Q-468:「『職業』と『ファイナンス』をしっかり分ける」がどうしても伝わりません <vol.4;“自問自答のループ”に導くkey word「言語束縛」>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

 vol.1;人ならば誰もが持つ習性

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38153206.html

 vol.2;“自問自答のループ”に導くkey word「客観」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38158597.html

 vol.3;“自問自答のループ”に導くkey word「ゼロトラスト」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38169810.html

 vol.4;“自問自答のループ”に導くkey word「言語束縛」

 

 

Q:コーチングをまわりの人たちにひろげようとしていますが、「『職業』と『ファイナンス』とをしっかり切り分ける」ということがどうしても伝わりません。どのようにすればよいでしょうか?

 

A4その「『複雑な関係』を、言語や論理を超えた次元で、ゴール側から『立体的に思考』する」ことがコーチングの実践。それは「ゴール側からの新たな縁起づくり」だといえます

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 と前回(Q-467)の最後に書きましたが、実際には「言語や論理を超えた次元で、ゴール側から『立体的に思考』する」ことは簡単にはできません。なぜ?

 

 

 そう、言語束縛は強烈だから。

 PM-06-12:仮説07)思考停止

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 以下、苫米地博士と博士の師僧 荒了寛先生の共著「煩悩の教科書 あなたも菩薩になる」(集英社インターナショナル、p89)より引用します。

 

 

お釈迦さまの脳科学

 

 

煩悩と言語束縛

苫米地 考えてみれば、人間の知性は入ってきた情報を言語化、論理化することによって構築されてきたわけで、人類の文明は言語なくしてはありえなかったでしょう。

 それだけ言語というのは偉大なものではあるのですが、物事を記憶したり、理解し、知的操作するうえで、言語化できない情報-たとえば視覚的な記憶など-は否応なく切り捨てられてしまいます。

 しかし、さっきのウィルシャーのようなサヴァンたちは左脳の処理に障害があるために、そうした情報の切り捨て=言語化がなされないので見たままの情報をそっくり記憶から引き出せるのでしょう。

 その観点からすれば、我々の知性を形作っている言語こそが煩悩であり、その煩悩を作り出すのが他ならぬ左脳だということになります。

 それを私は最近「言語束縛」という言葉で説明しています。人間は言語によって知性を得たと言われますが、実際には言葉というフィルターを通して、世界を見るようになった。それによって情報の取捨選択はできるようになったけれども、その結果、スコトーマ、心理的盲点が生まれるようになった。

 たとえば動物は自分がいる環境からのシグナルをすべて受け取り、環境の変化や外敵からの攻撃に瞬時に対応しようとしますが、人間にはそういう反射神経はない。動物は言葉を介在させずに生きているのに対して、人間は言葉によって世界を摑もうとしているからです。

 ですから、言葉を知ったからといって賢くなったとは言えない。むしろ、言葉によって束縛されていることのほうがずっと多い。

 その最たるものが宗教でしょう。

 一般的な宗教もまた教説や教祖の伝説的なエピソードを知り、聖典を読むことで救われたような気になるのですが、実はそれは言葉によって束縛され、思考停止しているだけのことにすぎなかったりする。

 この点、仏教が特異なのは-仏教の中にも、もちろん言語束縛が行われている部分もありますが-、我々が認識している世界は、しょせんは言語で束縛された心が作りだしたものであるということを教え、そこから脱していきなさいと教える点にあります。

 たとえば、禅の修行なども結局は、この「言語束縛」を外していくのが目的だと思いますね。

 よく誤解されるのですが、座禅の目的は「無念無想」になることではありません。そもそも「意志の力で心の働きを無にする」ということ自体が矛盾した話です。そんなことは、それこそ脳の機能を止めないかぎり無理というものです。

 

自然界とダイレクトにつながる

苫米地 では禅とは何のための修行なのでしょうか。それは一言で言えば、「言葉を使わずに世界を観る」ための修行です。

 座禅を組んで、瞑想をしていると心の中にさまざまな想念が浮かんでくるものですが、その想念が言葉と結びついていないものであれば、言葉を使った思考でなければ、そのまま受け止めればいい。

 たとえば心の中に光が見えた、精妙なる音楽が聞こえた、あるいは仏様の姿が見えた-これらは言葉とは関係がないから、問題はないわけです。あるいは坐禅堂の中に吹く風を感じ取る、虫の音が聞こえる、それらも別に問題はない。

 しかし、そうした想念が言葉という形を取ったら、その想念は妄念になるわけです。座禅をしながら「お腹がすいたなぁ」とか「本当にこれで悟れるのだろうか」といった思念が生まれると、即座に警策で肩を叩かれ、「喝!」と言われるわけですね。

