L-229:2022年09月シークレットレクチャー -04;自我関数から導きだされる縁起
2022年9月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「信」。目指すのは「決して過信はせずに、しっかり確信する」という意識状態の体得です。
*初回(2022年7月)の講義はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431139.html
*2回目(2022年8月)の講義はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_431365.html
当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。
リラックスを深めながら、気楽にお読みください。
01;鍵となるのは「絶対他力」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37539518.html
02;「ア・プリオリ」から始まる堕落と洗脳 ←その根底にあるもの
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37564658.html
03;生と死の間を輝かせる縁起
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37577854.html
04;自我関数から導きだされる縁起
死を考えることは生を考えることです。生なくして死はありません
…これは前回(L-228)引用した苫米地博士の言葉(「『生』と『死』の取り扱い説明書」)。
私たちは、これまで生きてきた間に、たっぷりと「死の恐怖」を刷り込まれています。その事実を知り、常に自身の心をモニタリングし続けることが大事。
まずは気づくことです。心の奥底に潜む「死の恐怖」に。
L-109:2021年8月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html
モニタリングは思考と同時並行的に行いますが、その思考には注意が必要です。例えば「死を考えることは生を考えること」という場合の「考える」は、通常の場合、「過去」に基づく情報処理です。その理由は「認識のパターンは過去の記憶でつくられている」から。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
認識のパターンのことをブリーフ(信念)と呼びます。そのブリーフが集まってできあがった脳内の統合的なシステムがブリーフシステム(Belief System、BS)です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
BSは私たちの認識・理解・評価・判断を制御しています。無意識下で、まるで決まったアルゴリズムに従うかのように。だから、私たちの情報処理は「自動運転」といえます。
BSは「情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」で構築されています。そこには他人や社会の価値観がたっぷりと刷り込まれています。だから、私たちの情報処理は「無人運転」だともいえます。
F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html
コーチングにおいては、このBSによる自動思考(「自動運転」「無人運転」)を、一旦しっかりと止めることが重要。その取り組みのことを「止観(しかん)」と呼びます。
L-224:2022年08月シークレットレクチャー -11;「止」と「観」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37272802.html
止観を経てコーチング中に行うのは「観自在瞑想」。「自分が在ること/ところ(=自分という存在)を自由自在に観る」というのが「観自在」です↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html
以下、苫米地博士の著書「一生幸福になる 超訳 般若心経」(学研、p15)より引用し(青字)、掘り下げます。
瞑想とは自分自身を自由自在に観ること
瞑想とは自分自身を見つめ、自分のいる世界を見つめ、宇宙全体を見つめることと書きました。実は、自分自身を見つめると、同時に自分のいる世界も、宇宙全体も見たことになります。なぜかというと、自分自身というのはそれだけで存在しているのではなく、必ず自分以外の周りのもの(=自分のいる世界、宇宙全体)との関係によって成り立っているからです。このことをお釈迦様は「縁起」と呼びました。
人はとかく、自分というものを絶対視しがちです。ですが、瞑想とは自分自身から離れて、自分自身を外側から見つめ直す作業です。自分を外側から見るには、自分と周囲との関係をよく見る必要があります。このとき、それまでの思い込みや先入観などを捨てて見ないと、本当の自分は見えてきません。思い込みや先入観に縛られていると、自由に自分自身を見つめられないのです。瞑想とは自分自身を自由自在に見る(観る)ことなのです。
引用終わり
自分自身を見つめ、自分のいる世界を見つめ、宇宙全体を見つめる
…次世代コーチングの枠組みでいうと、「自分自身」とは「関数p」、「自分のいる世界」とは「現状の可能世界w1」、そして「宇宙全体」とは「『ゴール側の可能世界w2』を含むすべての可能世界w」のこと。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
「関数p」とは自我、そして「可能世界」はコンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)と考えることができます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
自分自身を見つめると、同時に自分のいる世界も、宇宙全体も見たことになります
…このことを、苫米地博士は「部分関数」を用いて説明されます。部分関数とは、「対象を2つに分ける関数」のこと。「『宇宙』を入力すると、『自分』を出力する部分関数f」が自我です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
f自我(宇宙)→ 自分
…自我関数fに宇宙のすべての情報を入力すると、自分に関する情報だけが出力されます。なぜかというと、「(宇宙の中の)自分に関する情報」と「(宇宙の中の)自分以外の情報」に分けたから。
もしも自我の逆関数に「自分に関する情報」を入力すると、「宇宙のすべての情報」が出力されることになります。なぜなら自我関数が分けた「(宇宙の中の)自分に関する情報」と「(宇宙の中の)自分以外の情報」を分ける前に戻すと、宇宙すべての情報が復元されることになるからです。
F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html
「自我の逆関数に自分を入力すると、宇宙が出力される」を突き詰めると、「宇宙は自分自身を見るための鏡である」ことがわかります。
F-200:“あの人”の言葉はなぜ心に響くのだろうか? Vol.4;「こんなにほったらかしにして…」を解決する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26610212.html
自分自身というのはそれだけで存在しているのではなく、必ず自分以外の周りのもの(=自分のいる世界、宇宙全体)との関係によって成り立っているからです。このことをお釈迦様は「縁起」と呼びました
… 「自我の逆関数に自分を入力すると、宇宙が出力される」を、苫米地博士は「f-1自我(自分)→ 宇宙」と形式的に定義されています。この式の意味するところは、「もしも自分のことを知ることができるならば、宇宙全体も知ることができる」ということ。もっとシンプルに表現すると…
自分と宇宙は一体である
…それが自我関数から導きだされる「縁起」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
人はとかく、自分というものを絶対視しがちです。ですが、瞑想とは自分自身から離れて、自分自身を外側から見つめ直す作業です
…「f自我(宇宙)→ 自分」や「f-1自我(自分)→ 宇宙」が示唆しているのは、「自分を知るということは、宇宙全部を知るのと同じくらい難しい」ということ。当然、「自分が心から望むゴール」を見つけることも難しいことだといえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
思い込みや先入観に縛られていると、自由に自分自身を見つめられないのです。瞑想とは自分自身を自由自在に見る(観る)ことなのです
…だから、「自分を知り、ゴールを見つける」ためには、他との関係により生みだされる“点”の本質をしっかり理解する必要があります↓
Q-449:アートマンって何ですか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37528586.html
その本質とは、「空」。
「空」である“点”が、「仮」としてのゴールを生みだし、結果として関数pを書き換えます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
そのプロセスがコーチング。コーチングとは「可能世界間の移行」であり、「結果として関数p(自我)を書き換える縁起」です。
F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html
(L-230につづく)
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
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次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。
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クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
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-関連記事-
S-04-27:鏡の中の“自分”に微笑みかけるために <最終回>
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F-404:自由訳「守破離」
vol.2;「守」× Healing
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L-172:2022年03月シークレットレクチャー -05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”
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L-215:2022年08月シークレットレクチャー -02;コーチの役割は…。そのためにコーチは…
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Q-354~:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。単に疲れているだけでしょうか?
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