Q-477:「俺の処方を勝手に変えるな」と怒られました <vol.1;無明

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 vol.1;無明

 

 

Q:私は4年目の内科医です。私自身がまだ先輩に指導を受けている立場ですが、研修医を指導することもしています。先日、先輩医師から引き継いだ患者さんの処方を変更したら、あとで「俺の処方を勝手に変えるな」とすごく怒られました。研修医もその場にいたので、とても悔しい思いをしました。コーチであり医師でもある先生は、どう思われますか?

 

A1:「どう思われますか?」に対する私の回答は「無明」。

 無明 - Wikipedia

 

 無明(むみょう)とは、「縁起を知らない状態」のこと。

 すべての物事は関係性によって成り立っていると知らないがゆえに、行(ぎょう)=誤った認識作用が生まれます。誤った認識により感覚が生まれ、感覚によって欲求や執着が生まれ、さらに自分の存在が生じ、老いや死が生じるというのが十二支縁起です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 では、知ることで解決するか? といえば、それは難しいでしょう。なぜ(case)?

 現実的な“解決”のためには、どうすればいいでしょうか(plan)?

 

 そんなことを自問しながら、まずは下記の引用文をゆっくり読んでください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

以下、苫米地博士の著書「お釈迦様の脳科学 釈迦の教えを先端脳科学者はどう解くか?」(小学館、p142)より引用します。

 

 

お釈迦さまの脳科学

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無明とは縁起を知らないこと

 釈迦は、人間が苦を感じる原因を12の要素に分類して説明しました。十二支縁起、もしくは十二因縁とも呼ばれています。

 無明(むみょう)

 行(ぎょう)

 識(しき)

 名色(みょうしき)

 六処(ろくしょ)

 触(そく)

 受(じゅ)

 愛(あい)

 取(しゅ)

 有(う)

 生(しょう)

 老死(ろうし)

 

 十二支縁起の最初にあるのは「無明」です。そして、無明によって行が生じる、行によって識が生じると、順に追っていくと最後は老死にたどり着くとされます。

 では、無明とはいったい何でしょうか。無明を「過去世の煩悩」と説明しているものがありますが、仏教は過去世を認めていませんから、明らかに間違った解釈です。

 無明とは簡単に言うと「縁起を知らないこと」です。すべての物事は関係性によって成り立っていると知らないがゆえに、誤った認識作用(行)が生まれます。誤った認識作用により、感覚が生まれ、感覚によって欲求、執着が生まれ、さらに自分の存在が生じ、老いや死が生じるのです。

 釈迦は瞑想で、これを逆向きに推論(逆観)していきました。人はなぜ老いて死ぬのか、それは生まれ来たから、と次々に原因をたどっていくことで、すべては「私たちが無明であること」から始まることを発見しました。

 ただし、十二支縁起のすべてを理解することは必要ありません。十二に分けたのも、あくまで説明の都合です。仏教の世界では「六波羅蜜」「阿弥陀の四十八願」「第十八願」「三千世界」など、なぜか6の倍数が好まれているようです。十二支縁起における「受」や「生」の分け方など、現代の科学者による認識とは異なっており、それぞれの言葉や順番を厳密に理解しようとすると、かえって混乱してしまうかもしれません。

 あくまで、十二支縁起は釈迦の時代の人たちへの説明方法ととらえた方がよいでしょう。ですから、最初の「無明によりて行がある」だけ理解できれば十分でしょう。

 無明は「縁起を知らない状態」、悟った人はこの世が縁起で成り立っていると理解していますから、「悟っていない状態」と言い換えることもできます。

 悟っていない人には、誤った認識作用が生じるため、「自我」や「この世」があると思うことになります。それがすべての悩みや苦しみの原因です。「この世」があるから「あの世」があり、「自我」があるから「宇宙」があるのです。

 無明のない人、つまり悟った人には、誤った認識作用は生まれません。正しい認識とは、すべては「空」として見ることです。悟った人には老死がありません。と言っても、それは不老不死を意味するものではなく、老死という概念が存在しないのです。それ以前に、生まれるという概念もないのですから当然です。

 ですから、「あの世」はもちろん「この世」すら存在しません。「自我」がないのですから、自我と対になる概念である「宇宙」もないのです。

 引用おわり

 

 

 すべての物事は関係性によって成り立っていると知らないがゆえに、誤った認識作用(行)が生まれます

 

 医療現場で活動するコーチとしていつも感じるのですが、日本の医療はいまだに機械論(&決定論)的な世界観をベースにしています。その基本は「存在があり、存在と存在の間に関係が生まれる」というもの。

