PMⅠ:The Power of Mind Ⅰ
PMⅠ-03:苫米地理論との出会いと実践
PMⅠ-03-11:「いい先生」と言われて ~謎の自己嫌悪と驚きのプレゼント~
物理空間での言動には必ず情報空間での因があります。そして「時間の流れ(http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6542317.html)」を考えると、その因は未来にあるといえます。
苫米地理論を学んだ今は、過去のつらい思い出も未来でのゴール達成の大切な「縁起(http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6353044.html)」として解釈することができるようになりました。過去を自由に書き換えることができるのです。
この章(第三章)では私の経験を紹介し、苫米地理論で考察します。
「いい先生」と言われて ~謎の自己嫌悪と驚きのプレゼント~
無事卒業し国試にも合格した私は、鹿児島大学医学部リハビリテーション科に入局しました。研修医の立場で真っ先に夏休みをとったり、学会入会を拒んだりしたことから変わり者とみられていましたが、教授はじめ先輩方や同期に恵まれ充実した研修医生活を送っていました。
嫌なことはすぐに忘れる私ですが、今でも思い出すこの頃に本気で嫌だった思い出が、「いい先生」と評価されることでした。
もっとも「いい先生」と言ってくださるのは患者さんばかりで、看護師さんからそのように言われることはほとんどありませんでした(むしろ当時の師長からは「リハセンターの恥」と罵倒されました)。
そのギャップが、さらに私を苦しめました。
「『いい先生』と言われるたびになぜ苦しくなるのか?」を考える中で、医療側の「いい先生」と患者側の「いい先生」のニュアンスが違うように感じはじめました。
半年間の初期研修を終え、他科を回る修行の旅にでました。
最初にお世話になったのは鹿児島市内の循環器専門病院です。そこで急性心筋梗塞や不整脈などの入院患者さんを担当させていただきました。
数か月後、路面電車が走る大通りに面する某総合病院脳外科に移籍しました。ある日の早朝、病院玄関前を歩いていると「先生~」と叫びながら女性が走りこんできました。突然の出来事に驚き、その女性のターゲットが私であることがわかるとさらに困惑しました。
「どうかしましたか?」と声をかけながらのぞき見ると、その女性は循環器病院で受け持った患者さんの娘さんでした。
「先生(ハア~、ハア~:息切れ)、お久しぶりです(ハア~)」
「はい」
「私(ハア~、ハア~)、職場に市電(注:路面電車のこと)で通っているんですよ(ハア)」
「はい?」
「今日、先生が見えたんで慌てて降りました(ハア、ハア)」
「は?」
「これ、もらってください(ハア)」
「はい?」
…こんなやり取りをしました。
解説すると、私が循環器病院を退職した後某総合病院脳外科に勤務していることを聞いた娘さんは、その後毎日通勤中に電車の中から私を探していたそうなのです。渡したい本があったからです。
そして、ついにその日がやってきました。
私を認識すると、慌てて電車を降り猛ダッシュ。病院に入られてしまうとわからなくなるので「何とか玄関でつかまえたい」と必死だったようです。
「いい本なんでぜひ読んでください。先生ならわかってくださると思って」…そう話された後、その女性は歩き去っていきました。
その後お会いしたことはありませんが、その時のことはよく覚えています。
その経験のおかげで、「いい先生」の意味が理解できたからです。
(つづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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