Q-482:これからはアファメーションは行わないと理解しておりましたが、苫米地博士が新刊で取り上げられているのはなぜなのでしょうか? <後編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 

Q:苫米地博士は「過去は一切関係ない」と矛盾するから「これからはアファメーションは行わない」と話されています。これからのコーチングではアファメーションは行わないと理解しておりましたが、博士の新刊の「老い方をいますぐ、アップデート」の中ではアファメーションを積極的に勧めているように感じられます。

博士がアファメーションを取り上げられているのはなぜなのでしょうか?

どのように理解して、どう実践すればよいでしょうか?

 

A2:前半はコーチング入門者に対する視点で、後半はコーチング実践者に対する視点で回答します。あくまでも私の仮説です。気楽にどうぞ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 *前編はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38305515.html

 

 

 前回引用した文章で博士が問われているのは

 

  自分を好きですか?

  自分を肯定する「自己イメージ」を持っていますか?

 

 ということ。

 

 でも、ほとんどの人は自分のことを好きではなく、自分を肯定する「自己イメージ」を持ってはいません。「持っている」という方も、本来の潜在能力と比べると、まったく足りないはずです。

 その理由はベーシックトラストが弱いからであり、老いとともに心身が弱っていくから。

もっと本質的に考えると、そもそも我々の記憶が“失敗”駆動型だからです。

 だから「アファメーションを使ってエフィカシーを高める」ことを勧められているのだと思います。まずはコーチングのスタートラインに立てるように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 とここまでがコーチング入門者向けの話。

 現状の外にゴールを設定し、未来から過去に流れる時間観で生きるコーチング実践者にとっては、「過去は一切関係ない」!

これは重要なプリンシプルです。

 L-248202210月介護施設研修 -08;「過去には一切こだわらない」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38119777.html

 

 いくらいいアファメーションであっても、過去の自分が書いたものを今声に出して読んで臨場感を上げることは、「過去は一切関係ない」と断言する苫米地式と矛盾します。

だから最新のコーチングにおいては、質問中にあるとおり、苫米地博士はアファメーションを推奨されてはいません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

では、なぜ「老い方をいますぐ、アップデート」(TAC出版)の中で「アファメーションを積極的に勧めている(ように感じられる)」のでしょう?

 

 

 ヒントになるのは「ゲシュタルト」(あるいはフレーム)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

もう一度、「老い方をいますぐ、アップデート」の第4章全体を読み直してみてください。

 

 

老い方をいますぐ、アップデート

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 老い方をいますぐ、アップデート 老害にならずに「第二の人生」を生きるヒント eBook : 苫米地英人:

 

 

 …OKですか?

では、コーチング実践者に対する視点で回答します。

F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html

 

4章のタイトルは「これからの世界に何を残すのか? -次世代リーダーという新しいあり方」です。つまり、リーダーシップのゲシュタルト(フレーム)。だから博士は「アファメーションを積極的に勧めている」ように書かれたのだと思います。

Q-459:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.3;リーダーシップ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37967235.html

 

 コーチングとリーダーシップはまったく違うものです。まずはそこをしっかりと理解してください

 

 

 「コーチングとリーダーシップはまったく違うもの」を「しっかり理解する」というのは、「コーチング」というゲシュタルトと「リーダーシップ」というゲシュタルトをそれぞれ作るということ。

 

 その上で両者を統合することができると

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 理解がさらに深まります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

 

コーチングとリーダーシップはまったく違うもの

 

 

 その一方で、両者は深く関係しています。苫米地博士は「真のリーダーにはコーチングの知識と技術が必要」と話されています。「真のリーダー」とは、アプリオリ権力ではないリーダーのことです。

 F-296:苫米地式次世代リーダーシップ <vol.3;次世代リーダーの要件 -後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31709558.html

 

「オーセンティック・コーチング 2026」(開拓社)の中で、博士はゴールのバランスホイールに「抽象度」「リーダーシップ」「エソテリシティ」を追加されました。

なので「リーダーシップ」は -あくまでもその本質はコーチングとは違うものですが-コーチングの実践に含まれます。

 Q-464:「この世をよくしたいvol.8;抽象度×エソテリシティ×リーダーシップ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38038884.html

 

 

オーセンティック・コーチング2026

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 つまり、低い抽象度次元においては「コーチングとリーダーシップはまったく違うもの」ですが、1つ抽象度を上げると「コーチングとリーダーシップは同じ(包摂される)」ということ。

