Q-460:「この世をよくしたいなら権力から離れる」とは? <vol.4;エスティーム>

 

 私のゴールのひとつは「コンパッション実現」。コンパッションとは「慈悲」のことです。

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 ゴール達成のための縁起のひとつとして、気楽なクラブ活動を続けています。それが「コーチング・デ・コンパッションクラブ(CoacHing de Compassion ClubCHCC)」↓

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 その活動中に「『この世をよくしたいなら権力から離れる』とは?」という問いかけをいただきました。貴重な縁をきっかけに考えたことを言語化します。

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 vol.1;慈悲の注意ポイント

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 vol.2;そもそも権力とは?

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 vol.3;リーダーシップ

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 vol.4;エスティーム

 

 

 最初(Q-457/vol.1)に「コンパッション=慈悲の注意ポイント」を確認しました。それは「①情動で出た慈悲は疑え」「②慈悲はルールの世界ではない」「③この世をよくしたいなら権力から離れる」。

 その「③この世をよくしたいなら権力から離れる」に関する苫米地博士の言葉が

 

この世界をよくしようと思うことになんの問題もありません。大いにやってほしいところです。ただし、権力を持ってそれを実現する方向で考えるとしたら、それは若い時の迷いです。迷いは無知からくるものです。根源的には無明といいますが、簡単にいうと無知。

 

 

 初めてこの部分を読んだとき(2019年)、「『この世界をよくしよう』という思いを『権力を持ってそれを実現する方向で考える』ことが『迷い』であり『無知』である」ということが理解できませんでした。

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おそらく「『この世をよくしたいなら権力から離れる』とは?」という問いかけをされた方も同じだと思います。

 Q-172:自身の信念を失いそうです vol.4;コーチ向け

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24495212.html

 

 それは「『コンパッション=慈悲の注意ポイント』がゲシュタルト化していない」ということです。

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 私自身のモヤモヤはずっと続いていましたが、最初のバージョンの「オーセンティック・コーチング」(20224月出版)を読んだ後に解消しました。

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 きっかけは新しい「エスティーム」の理解でした。以下、最新のバージョンである「オーセンティック・コーチング 2026」(開拓社、p131)より引用します。

 

 

◎エスティームの新しい解釈

 鬱になるのは前頭前野の活性が下がって大脳辺縁系が優位になっているからです。エフィカシーが上げられない原因も同様で、大脳辺縁系の活性が優位になり、IQが下がっている状態だからです。情動的になり、論理思考ができなくなってしまった脳を、前頭前野で思考できるようにすればエフィカシーも上がってきます。別の言葉で言えば、マインドの使い方を間違えているためにエフィカシーが上がってこないのです。マインドの使い方を変えていけば、エフィカシーも自然に上がってくるはずです。

 では、マインドの使い方をどう変えていけばいいのでしょうか?

 これについてはすでにいろんな書籍で書いていますので、そちらも参照してほしいのですが、本書で新しく伝えるのはエスティームの効用です。

 セルフエスティームという言い方もしますが、本書ではエスティームで統一します。

 エスティームの意味は「尊重する」「高く評価する」という意味で、エフィカシーと似ているように聞こえますが、コーチングでは両者を明確に分けています。

 なぜなら、コーチングにおけるエスティームとは、社会の中での地位のことを指すからです。課長よりも部長のほうが高いエスティームであり、部長よりも社長のほうが高いエスティームを持っているということです。

 しかし、社会的地位とは現状の中に居続けることで意味を成します。「私はこの会社の部長なんだ」ということに誇りを持っていればこそ、それを実現したいと思うわけです。つまり、エスティームを高めることは自分を現状に縛り付けることを意味します。ですから、エスティームはコーチングではクローズアップされることが少ない言葉になります。ただし、人間の心理とは不思議なものでエスティームが高い人はエフィカシーも高いことが往々にしてあります。

 ですから、今回、私はエスティームに新たな意味を追加し、再定義しました。この再定義によってエスティームはコーチングにおいて重要な言葉となります。

 エスティームの新しい定義とは自分の社会的地位を誇るのではなく、「自分のゴールの凄さを自ら誇る」というものです。部長や社長といった社会的な地位を誇るように、自分のゴールの高さを自ら評価し、誇るのです。

 これまでのエスティームは「私もとうとう社長にまで上りつめた。凄いな、私は」としみじみ思うことでした。しかし、これからのエスティームは「私のゴールは社会的貢献度がとても高い。現にあそこやあそこの国の人々の暮らしを豊かにできそうだ。私って凄いなあ」としみじみと思うということです。

