F-451:音楽から引退することはできない
<vol.5;「ただの仕事」>
映画音楽の巨匠
ジョン・ウィリアムズ(John Towner Williams、1932年~)は、昨年(2025年)、自伝を出版しました。その出版に関するインタビューの最後の言葉は「音楽から引退することはできません。それは呼吸のようなもので、私たちの人生だから」。
巨匠らしい抽象度の高さを感じさせる言葉ですが、そこに至るまでは“らしくない表現”が続きました。例えば、映画音楽について…
「あまり好きではなかった」
「懐かしい思い出として記憶しているだけ」
「儚く、断片的」
「ただの仕事」 …とコメントしています↓
ジョン・ウィリアムズ「映画音楽あまり好きじゃなかった」「ただの仕事」 | THE RIVER
そのブリーフシステムを分析する過程で感じたことを整理しながら、これらの発言を考察します。
vol.1;映画音楽の巨匠の軌跡
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38315386.html
vol.2;「映画音楽はあまり好きではなかった」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38335373.html
vol.3;「懐かしい思い出として記憶しているだけ」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38354805.html
vol.4;「儚く、断片的」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38376423.html
vol.5;「ただの仕事」
ただの仕事
ウィリアムズのこの発言を聞いて、皆さんはどのようなイメージが浮かびますか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
…コーチングは「悩みごとを解決する」ことではありませんが、実際のところ、何らかのお悩み相談をきっかけに関わりがはじまることが多いよう。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
その相談の多くは「仕事」のこと。例えば↓
Q-334~:何かいい仕事はありませんか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426303.html
それがコーチングであろうと、ヒーリングであろうと、私はまず相談者のブリーフシステムに刻み込まれている「仕事」の定義を確認します。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
なぜなら、多くの人が「仕事」と「お金(ファイナンス)」を結び付けて考えているから。
それは社会的洗脳であり、不幸のはじまりです。釈迦的にいうなら… 無明。
Q-477:「俺の処方を勝手に変えるな」と怒られました… <vol.1;無明>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38266229.html
だから私は、苫米地式を学び実践するコーチとして、「仕事」と「お金(ファイナンス)」を切り離すことからはじめます。それが“コーチが最初に伝えること”です↓
Q-255:バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28656381.html
では「仕事」や「職業」とは?
…そう、「仕事」とは、「社会に自分の機能を提供すること」。そして、「職業」とは、「社会に自分の機能を提供するもの」。ともにお金とは何の関係もありません。お金に関しては「ファイナンス」のカテゴリーにゴールを設定(再設定)することで向き合います。
L-179:2022年06月医療・介護研修会 -02;「仕事観」を書き換える
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html
「仕事」と「お金(ファイナンス)」を切り分けることができたら、次のテーマは「視点」。
「自分の機能を提供する」という言葉どおりに視点が「自分」にあるままだと、その「機能」は利己的になってしまいがち。そこに「ほめられてうれしい」「嫌われたらイヤだ」といった情動が張り付いてしまうと、なかなか利己から抜けだせないはずです。抽象度が上がらないから。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
「仕事」は、利己ではなく、利他で行うもの。
もちろん、コーチングはそういうもので、コーチは「自分の利益0」「相手の利益100%」を貫く存在です。
Q-394:利己的な思いと利他的な思いが両方ある場合は…?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35299303.html
ただし、「自」と「他」を分別する意識状態のまま行う「自分の利益0」「相手の利益100%」は危険。それだと利他の仮面をかぶった利己的な人にいいように利用されかねません。
S-04-18:自分が相手100%であっても、相手が自分を100%思ってくれなければうまくいかないのではないでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23583010.html
大切なのは「自」と「他」を統合することであり、”自分“の定義を拡大・拡張していくこと。
苫米地博士は、著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」(徳間書店、開拓社から再販)の中で、それを「自分中心を捨て去る」と表現されています↓
Q-392:コーチングとは基本的に利他的になることでゴールを達成すること…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35248836.html
自分中心を捨て去る
…それはゴールのポイントでもあります。ゴールのポイントは 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る(利他)。
Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html
その「4)自分中心を捨て去る(利他)」のために、じつは「3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)」がとても役立ちます。たくさんのカテゴリー(のゴール)を同時に維持する意識状態でいると抽象度が上がりやすくなるからです。
「抽象度が上がる」と「自分中心を捨て去る」は同じ意味。そして、それが「利他」です。
F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html
最新のコーチングでは、もっとダイレクトに、「抽象度」というカテゴリーが加わっています。「リーダーシップ」や「エソテリシティ」とともに。
Q-464:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.8;抽象度×エソテリシティ×リーダーシップ>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38038884.html
ところで、苫米地博士はバランスホイールに「芸術」を入れることも勧められています。
私自身はこれまで「芸術」とは無縁の生活をしてきましたが、苫米地博士に学ぶうちに、芸術は「人類全体をより高次のレベルに導く重要なゴール・カテゴリー」だと感じるようになりました。
F-417:煩悩か 芸術か
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37518824.html
