平常心を取り戻す方法として、四つの基本原則を記しています。その一つが「恐怖を認め、人々に目の前の恐ろしい事態に関連する文脈情報を与えなさい」というものです。文脈情報により、恐怖体験を知的情報に変えることが可能となります。

このブログは、四苦に苦しむ方々やサポートする人々(家族、医療従事者、行政職員など)にとってのよき文脈情報になることを願いながら書いています。

 

苫米地博士は「イヤな気持ちを消す技術」(フォレスト出版)の中で、身に降りかかったイヤな体験や情動を無害化するための「情動を消し去る三つの方法」を記されています。

その方法とは、1)高い抽象度で考える、2)イヤな出来事の記憶に「うれしい・楽しい・気持ちいい・すがすがしい・誇らしい」という情動感覚を結びつける、3)脳を自己発火させる、です。

 詳細は書籍で確認していただきたいのですが、その実行のための強力な方法論としてコーチングがとても有効です。

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 CDC版「ファイト・オア・フライト時に平常心を取り戻す四つの基本原則」については、下記ブログ記事でどうぞ↓

 F-104:「映写機の故障により上映できるかわかりません」 Vol.4;リーダーの視点で

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19485793.html

 


イヤな気持ちを消す技術(青)