 自分が持っているゴールを誇ることでエスティームを高める。エスティームが高まれば、エフィカシーも自然に高まってくるのです。

 引用終わり

 

 

エスティームの新しい解釈(オーセンティック・コーチング 2026)

「オーセンティック・コーチング 2026」(p133)より引用

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: オーセンティック・コーチング2026 ~本物のコーチング~ eBook : 苫米地英人:

 

 

コーチングにおけるエスティームとは、社会の中での地位のことを指す 社会的地位とは現状の中に居続けることで意味を成しますつまり、エスティームを高めることは自分を現状に縛り付けることを意味します

 

 こちらの「エスティーム」が、私たちが離れるべき「権力」に相当するもの。前回(Q-459)確認したとおり、その正体は「組織と権力がワンセットであるという20世紀までのシステム」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37967235.html

 

 苫米地博士は、これまでの「エスティーム」に新しい意味を追加し、再定義をされました。それが

 

 自分の社会的地位を誇るのではなく、「自分のゴールの凄さを自ら誇る」

 

 ゴールの基本条件は 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域、4)自分中心を捨て去るの4つ。

 L-10020218… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 自分中心を捨て去りながら現状の外に設定するゴールは、当然、“自分”という枠組みを超え社会にひろがっていきます。抽象度が上がるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 さらに時間でいうと、旧「エスティーム」は過去であり、新「エスティーム」は未来です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 つまり、博士によるエスティーム再定義のコアは、「自分/過去」から「社会/未来」への意識(視点)の変化 だといえます。これは次世代コーチングの「(関数pの再定義を促すのではなく)可能世界w1から別の可能世界w2への移行を促す」という定義と合致します。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 苫米地式コーチングの形式定義は「可能世界間の移行」。それを「Efficacyw1)→w2」と記述します。

 F-429~:オーセンティック・コーチングの形式定義

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_432237.html

 

 

 自分が持っているゴールを誇ることでエスティームを高める。エスティームが高まれば、エフィカシーも自然に高まってくるのです

 

 新しい定義の「エスティーム」と「エフィカシー」が高い人(=ゴールの抽象度が高く、かつ、そのゴール達成を確信している人)は、高い抽象度で現状の外側をしっかりと見ることができるようになります。

そういう人が圧倒的な利他性を持ち、徹底的な自己犠牲と揺るぎない責任感で生きていると、まわりの人々も自然と感化されていきます(その理由は↓)。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 言い換えると高い理想と直接的実行

それを苫米地博士は“ゲバラ主義”と表現されます。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

“ゲバラ主義”のようなブリーフで生きている人をイメージできたなら、「上に上がるのではなくて下に下がろうとする」ということが腑に落ちるはず。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 「この世をよくしたいなら権力から離れる」の鍵は、やはり抽象度にありそうです。

 F-402:「抽象度」を説明する際に用いている図が誤解を与えていることを知り、止観を経て、気づいたこと

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36958351.html

 

Q-461につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記(Q-459の追記のつづき)-

情動的になり、論理思考ができなくなってしまった脳を、前頭前野で思考できるようにすればエフィカシーも上がってきます。別の言葉で言えば、マインドの使い方を間違えているためにエフィカシーが上がってこないのです。マインドの使い方を変えていけば、エフィカシーも自然に上がってくるはずです

 

 情動的になる」ことを防ぐために般若心経が説く「空(くう)」について確認し、「論理思考ができなくなってしまった脳」をリブートするためにトゥールミンロジックについて学び実践するどうやら私の試みの方向性は間違っていなかったようです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 *「トゥールミンロジック」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

しかしながら、私は“だまし討ち”にあい、「組織と権力がワンセットであるという20世紀までのシステム」から弾きだされました。

 I-017:ブログ更新予定 ~「恐れはダークサイドに通じる」を克服するために~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/11594310.html

 

 その本質的な理由は「現状の外(旧『エスティーム』の外)へのゴール設定の促しが不十分であったため、相手の無意識が『関数pの書き換え』と感じた」からでしょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 そもそも病院長である私と創業家一族の間には利害関係が存在していました。「コーチはクライアントのコンテンツには一切関わらない」という鉄則の意味を、私はこの厳しい経験を通じて学びました。

 Q-443:コンサルティングとコーチングは同時にできるでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37416250.html

 

 

-告知1

次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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オーセンティック・コーチング2026

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