PMⅠ:The Power of Mind

PM-04苫米地理論で見える医療・福祉現場のスコトーマ

PM-04-04収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 

 この章(第四章)では、医療・福祉現場での常識や取り組みを御紹介しながら、苫米地理論で考察していきます。

 

 

収容所生活中にフランクルが発見した「健康」の源泉とコーチングの関係

 

アドラーやフロイトに学んだ精神科医 ヴィクトール・E・フランクル(Viktor Emil Frankl)は、第二次世界大戦中にナチスにより強制収容所に送られた体験を「夜と霧」に記しました。

自分も含む被収容者の心の反応を、施設に収容される段階、収容所生活そのものの段階、そして収容所からの解放の段階に分け、見事に描きだしています。

 

フランクルの妻、父親、母親、弟は強制収容所で死亡しました。フランクル自身も、極限の飢え、寒さ、残虐行為に耐えながら、ガス室行きの恐怖に絶えず脅かされました。

しかし、彼は精神科医としての人間観察と深い洞察を続けました。そして、生きることを投げ出した人と投げ出さなかった人の違いに気がつきました。

 

彼が発見した、「勇敢で、プライドを保ち、無私の精神を持ち続けた人」と「熾烈をきわめた保身のための戦いの中で人間性を忘れた人」を隔てた“あること”とは何だと思いますか?

 

それは「目的」でした。「希望」といいかえることもできます。

 

 強制収容所の人間の内面がいびつに歪むのは、つきつめれば心理的あるいは身体的なことが要因となるのではなく、最終的には個々人の自由な決断にかかっていました。自分自身で態度を決めたのです。

被収容者を心理学の立場から観察したフランクルが明らかにしたのは、「あらかじめ精神的に、また人間的に脆弱な者が、その性格を展開していくなかで収容所世界の影響に染まっていく」という事実でした。

 

脆弱な人間とは、「内的なよりどころをもたない人」「目的がない人」「希望がない人」「志がない人」「夢がない人」です。コーチングでいうと「ゴールがない人」です。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html

 

 収容所から解放された後、1955年にウィーン大学教授となったフランクルは、「人間が存在することの意味への意志を尊重し心理療法に活かす」という独自の実存分析を展開し、その理論を「ロゴセラピー」と名付けました。「ロゴス」とはギリシャ語で「意味」を示す言葉で、「意味への意志」を最も重要な人間の行動力だとする思いが込められています。

さらに、「生きる苦しみは精神病の徴候ではなく、その人が意味を求めることによって、より人間的になりつつある証である」と苦を肯定的にとらえ、自由意志こそ人間のもつ傑出した特徴であり、エネルギーだとしました。

 

苫米地理論では、「そのときの自分の状況にとって正常な状態が健康」です。「状況が健康を決める」ともいえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859896.html

 

その“状況”とは、物理空間に限定されるものではなく、ゴールにより生みだされる情報的なものまで含みます。つまり、「ゴールが健康を決める」といえます。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5882140.html

 

じつは、健康とはゴール設定の結果なのです。

そして同時に、そのゴールを達成するための大切な要因ともなります。

 

ゴール設定を行い、本当にやりたいことだけをやり続けることで、心(マインド)の状態を良好に保つことができます。まず情報空間で健康になります。やがてその変化は写像として物理空間にあらわれ、身体が健康になっていきます。心→体の順で健康になるのです。

 

勘違いしやすいところですので念を押しますが、心と体、すなわち情報空間と物理空間は同じものです。同じ一つのものの抽象度の違いです。因がより高い抽象度次元、すなわち心(マインド)にあるということです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html

 

いずれにせよ、ゴールを設定することで心身の健康を手に入れた人は、その健康な心身でゴールを達成していきます。これが健康と苫米地理論およびコーチングの関係です。

 

フランクルが気づいたものは、そのゴール設定を可能とする自由意志です。

本当は、すべての人がもともと自由意志を持ち合わせています。何らかの理由でスコトーマに隠れてしまい、見失っているだけです。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html

 

人はみな自由意志による選択により生きるエネルギーを取り戻し、結果として健康になることができます。

 

苫米地理論を学び、コーチングを実践することで、医師としての私がたどり着いた結論です。

 

(つづく)

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-関連記事-

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/7859383.html