Q-003:171117研修会アンケート回答編 vol.1
霧島市(鹿児島県)で開催したコーチングをテーマとした研修会に、たくさんの保健師・看護師さんに御参加いただきました。御意見や御質問の一部に回答いたします。個人が特定されそうなもの等は除いていますので御了承ください。
・心のイマジネーションを書き換えても相手が受け入れようとしない場合、未来のゴールをどう置き換えればいいのか?
A:「心」が自分の心であるという前提で回答いたします。
自分のゴールと相手のゴールと両方を包摂するゴールを考えるといいです。専門用語でLUB(Least Upper Bound、最小上界)と呼びます。例えば、Aさんが「野球観戦をしたい」、Bさんが「北海道に旅行したい」であったら、「札幌ドームで野球観戦する」です。それならAさんの望みもBさんの望みもともに叶います。
その時に、じつは抽象度が上がっています。
相手がなかなか受け入れない場合には、「自分にとっては都合がいいが、相手にとっては都合が悪い(あるいはメリットがない)状況」になっていないか確認してください。
ちなみに、コーチングセッション中にコーチが考えているのは100%クライアントの利益だけです。だから“激変”が現実化します。
・コンフォートゾーンは自分のゴール設定の気持ち、マインドの持ちようで変えることができますか?
A:コーチングを知らない人にとっては、つねに“現状”がコンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)です。“現状”のことを「ステイタス・クオ(Status Quo、SQ)」と呼びますが、それは「このまま続く未来」も含みます。その“現状”は過去の記憶により、ほとんどが他人よってつくられています。つまり、正しいゴール設定なしにCZを変えることはできません。
自ら“現状の外”にゴール設定を行うことではじめて新たなCZが作られますが、CZは一つしか維持できません。「現状に戻るか? ゴールに向かうか?」です。
ゴールのCZを強化するためにアファメーションやビジュアライゼーションを行います。もちろん、コーチはクライアントのゴールのCZをリアルにするためにあらゆる働きかけを行います(そして、さらに先にブーストします)。
「ゴール設定がすべての始まり」です。
・セルフイメージ、セルフトークへの働きかけの部分がわからなかった
A:私たちは常にセルフイメージに沿って行動しています。「私はできる」と思う人は「できる方法」を見つけだしていきますし、「私にはできない」と言う人は自らその才能を封印していきます。
そのイメージは過去の記憶でつくられていますが、日々の自分自身への語りかけで強化しています。「私はできる」「私にはできない」という心の声がセルフトークです。
試しに、うまくいったときには「私らしい」、うまくいかなかったときは「私らしくなかった。次は○○する」とセルフトークしてみてください。自分への語りかけを常に意識し、ポジティブに置き換えていく生活を2週間も続けていけば、世界が一変していることに気がつくはずです。
・相手を変えたい、変わってほしいと思ったらまず自分が変わる、変えるとよく聞きますが、これがなかなか難しいことなので、自分自身の変化の仕方を深く聞いてみたいです
A:「これがなかなか難しい」というセルフトークから変えてみてください。「スコトーマに隠れて見えていないだけ」です。絵のことを思いだしてください。別の絵が隠されていることを教えられなかったら決して見えなかったでしょう。「難しいから見えない(見えなくていい)」と納得したらおそらく見えることはなかったはずです。「見たい」という思いと「見える」という確信…それがそろってワクワクするような気持ち(変性意識)でいたから変化が訪れたのです。その感覚です。
私は多くの方々にコーチングを行っていますが、皆さん驚くほど変化していきます。「人間の潜在能力は無限である」というのが偽りのない私の実感です。「自分には無限の才能が眠っている」ことを信じ、それを引きだすための「心から望むゴール」を設定してみてください。必ず変化(進化・向上)できます。
・相手を変える→自分の心の中を変えるという点で、短い時間の中で改善方法を見つけ指導することの難しさ。それがあっているのか疑問に思うことがあります
A:コーチングの話で例えると、「ゴールを達成するための方法」を見つけるのはクライアント自身です。コーチが先に気づくケースが多いとは思いますが、(私は)教えません。気づきの体験(スコトーマが外れる体験)が大切だからです。
コーチングを行うコーチはプロ野球の“コーチ”のような具体的な技術を教えるインストラクターではありません。マインドについての知識とスキルを教えながら、その実践をサポートしていきます。その中でクライアント自身が“答え”を見つけていきます。
また、「あっているのか」は気にする必要はありません。むしろ「もっといい方法があるはず」「もっとうまくできるはず」と探求する姿勢が重要です。
じつは、「絶対の基準は存在しない」ことは証明されています。情報空間(数学空間)では不完全性定理、物理空間では不確定性原理といいます。釈迦哲学でいうと無常であり、大乗仏教では空(くう)です。「あっているか」「正しいか」は「ゴールに近づくかどうか?」で本人のみが判断することです。
もちろんコーチングについて理解していることが前提の話です。そのためにこのブログを書き始めました。ぜひ縁ある人々にひろげてください。
(つづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
コメント