わかりやすくいうと、「医師がいる」「患者がいる」、「病がある」「薬がある」という視点。その結果として、「医師が病を診断して、患者を薬で治療する」という解釈が生じます。

 

  「医師がいる」「患者がいる」

  「病がある」「薬がある」

 

これらの表現に違和感を感じますか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html

 

 

「病が“ある”」や「薬が“ある”」といえるのは、「物理空間が“ある”」ことが大前提になっています。

 

 ルネ・デカルト(15961650年)に代表される物心二元論(実体二元論)は、「この世界にはモノとココロという本質的に異なる独立した二つの実体が“ある”」というものです。実体とは「他の何にも依らずそれだけで独立していて存在しうるもの」のことで、アプリオリ(ア・プリオリ)と表現されます。

 

アプリオリとはカントの言葉で、「経験的認識に先立つ先天的、自明的な認識や概念」のこと。それは人間の経験的認識に先立って確立されているべきもので、「人間をつくった神」や「その神が創った世界」のことです。

 Q-350:「情報的身体」というのがよくわかりません? <前編;ケースサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32943460.html

 

 物理空間に実在する身体と身体とは別にどこかに存在する心が「強い相関関係をもつ」というのが現代医療の、とくに心身医学(心療内科)の根底にある考え方です。それを「心身相関」と表現します。ついでにいうと、身体と心が別々のものであるという大前提のもと、身体を対象にしているのが心療内科で、心を対象としているのが精神科です。

Q-065:認知的不協和の状態にあり… Vol.2;西洋医学と東洋医学の違い

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13958654.html

 

不完全性定理や不確定性原理が証明された現代においては、「神が創造した完全なる宇宙では始まりにすべてが決まっている。そして、その初期値と連続する因果の当然の帰結として現在の個々の思考や行動がある」という西洋哲学の因果律は完全に崩壊しました。

http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/6194669.html

 

「病が“ある”」「薬が“ある”」ことを真とする「物理空間が“ある”」という大前提が崩れたのです。

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4516539.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654230.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4654316.html

 http://blog.livedoor.jp/coachfor_m2/archives/4831442.html

 

 では、身体と心の関係について、あるいは物理空間と情報空間の関係について、現代に生きる私たちはどのように考えればいいのでしょうか?

 

 

 答えは「身体と心は同じもの」「物理空間は情報空間の一部」。

それらは同じものの抽象度の違いに過ぎません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 苫米地理論でいうと、すべては情報。物理空間も情報であり、それは抽象度を軸とした場合の情報空間の底面のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 

悟っていない人には、誤った認識作用が生じるため、「自我」や「この世」があると思うことになります。それがすべての悩みや苦しみの原因です

 

 ところが、多くの人は「すべては情報」という事実を今も知らないまま。「関係が存在を生みだす」という縁起の理も実感できません。

 それが「無明」。

縁起を知らないことが、「医師」や「患者」を生みだし、「病」や「薬」を生みだし、そして「俺の処方を勝手に変えるな」という言動を生みだしています。

 

 では、本質的に解決するためにはどうすればいいのでしょうか?

 

 

 正しい認識とは、すべては「空」として見ることです。悟った人には老死がありません。と言っても、それは不老不死を意味するものではなく、老死という概念が存在しないのです。それ以前に、生まれるという概念もないのですから当然です

 

 答えは「すべては『空』として見る」こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 でも、それは悟りの境地。コーチングのフレームでいうと「スコトーマがゼロ」の状態です。それは目指すものではあっても、実現できるものではありません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 

 では、あらためて伺います。

 

 縁起を知ることで解決するか? といえば、それは難しいでしょう。なぜ(case)?

 現実的な“解決”のためには、どうすればいいでしょうか(plan)?

 

Q-478につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

身体と心が別々のものであるという大前提のもと、身体を対象にしているのが心療内科で、心を対象としているのが精神科です

 

 「サイゾー 20265月号」(CYZO)にて、苫米地博士は精神科の医師と対談を行っています。タイトルは「精神科医の聖域はAIにハックされるのか?」。

 

 

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 その中で博士はこのように話されています

 

 

  人間を、ミクロ、つまり抽象度の低い「分子レベル」から、マクロ、つまり抽象度の高い「思想や心のレベル」までが重なった、一つの連続体として捉える

 

 

 今回の回答を通して私がもっともお伝えしたいのは「一つの連続体」という感覚。もっと本質的な言い方でいうと「全抽象度」。それを一文字にすると「」です。

 L-247202210… -07;コーチングが“文化”に浸透するための3つの大前提

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次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年秋に配信を開始する予定です。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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