PMⅠ:The Power of Mind Ⅰ
PMⅠ-01:苫米地理論とは? ~抽象度と超情報場仮説
PMⅠ-01-02:抽象度とは? -2
このように概念は階層を持ちます。
その階層を哲学や心理学では「フレーム」や「ゲシュタルト」と表現し、その階層を認識する視点の高さを「抽象度(ちゅうしょうど)」と呼びます。
階層は下位に下りるほどより具体的となっていきます。情報量が増えるのです。
反対に上位に上るほど具体的な情報は減り、より抽象的になっていきます。ただし、上位に上るほど潜在的な情報量は多くなります。
例えば、「犬」という概念は「ラブラドールレトリーバー」より具体的な情報は減りますが、「ラブラドール」や「チワワ」、「ブルドック」などすべての犬種を含んでいます。
ちなみに、この関係を数学的には、「『犬』は『ラブラドール』を包摂(または包含)する」、「『ラブラドール』は『犬』の外延である」と表現します。
「抽象度が高い」ほど視点が上がるため、見渡せる情報世界は広くなります。
よく「リーダーは俯瞰して思考せよ」などと表現されますが、この「俯瞰する」が抽象度を上げることに相当します。
抽象度が高いということは、それだけ高い視点より物事を見ており、よりたくさんの情報にアクセスすることが可能となるわけですので、あとで解説するスコトーマ(心理的盲点)を外しやすくなります。
「組織はリーダーのレベルを超えることができない」や「リーダーの限界が組織の限界を決める」などの言葉は、リーダーの抽象度の高さが見渡せる情報世界(クリプキのいう可能世界)を決めてしまうことを表しています(本当に決めるかは、コンフォートゾーンなど他の概念やマインドの力も関わってきます)。
一方、抽象度が高いほど見渡せる世界は広がるのですが、具体的な情報量は減っていくので漠然としていきます。それを「臨場感が下がる」と表現します。
「ラブラドールレトリーバーをイメージしてください」と「生物をイメージしてください」では、だいぶ想像するものが違いますよね。
抽象度が上がると具体的な情報量が減る分、より自由な想像を楽しむことはできますが、はっきりとしたイメージはしづらくなります(=臨場感が下がる)。
(つづく)
苫米地式認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
「抽象度」の名づけの親は認知科学者 苫米地英人博士。その苫米地博士が「バラいろダンディ」(TOKYO MX、2022年1月24日放送)で、とてもわかりやすく「抽象度」を解説されています。ぜひご覧ください(19分間です)↓
Dr.苫米地 2022年の飛躍に苫米地用語「抽象度」を習得しよう
- YouTube
コメント