 そのように抽象度をコントロールしながら向き合うことで、しっかり「理解」しながら(=抽象度↑)、ちゃんと「実践」する(=抽象度↓)ことができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 繰り返しますが、ポイントは抽象度のコントロールです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 以下、苫米地博士の著書「コーポレートコーチング 上」(開拓社、p109)より引用します。「抽象度のコントロール」を意識に上げながら、ゆっくり読み進めてください。Feel

 

 

コーポレートコーチング(上)

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リーダーのマインドとプロフェッショナルのマインド

 次は、リーダーのマインドとプロフェッショナルのマインドについてです。

 簡単に言いますと、リーダーの人たちと現場の人たちとの違いは何かという話です。

 これは、抽象度の違いと捉えるべきものです。

 リーダーは常に高い抽象度を保つ必要があります。

 仮に現場レベルの業務をやるケースがあったとしても、頭の中には常にコーポレート全体の発展とか、コーポレートが目指すゴールのことを考えていなければなりません。

 例えば、何かの理由でファーストフードチェーンの社長が、現場の店舗の厨房に立って、調理をすることがあるかもしれません。

 しかし、これは100%パフォーマンスであって、頭の中は会社全体のことを考えています。

 それに対して、現場の厨房で働く人たちは、通常はエンドステートのこと、つまり自身のやるべきミッションに集中しているはずです。

 こうした各自のミッションのことを、コーポレートミッションと区別する意味で「サブミッション」と呼ぶことがあります。

 このサブミッションを遂行するために、エンドステートの臨場感空間の抽象度で活動することは、何の問題もありません。

 ファーストフード店の厨房でパンにハンバーガーを挟む仕事をしている人が、社長や役員が経営会議で話し合う内容について、いちいちチェックする必要はないわけです。

 ただし同時に、この抽象度を上げたり下げたりする柔軟性をそれぞれの構成員が持つことは、現在のコーポレートにとっては必要なことでもあり、実際、システムとして存在するということは注意点の一つとして押さえておいた方がいいでしょう。

 現場の厨房からいきなり持株会社の社長レベルにまで上がってしまうような柔軟性までは必要としませんが、抽象度で一つか二つ上、具体的には厨房で仕事をする人なら、その店舗の店長レベルの抽象度ぐらいまでは柔軟に上げ下げできるべきです。

 現在的な組織は、誰もがいつでもリーダーになることができるように、最初から訓練された人たちの集合体であるべきです。

 また特殊部隊の例で恐縮ですが、特殊部隊の中にもリーダーがいます。

 もしリーダーがテロリストとの戦闘で撃たれて、戦闘不能の状態に陥ったとしたら、それまでリーダーではなかった特殊部隊員の誰かがリーダーの役割を担う必要が出てきます。

 そのときに、誰もがリーダーとしての訓練を受けていなかったら、この部隊は壊滅してしまうか、少なくともミッションを遂行することはできなくなるでしょう。

 それでは困るわけで、リーダーが突然、不在になるリスクも考慮して、自らのエンドステートの遂行とは別に、普段から抽象度の上げ下げができるようにしておく必要があるのです。

 さらにここで注意が必要なのは、リーダーが不在となり、それまで同じくらいの抽象度にいた構成員がリーダーの役割を担うことになったとき、他の構成員はその人を本当のリーダーだと扱って行動しなければいけないということです。

 簡単に言うと、その急造リーダーの命令を絶対のものとして受け入れなければいけないということです。

 コーポレートにおいて、組織の命令は常に一方向でなければなりません。

 特に企業においては民主主義はありません。

 業務命令は常に上意下達です。

 ビジネスには一瞬の躊躇が、大きな損失に繋がることも少なくありません。

 すぐに判断を下して動かなければならないような状況で、「あいつはこの前リーダーになったばかりだから信用できん。まずはみんなで会議しよう」などと言っていては、生き残れません。

 もちろん、「ブリーフィング」はかまいません。

 ブリーフィングというのは、まだ実際の行動に移る前に、ミッションの共有、手順の確認、あるいは想定される状況のシミュレーションなどを全員で確認し合うことです。

 特殊部隊であれば、実際の戦闘地域ではない場所、例えば基地内、もしくは空母やヘリコプターの中で行われる打ち合わせ、会議、といった情報共有の場のことです。

 そういった場で行われるような情報伝達であれば、下から上にも常に伝わらなくてはなりません。

 それはやるべきことですが、テロリストと対峙している状況で会議を開くことはあり得ません。

 ましてや、「あいつはこの前まで俺と同じ立場だった急造リーダーだから、言うことは聞けん」などという状況では、組織は崩壊しているも同然です。

 いずれにしても、組織の構成員はエンドステートの臨場感を持ちつつ、抽象度が一つか二つ高いポジションならいつでも取って代われるという状態に訓練されている必要があります。