 その禅とはいわば対極にあるのが密教ですが、密教も積極的に言語以外のものを自分の中に取り込んでいくことで想念を排していこうとします。

 たとえば密教の曼荼羅は言葉を使わずに絵によって、この宇宙全体を示そうという試みです。曼荼羅の中には無数の仏が描かれていますが、それを言葉では説明しない。そこに描かれている世界観を丸ごと受け止めなさいということで、この曼荼羅の仏様をいちいち分類・解釈しては意味がないわけです。

 また密教では護摩を焚きますが、これも炎や音、においによって感覚を満たしていこうということで、これも頭から言葉を追い出そうとしているわけですね。

 つまり、頭でものを考えて処理するのではなくて、世界、自然界とそのままダイレクトにつながるようにする-それが「悟り」ということの本質だと思います。

 引用終わり

 

 

 その観点からすれば、我々の知性を形作っている言語こそが煩悩であり、その煩悩を作り出すのが他ならぬ左脳だということになります。

 それを私は最近「言語束縛」という言葉で説明しています。人間は言語によって知性を得たと言われますが、実際には言葉というフィルターを通して、世界を見るようになった。それによって情報の取捨選択はできるようになったけれども、その結果、スコトーマ、心理的盲点が生まれるようになった

 

 『職業』と『ファイナンス』とをしっかり切り分ける」ということがどうしても伝わりません」という問いに対して「人には煩悩があるから」とシンプルに答えると、きっと多くの人は「お金=煩悩」と捉えるはずです。もっと丁寧にいうなら

 

生得的な生存本能という煩悩が『お金がないと死んでしまう』といった刷り込みに刺激される

→ 恐怖が生まれ大脳辺縁系優位になる(Fight or Flight

→ 冷静な判断ができずにお金に執着する

 

 という感じ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 しかしながら、最初(Q-465)に確認したとおり、世界の富豪たちが「あれだけお金を持っているのに、まだお金が欲しいように振る舞う」のは、恐怖により冷静さを失っているからではありません。満足感が満たされないからであり、欲望には際限がないからです。

 実際、恐怖によりお金を求めている(と思える)人が使い切れないくらいのお金を手に入れた場合、お金への執着は消え去るどころかさらに強まっていきます。その根底にあるのが「満足感は資産の量ではなく、資産の変化にある」という習性、すなわち「限定合理性」です↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38153206.html

 

 となると、「限定合理性」こそが煩悩(の正体)と読めそうですが、苫米地博士の考えはそうではないはず。例えば「右脳言語野の覚醒」(フォレスト出版)といった教材にて、博士は「右脳言語野」について言及されています。

 L-162202201月シークレットレクチャー -06;ゴールを見つける近道

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

 

 

右脳言語野の覚醒

フォレスト出版HPより引用

右脳言語野の覚醒

 

 

 守秘義務を守りながらさらっと述べると、「資産の量」「資産の変化」などは左脳言語野的です。それは情報空間の低い次元での活動であり、「『増える』と嬉しくて『減る』と不快になる」という“人の特性”」がダイレクトに当てはまります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 対して、「資産の量」「資産の変化」に“意味”を持たせると右脳言語野的になっていきます。それは情報空間のより高い次元で新たなゲシュタルトをつくることだといえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

  「資産の量」「資産の変化」に“意味”を持たせる

 

 それこそが「ファイナンス」のカテゴリーのゴールの役割。

 Q-444:ファイナンスがどうしてもhave toな場合、どうすればいいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37428249.html

 

そして、その「ファイナンス」のゴールの“意味”には、「ファイナンス」が下支えするその他のカテゴリーのゴール(例えば「職業」「家族」「社会への貢献」等)が強くかつダイナミックに影響していきます。双方向的に。

 Q-425:現状の外側に100%want tovol.3update ofBalance Wheel」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36631145.html

 

「オーセンティック・コーチング 2026」(開拓社)以降、ゴールのバランスホイールには「抽象度」「リーダーシップ」「エソテリシティ」という3つのカテゴリーが加わりました。

「抽象度」「リーダーシップ」「エソテリシティ」は絡み合うようにして3つで1つ。三位一体として機能しています↓

Q-464:「この世をよくしたいvol.8;抽象度×エソテリシティ×リーダーシップ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/38038884.html

 

 

バランスホイール(「抽象度」「リーダーシップ」「エソテリシティ」)

 

 

 「抽象度」のカテゴリーの役割は、バランスホイールのその他のカテゴリーのすべての上位に位置することで全体のバランスに働きかける こと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 そんな「抽象度」のカテゴリーにゴールを設定し、そして全体のバランスに働きかける意識状態でいると、「『増える』と嬉しくて『減る』と不快になる」という“人の特性”」という言語束縛が解けていくはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

Q-469につづく)

 

 

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