F-020:研究はすべてに通じる
私は、鹿児島大学で学んでいた学生時代に、医学部ウインドサーフィン部「FOOL ON BOARD」に所属していました。
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その創部37周年と創部当初から定年退官までずっと顧問を務めてくださった佐伯武賴先生の著書出版をお祝いする祝賀会に参加しました。
卒後二十年以上経過し、先輩や後輩もいい年齢になっています。もちろん私もです。
当然、佐伯先生も同じく年を重ねられていますが、77歳と思えぬ若さあふれた姿と発せられるエネルギー(気)に驚きました。
先生は、1980年に鹿児島大学医学部生化学教授に就任。1999~2001年の間は医学部長を務められ、2006年に定年退官されました(鹿大名誉教授)。その後2006~2010年は徳島文理大学教授、2010~2015年は熊本大学生命資源研究支援センター特任教授を務められています。
さらに、なんと75歳にして、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科分子腫瘍学特別研究員になられ、現在も研究を続けられています。
祝賀会の前半は、昨年4月に出版された著書「シトリン欠損症 -医者も知らない特異な疾患」(風詠社)の記念講演会でした。「尿素サイクル」や関連する「グルタミン酸」「アセチルCoA」「シトルリン」などの用語を聞きながら、紐づいてでてくる学生時代の楽しく、懐かしい思い出に浸りました。
講演の最後には「研究から見えてきたこと」というテーマで、1)幸運をつかめ、2)積極性、3)独自性、4)研究はすべてに通じる、という話をしてくださいました。
講演後の祝賀会で、整形外科医となった後輩が「やっぱり佐伯先生は本物の教授ですね。こんなにすごい人が身近にいてくださってありがたいですね」と感慨深げに話してくれました。
私も全く同感で、心が震えるような感覚を感じていました。
最初からあたたかい気に包まれながら講演を聞いていたのですが、最後のスライド(研究から見えてきたこと)のときには感動のあまり泣きそうでした(そして、講演後に号泣しながら花束を渡す先輩女性医師の姿を見てこらえきれなくなりました)。
(先輩や私の)涙の理由は、佐伯先生の生き様そのものに感動したことももちろんですが、いただいた縁に対して大きな感謝の念が湧きあがったからだと思いました。
幼い頃の私は、勉強に対して痛みを感じていました。勉強したいのにできなかったからです。勉強しているところを見つかったときに感じた恐怖は、その後に受けた暴行による痛みの記憶とともに、今も鮮明に覚えています。
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PTSD(Post Traumatic Stress Disorder、心的外傷後ストレス障害)に苦しみ続けていてもおかしくない状況ですが、幸いなことに完全に克服することができました。認知科学者 苫米地英人博士からマインド(脳と心)の操作、内部表現の書き換え技術を教えていただいたからです。
その苫米地博士まで無事にたどり着くことができたのは、多感な青年時代に佐伯先生のような恩師に出会い、全身全霊で学んでいたからです。「知に対する飽くなき好奇心」、「強い意志」と「確信」、「すべてを包み込む優しさ」、そして「情熱」…
そんな高い抽象度次元にある智慧を、私はしっかりと受け取っていました。非言語で。
「創部40周年のときは僕は80歳だけど、その年も何回かは(ウインドサーフィンで)海にでようかな~」とにこやかに話される先生の姿は青春そのものでした。「そういえばよく『青春時代』を歌っていらっしゃったな~」と思いだしながら、「先生はサミュエル・ウルマンの詩の物理空間への写像のようだ」と思いました。
YOUTH(青春)
青春とは人生の一時期のことではなく心のあり方のことだ。
若くあるためには、創造力・強い意志・情熱・勇気が必要であり、
安易(やすき)に就こうとする心を叱咤する冒険への希求がなければならない。
人間は年齢(とし)を重ねた時老いるのではない。理想をなくした時老いるのである。
歳月は人間の皮膚に皺を刻むが情熱の消失は心に皺を作る。
悩みや疑い・不安や恐怖・失望、これらのものこそ若さを消滅させ、
雲ひとつない空のような心をだいなしにしてしまう元凶である。
六十歳になろうと十六歳であろうと人間は、驚きへの憧憬・夜空に輝く星座の
煌きにも似た事象や思想に対する敬愛・何かに挑戦する心・子供のような探究心・
人生の喜びとそれに対する興味を変わらず胸に抱くことができる。
人間は信念とともに若くあり、疑念とともに老いる。
自信とともに若くあり、恐怖とともに老いる。
希望ある限り人間は若く、失望とともに老いるのである。
自然や神仏や他者から、美しさや喜び・勇気や力などを感じ取ることができる限り、
その人は若いのだ。
感性を失い、心が皮肉に被われ、嘆きや悲しみに閉ざされる時、人間は真に老いるのである。
そのような人は神のあわれみを乞うしかない。
「80歳の年月の高見にて」より
「研究はすべてに通じる」と語る、いまだ青春真っただ中の恩師の姿に私は誓いました。
“不完全”な宇宙を解明し続けるために思考し続けることを。
空(くう)という頂点を目指して抽象度を上げ続けることを。
空と仮を包摂した中観の生き方を広め、社会や人類そのものが進化・向上した先にある真の平和を実現することを。
あらためて佐伯先生には心より感謝申し上げます。
私は、先生から受け継いだ“FOOL ON BOARDスピリット”とともに、これからも苫米地式認定コーチとして、自分の機能・役割を社会に提供していきます。
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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