Q-021:霧島市教育講演会(180124) Q&A vol.7
2018年1月24日(水)に霧島市(鹿児島県)で開催された「第12回学校保健研究協議会」にていただいた御質問・御意見に回答いたします(個人が特定される恐れがある場合は表現を変えています)。
・子どもに知識・スキルを教えるために、自分が何をすればいいのか具体的に知りたい
・具体的にどう動けばいいのか?
A:もちろん自分自身が知識やスキルを身につけることです。ここではちょっと違った視点で考えてみましょう。テーマは「具体的」というワードです。
教育再生実行会議が2017年6月1日に発表した「第十次提言」には、社会構造の変化の結果「子供たちの65%は、将来、今存在していない職業に就く」と記されています。そんな変化の激しい時代においては、より“具体的”な知識やスキルほど役に立たなくなる可能性が高いといえます。応用が利かないからです。
なぜ応用が利かないのかというと、情報量が多すぎるから、つまり抽象度が低いからです。その抽象度を下げる方向への変化を「特化」「専門性」と呼びます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html
では時代のダイナミックな変化を余裕で乗り越えるための応用の効く知識とはどんなものでしょうか?
…もちろん、抽象度の高い空間にあるシンプルな知識です。
私はよく悩み事相談を受けます。内容は多岐にわたりますが、突き詰めていくとそれらは「健康」「お金」「将来(未来)」「人間関係」の四つに大別できます。
その四つをさらに抽象度を上げて考察すると、すべて“関係”についての悩みと考えることができます。その“関係”とは、結局はマインドでの情報処理により生みだすものであり、釈迦哲学でいう「縁起」です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html
よって、「子どもに知識・スキルを教えるために、自分が何をすればいいのか具体的に知りたい」という御質問に対する私の答えは、「まずは縁起について学び、“関係”を豊かにする具体的な方法であるコーチングをマスターすること」となります。
縁起について、そして縁起という視点からコーチングを学ぶ本として、苫米地英人博士の著書「もうこれ以上、人間関係で悩まない極意」(TAC出版)を強くお勧めします。
・子どもたちに自己評価を高めさせるための手法
A:「ゴール達成能力の自己評価」のことをエフィカシーと呼びます。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5616012.html
「自己評価が高いこと」が重要であることは間違いありませんが、その一方で、「自己評価が高いこと」は個人の成長を止めてしまう悪い要因なってしまったり、まわりとの軋轢を生む原因になってしまうことが少なくありません。
あなたのまわりには「やたらと自己評価が高いが面倒くさい人」はいませんか?
きっと何人かの顔がすぐに思い浮かぶのでは(笑)。
コーチングで大切なのはエフィカシーです。「自己評価」だけでは足りないのです。
そのことを思索しながら、下記を読み進めてください。最後に私の考えをお伝えします。
・家庭が、学校が、スコトーマを与える場になっているのではないか?
A:そのとおりです。私たちの目の前の世界はもともとスコトーマだらけです。そして、過去の知識や“常識”といった社会の価値観がスコトーマを強化していきます。親や教師は「スコトーマ」について細心の注意を払う必要があります。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5721610.html
ただし、スコトーマは決して悪いことではありません。スコトーマのおかげで、私たちはその時重要なことに集中することができます。
例えば、映画を観ている時を考えてください。クッションの感触が気になったり、空調の音が気になったり、隣の人の様子が気になったりしたら映画の世界に浸れませんよね。多少座り心地が悪くても、ちょっと寒くても、隣の人が怪しそうでも、それらが気にならなくなるから映画に集中することができます。映画を楽しむというゴールにとって重要ではない余計な情報をスコトーマに隠しているのです。
大切なことは、スコトーマについて知り、常に意識し、自在にコントロールすることです。
よって、家庭で、学校で、スコトーマについてしっかり教えてあげ、そのコントロール方法を伝授することが重要なのではないでしょうか。
もちろん、スコトーマをコントロールするための第一歩がゴール設定です。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615935.html
・スコトーマがはずれる瞬間の「脳の喜ぶ感覚」「力が湧く感覚」「世界が広がる感覚」…これを子供に伝えたいです
A:「脳が喜ぶ感覚」「力が湧く感覚」「世界が広がる感覚」…とてもすばらしいセンスですね。まさにそのとおりです。
特に重要なことは「世界が広がる感覚」で、それは抽象度が上がったことを意味しています。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/cat_123517.html
・これからの子供たちの将来について、親&先生方がもっともっと何ができるか
A:「もっともっとできる」「もっともっと何かしてあげたい」…そんな思いでいると無意識が働き続け、ひょんなことをきっかけに突然スコトーマが外れます。その時に「喜んだ脳」がすごいアイデアを考えだし、「湧きあがった力」で実現していきます。心は穏やかになり、毎日が充実していきます。そんな心の平和が「広がった世界」をさらに広げていきます。“無敵”に近づいていくのです。
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5446097.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5448151.html
http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/5615695.html
スコトーマをうみだすものは、1)知識、2)重要性、3)役割です。
その三つを意識しながら、まずは自身のスコトーマを外してください。繰り返しになりますが、その第一歩がゴール設定です。
すべてはゴールからはじまります。「ゴールが先、認識は後」です。
ところで、「自己評価」だけでは足りない理由はわかりましたか?
…コーチングで重要視するエフィカシーとは「ゴール達成能力の自己評価」でした。
よって、もちろん高い自己評価は大切なのですが、その本当の価値はゴールが決めるのです。いくら自己評価が高くてもゴールがダメダメなものであれば、その達成の自己評価が高いほどまわりにとっては迷惑になるはずです。
すべてはゴールからはじまります。そして、そのゴールをさらなる“現状の外”へ、さらなる高次の抽象度へ向かって、更新し続けることが「自己評価」をさらに高めるためのスタートです。
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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