F-005:激変緩和措置

 

 霧島市(鹿児島県)の国民健康保険運営協議会に出席しました。

 

 国民健康保険(以下、国保)は、来年度から、財政主体がそれまでの市町村から都道府県に移行します。「都道府県が、都道府県内の統一的な運営方針としての国保運営方針を示し、市町村が担う事務の効率化、標準化、広域化を推進」することが目的とされています。

 

 市町村によっては保険税(料)負担が大幅に上昇するところがあります。そこで「被保険者の保険税負担が急激に増加することを回避するための措置」が三種類検討されており、それを“激変緩和措置”と呼びます。

 

 その“激変緩和措置”について詳細な説明を聞いている間、私は違和感を覚えました。それはコーチとして感じたものでした。

 

 被保険者の負担を(一時的にですが)緩和するための「国民のための配慮」ですので、当然、「とてもいいこと」「すごくありがたいこと」としての文脈で説明は行われていました。

 

 しかし、コーチとしての視点で考えると、“激変緩和措置”は決していいものではありません。

 

 私たちは常に一定の状態を強力に維持しようとしています。それを恒常性維持機能(ホメオスタシス)と呼びます。そして、脳(特に前頭葉)が発達した人間の場合、その維持機能が情報的な空間にまで働いています(サイバーホメオスタシス仮説、CH理論)。

 

 つまり、「私はこれくらい」「私たちはこんなもの」といったイメージを強力に維持してしまっているのです。無意識にです。

 

 もし、それまでの自分(自分たち)のイメージをはるかに超える成果をだしそうになったらどうなるでしょうか?

 

 その場合、急に落ち着かない感じがして、いつもの自分(自分たち)に戻るように無意識が働き、クリエイティブに実行します。例えば、いい言い訳を思いついたり、ケアレスミスを犯したり、お互いに足を引っ張りあったり。その結果、結局はいつもどおりの状態に落ちつくのです。

 

 「もっとすごい私」や「さらに進化・向上する組織」の実現を阻むこのようなネガティブフィードバックが、私たちの心の中にある“激変緩和措置(装置)”です。当然、その装置を解除しなければ、昨日までの記憶でつくられた現状を打ち破って“激変”することはできず、いつまでたっても昨日のような今日を生き、今日のような明日を迎えることになります。
 かつては隆盛を誇った人物や組織が時代の変化に取り残され、やがて信じられないほど没落していくのはそのいい例えです。

 

 前回(F-004:続・楽しいことを見つけたことで発作が止まった患者さんが教えてくれたこと)は「気功」について触れました。その正体は、とくに非言語の働きかけによる「内部表現の書き換え」です。そして、その本質は「変性意識状態(ASCAltered State of Consciousness)」にあると書きました。

 今回のテーマである“激変緩和措置(装置)”は、もちろん、気功でも解除することができます。

 

 しかし、私は、「コーチングを学び、実践すること」を強くお勧めします(もちろん、気功と並行してセルフコーチングやコーポレートコーチングを行えば最高です!)。

 

 ベチロン(苫米地理論)やコーチングを届けるこのブログが、みなさんの「リミッターをはずす!」きっかけになることを心から願っています。

 

 

苫米地式認定コーチ                        

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)