PMⅠ:The Power of Mind Ⅰ
PMⅠ-04:苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ
PMⅠ-04-07:医療・介護現場で生じる苦しみの悪循環 ~ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)~ 前編
この章(第四章)では、医療・福祉現場での常識や取り組みを御紹介しながら、苫米地理論で考察していきます。
医療・介護現場で生じる苦しみの悪循環 ~ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)~ 前編
このように、ふだんは「生老病死」の四苦はスコトーマに隠れています。
第二章で取り上げた「スコトーマ」とは、「心理的盲点」のことです。スコトーマを生みだすポイントは三つでした。
一つ目は「知識」です。「老いとともにどんどん筋力やバランス能力を失っていく」という知識の不足により、自身の変化を認識しづらくなります。
スコトーマを生みだす二つ目は「重要性」です。今回の例でいえば、「健康というイメージの重要性の高さ(こだわり)が、老いによる変化を認識させづらくした」ということができます。
三つ目が「役割」です。健康でいる理由がなければ、すなわち健康を必要条件とする何らかの役割(ゴール)が不明瞭であれば、マイナスの変化には気づきにくくなります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
多くの人にとっては健康こそが重要なものであり、四苦は認識しづらいものです。
ところが、けがや病気などの何かしらの縁起により臨場感が高くなると、いきなりスコトーマが外れ、四苦(とくに「老」「病」「死」)がリアルになります。
それまでの健康というコンフォートゾーンの外にでてしまうことになるため、IQが下がり、情動的な思考に支配されてしまいます。より原始的な脳の部分である扁桃体・大脳辺縁系が優位になり、怒り・イライラ・不安・恐怖・悔恨・悲しみといった感情が湧きあがります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6040892.html
人間は進化の過程で前頭前野での思考を手に入れました。
平常時は、本能的な情報処理を行う大脳辺縁系の活動より、高度な情報処理を行う前頭前野の方が優位に働いています。
しかし、いったん危機に瀕すると、「ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)」という「戦うか、逃げるか」という心理状態に陥ってしまいます。
危機により「ファイト・オア・フライト」の状況になると、人間の脳では前頭前野の活動が抑えられ、扁桃体を含む大脳辺縁系の活動が活発になります。これはより確実に生き残るための本能的な働きではありますが、人間らしさを失い、ただの動物に成り下がってしまう原因にもなります。
米CDC(Centers for Disease Control and Prevention、疾病予防管理センター)が公表している「Psychology of a Crisis」中に、危機に瀕したときの行動(Negative Behavior)として、下記の四つがとりあげられています。
・Demands for unneeded treatment:不必要な治療(対処)を求める
・Reliance on special relationships:特別な関係に依存する
・Unreasonable trade and travel restriction:不必要に商業取引と渡航を制限する
・MUPS(Multiple Unexplained Physical Symptoms):複数の医学的に原因不明な身体症状が現れる
(つづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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