「芸術」とは、「未だに見つけられていないLUB (Least Upper Bound)」であり、「超次元偏微分誤差最小化空間の下ではなく上に現れる」もの↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31869155.html
つまり、超言語や超論理といった高い次元にひろがっているのが「芸術」。それに対して「仕事」は機能を提供することであり、より具体的に役に立つことだといえます。
芸術を「理学」に例えるなら、仕事は「工学」です。
F-202~3:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで… vol.2~3
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26722183.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26780331.html
長い音楽家としての歩みの中で、ウィリアムズのコンフォートゾーン(CZ)は、「映画音楽」から「音楽」、「音楽」から「芸術」へと抽象度が上がっていったに違いありません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
「ただの仕事」という言葉は、仕事(映画音楽)を蔑む意図で発せられたものではなく、ますます「芸術」のカテゴリーにフォーカスしている心の内をあらわす自然な表現だと思いました。
もちろん、そこには若い芸術家たちへの思いも含まれているはず。「次の世代に幸せの種を残す」という思いが。
F-384:ロバート・メーガーの「3つの質問」 <vol.4;役割/責任「Intentionality」>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36189008.html
以下、苫米地博士の著書「老い方を今すぐ、アップデート 老害にならずに『第二の人生』を生きるヒント」(TAC出版、p30)より引用します。
「自分のために」だけはもうやめる
壮年になったら、すべての行動の動機のなかに「社会のため」、日本風に言えば、「世のため、人のため」というのを一かけらでもいいので入れるようにしましょう。そう意識するだけでも行動はだいぶ変わってくるでしょう。
「自分はそんな人間ではない」「そんなおそれ多いことは考えられない」などとは決して思わないでください。
なぜなら、これはたいそうなことでも、崇高なものでもなく、ごくごく当たり前のことだからです。道路にゴミをポイ捨てしない、困っている人がいたら手を差し伸べるのと同じくらい当たり前のことで、人が本来持っている共同体意識であったり、美意識であったり、親切心といったものの発露だからです。ただ、日本人はそれを言葉や行動にするのを恥ずかしがるところがあるのでやり慣れていないだけなのです。
ですから、本来の意味で心のおもむくままに動いて決してストップをかけないようにしてください。恥ずかしがらず、世のため人のために動いてみましょう。
そうすれば、おのずと人生は大きく変わってくるはずです。
幸せになれるはずです。
第二の人生を謳歌する、ライフ・シフトすることを簡単に言えば「幸せになる」ということでしょう。
ならば、幸せになるのは簡単で、次の世代に幸せの種を残していくことです。
老後はテニスをするのもいいでしょう。英会話に励むのもいいと思います。起業して新事業に乗り出すのだっていいですし、旅行三昧もいいでしょう。
何をしてもいいのですが、その目的のなかに必ず、「世のため、人のため」「若い世代に幸せの種を残す」というものがなければ、すべては我利我利亡者(自分の利しか考えず他者や世界への気遣いがゼロの人)の所業に堕してしまいます。
そうなっては第二の人生の意味がないでしょう。
壮年になったら、「自分のために」だけでなく、「若い世代のために」というのを常にどこかで考えていることが本当の人の道を歩むことになるのです。
また、それが第二の人生をより輝かせるためのコツでもあります。
そしてもう一つ、第二の人生を生き生きとさせるために大切なのはクリエイティブに生きることです。
しかし、多くの人がこれを難しいと考えています。自分にはクリエイティビティなどないと思っています。はっきり言います。創造性は誰にでもあります。そのヒントとなるのが「若い世代のため」という意識です。これについては、第2章で詳しくお話ししましょう。
引用おわり(つづきはこちらでどうぞ↓)
Amazon.co.jp:
老い方をいますぐ、アップデート 老害にならずに「第二の人生」を生きるヒント
eBook : 苫米地英人: 本
(F-452につづく)
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
コーチングは「悩みごとを解決する」ことではありませんが、実際のところ、何らかのお悩み相談をきっかけに関わりがはじまることが多いよう
…「コーチングは『悩みごとを解決する』ことではない」の理由はクリアでしょうか?
F-329:ゴールのカテゴリ「家族」の意味
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33361361.html
-告知1-
私の意図は「縁起の力により、ゴール側の世界(未来)を創り、ゴールに向かってブーストしていく!」
L-258:2022年12月… -07;「ゴール間の縁起の力」「メンバー間の縁起の力」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38385551.html
…コーチとしての活動を大幅に見直すことにしました。現在、いろいろ思索中です。
-告知2-
クラブ活動を行っています。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-212~:仕事楽しみですか? ~want
toが非難される社会~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415360.html
F-299~:芸術は高抽象度の未知なるLUB。では、コーチングは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425725.html
F-333~4:分断緩和のための処方箋 vol.4~5;「ワークライフバランス」の落とし穴
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33566734.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33619443.html
L-028~9:2020年3月シークレットレクチャー -06~7;75歳以上では延命治療は不要?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26140730.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26156803.html
Q-354~:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。単に疲れているだけでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427647.html
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老い方をいますぐ、アップデート 老害にならずに「第二の人生」を生きるヒント
eBook : 苫米地英人: 本



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