 全員のエフィカシーが高ければ「なんでリーダーは俺じゃなく、あいつなんだ」というようなおかしな感情は生まれません。

 また、当然ですが、リーダーは現場の抽象度までいつでも下がっていける状態でなければなりません。

 現場のエンドステートに関わることを相談されたとき、「全然、わからない」では困ります。

 特殊部隊のリーダーであっても、銃の使い方に長けている必要はありますし、テロリストとの格闘になったとき、素手でねじ伏せるぐらいの格闘技術を身に付けておく必要はあるわけです

 組織は、それぞれのサブミッション(エンドステート)の抽象度の二つ上ぐらいの抽象度を持てる人を常に育てる必要があるのです。

 企業などの組織における出世を考えたとき、どういう人間を出世させるかと言えば、このように二つぐらい上の抽象度について明らかによく理解している人を選ぼうということになるはずです。

 ひと昔前までは、前のリーダーやさらに上のリーダーに忠誠を尽くした人とか、個人的にかわいがられた人といった、抽象度の極端に低い人が出世したりしました(もちろん、出世させる方も抽象度が低い)。しかし、今はそんな企業が次々と淘汰される時代になっています。

 さて、こうした、優れたリーダーになるというような、抽象度が少し上のエフィカシーとは別に、「俺はこの仕事に関しては、最高の業績を出せる」というような、自分のサブミッション(エンドステート)への高いエフィカシーというものもあります。

 これが、プロフェッショナルのマインドです。

 プロフェッショナルのマインドは、抽象度を常に2つぐらいあげたサブミッションの遂行と、エンドステート達成への高いエフィカシーの両方を常に維持します。

 一人一人がプロフェッショナルなマインドを持つことは、ハイパフォーマンスな組織を作る上では必須です。

 まずは、こうしたプロフェッショナルのエフィカシーを徹底的に上げていけるようなコーポレートトークを作り上げていく必要があります。

 そういったコーポレートカルチャーを作り出すど真ん中にいるのがコーポレートコーチだということを理解していただきたいと思います。

 引用おわり

 

 

 リーダーは常に高い抽象度を保つ必要があります

 

プロフェッショナルのマインドは、抽象度を常に2つぐらいあげたサブミッションの遂行と、エンドステート達成への高いエフィカシーの両方を常に維持します

 

 このような「リーダーのマインド」と「プロフェッショナルのマインド」を極めた先にあるのが“ゲバラ主義”です。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 ゲバラ主義とは、「抽象度の高い理想(ゴール)」と「直接的実行」の双方向性

 

 「抽象度が高い理想(ゴール)」が時空を超えていくほど、アファメーションは過去に縛られなくなっていきます。つまり、「過去は一切関係ない」というプリンシプルと矛盾しなくなる ということ。

 Q-476:嫌がらせを<応用編;「やりたいことをやりたいだけやる」を貫く鍵>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38252126.html

 

 一方の「直接的実行」は、より抽象度の低い次元での行動です。抽象度が低くなるほど、関連する具体的情報(縁起)が増え、それらが複雑に絡み合いながらダイナミックに変化していくことになります。仏教的にいうと「無常」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 そのような状況で「サブミッション(エンドステート)」を達成するためには、状況の変化に合わせて想定(アサンプション)を細かく更新していく必要があります。コーポレートコーチングのフレームでは、それを「アサンプション・アップデート」と呼びます。

 当然、アサンプションを更新するたびにアファメーションは変わっていき、結果的に「過去は一切関係ない」という状況になります。

 F-270:冗長性と多様性 <vol.2;アサンプション・アップデート>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30321842.html

 

 

 以上より、「博士がアファメーションを取り上げられているのはなぜなのでしょうか?」に対する私の回答はリーダーシップのゲシュタルト(フレーム)だから

 

どのように理解して、どう実践すればよいでしょうか?」に対してはゲバラ主義と理解して、「抽象度の高い理想(ゴール)」と「直接的実行」の双方向性で実践する です。

 

 

 これがコーチング実践者向けの回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

「コーチングとリーダーシップはまったく違うもの」を「しっかり理解する」というのは、「コーチング」というゲシュタルトと「リーダーシップ」というゲシュタルトをそれぞれ作るということ。その上で両者を統合できると理解がさらに深まります

 

 そのための方法が「コンセプチュアル・フロー」です↓

 L-08120213月シークレット… -04;言語を用いたゲシュタルト構築 <応用編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html

 

 

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次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年秋に配信を開始する予定です。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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L-08820213月シークレットレクチャー -11;コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

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Q-464:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.8;抽象度×エソテリシティ×リーダーシップ>

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