Q-448:未来において「被害者」という評価をひっくり返すことができるのはあり得ないと思っています <補足;「自我関数→エフィカシー関数」×超楽観>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 前編(case-side)と後編(plan-side)の2回で終えるつもりでしたが、少し補足します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 *前編(case-side)↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37464625.html

 *後編(plan-side)↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37492526.html

 

 

Q:私は両親による虐待を受けながら育ち、親戚に預けられた後もいじめに耐えながら生き抜いてきました。時間は未来から流れるとか言っていますが、未来において「被害者」という評価をひっくり返すことができるのはあり得ないと思っています。いつか必ず復讐してやります

 

A3:前回までを簡潔にまとめると

 

 大脳辺縁系優位:抽象度↓ IQ↓ 「復讐」は失敗する

 前頭前野優位:抽象度↑ IQ↑ 「復讐」は成功する ←慈悲の実践

 

 という感じ。

 (抽象度はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 「大脳辺縁系優位か?」「前頭前野優位か?」に大きく関係するのが、「情動のコントロール(emotion control)」です。

 F-095:私はイヤなことは心の中で握りつぶす vol.2(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18456250.html

 

 私は「『情動のコントロール』自体はヒーリングであって、コーチングではない」と思っています。事実として、コーチングのクラスにおいて、苫米地博士が「情動のコントロール」を指導されることはほとんどありません。

 Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html

 

「情動のコントロール」ができないままであれば、抽象度を上げることができません。抽象度を上げることができないと、IQは低いまま。ゴールは現状の外に設定するものなのに、低い抽象度・低いIQのままではゴールを見つけることができません。スコトーマが外せないから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 コーチングとは、自由な意識状態で客観的に自分(=現状宇宙w1)を見つめ、自由な思考により新たな宇宙(=ゴール宇宙w2)を生みだすもの。その結果として、自我(関数p)が書き換わります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それを苫米地博士が一般向けに開示されたのが202112月(「バラいろダンディ」)。そのときのテーマは「コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!」でした↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 「コーチングの基本概念を習熟」と「エフィカシーをブースト」はワンセット。それらをひとまとまりのゲシュタルトとして理解することで、コーチングのさらなるスキルアップができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 もう少し具体的にいうと、「f自我(宇宙)→自分」という自我関数と「Efficacyw1)→w2」というエフィカシー関数をひとつのゲシュタルトと理解できること。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 「現状宇宙w1」を入力したときに「自分」が出力されるのがコーチング前の状態です。コーチングを経て高いエフィカシーを維持できると、「現状宇宙w1」を入力すると「ゴール宇宙w2」が出力されます。

それがコーチングマインド!

以前の表現でいうと、「『ゴール』と『現状の自我』の間に臨場感という橋を架ける」という状態です。

 F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html

 

  「現状宇宙w1」を入力すると「ゴール宇宙w2」が出力される

 

 ゴールの基本条件でいうと、それは「4)自分中心を捨て去る」を体得した状態。

 L-165202201月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 

 私の感覚を言葉にすると、それは「開放」。

 L-10120218月シークレットレクチャー -03;自分中心を捨て去る=解放

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31210545.html

 

 そんなプロセス(開放)を経なければ、「復讐」は必ず失敗します。

 

 

 その理由を「情動」や「IQ」を超えた次元で考えてみましょう。

 

自と他を分別した心の状態、つまり「自分」が主体の「復讐」は特定の誰かに向かうもの。多少抽象化され社会に向かうとしても、その社会とは「現状世界w1」です。

それは過去の延長に過ぎず、ますます「被害者」というセルフイメージに閉じ込められることになります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 対して、「4)自分中心を捨て去る」という無分別の境地で行う「復讐」の主体は「ゴール世界w2」。そんな境地での「復讐」は、自然とさらなる未来(w345…)に向かっていくはずです。きっと「被害者」や「加害者」といったこだわりを包摂する遥かに高い次元へ向かっていきます。

 Q-411~:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430485.html

 

 私の感覚でいえば、前者が「revenge」、後者が「avenge」。

 F-234~:自由訳「revenge」と「avenge

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_419026.html

 

 では、「re a」のためには何を心がければいいのでしょう?

 

 

 答えは「超楽観」!

 

 御存知のように、コーチングは「楽観」「悲観」のレベルで行うものではありません。なぜ?

 F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html

 

 そう、「楽観」「悲観」は「主観」だから。それは「自分」が出力されるこれまでの自我の状態です。

 

コーチングにおいて重要なのは「客観」。それを苫米地博士は「外側視点(外的視点)」とも表現されています。

L-220202208月シークレットレクチャー -07;ヒーリング実践の基盤、コーチング実践の基礎

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37209477.html

 

 だから「楽観」ではなく、「超楽観」!

 

 以下、苫米地博士の著書「すごい私になれる魔法の名言」(主婦と生活者、p22)より引用します。真剣に読み、素直に感じ、しっかり吟味し受け止めてください。Feel

 

 

楽観的では足りない、超楽観的で正解

 「なんとかなる」という無責任な言葉を、しっかり吟味し受け止める能力が、あなたを成功に導きます!

 

 みなさんは楽観的に物事をとらえることを難しいと思いますか? もしもそう思うのであれば、それは“楽観的”を誤解しているからそう思ってしまうのです。物事を明るく前向きに考えることって、本当はとても簡単です。ですから、そのコツをぜひとも身につけてください。

 まず、楽観的に考えられない人たちがよく口にするのが、「物事をよく考えられるような情報がない」ということです。病気でいえば、いい薬がない、いい治療法がないという状況では明るくはなれるわけがない、ということです。

 しかし、それっておかしくないですか? いい薬があったり、いい治療法があるなら、そもそも悲観的にならないでしょう。いい情報などどこにもなくても、気楽でいられることが楽観的なのです。であるのに、「それでもなんとかなると思うよ」と誰かが楽観的なアドバイスをしたら、たぶんほとんどの人が「無責任なことを言わないで!」と内心ムッとするのです。楽観的になりたいのに変ですよね。

 もちろん、ムッとする気持ちもわかります。しかし、繰り返して言いますが、いい治療法も、いい薬も現状、何もないのです。となったら、「なんとかなるんじゃないの?」しかないのです。

 楽観的とは、この無責任きわまりない言葉をしっかり吟味し受け止める能力だったのです。この言葉をしっかり受け止められると、感情的だった脳が理性的な思考を取り戻すことができます。そうなったら、いよいよ“超楽観的”を手に入れるコツを説明するときでしょう。

 先ほど“楽観的は無責任”な言葉だと言いましたが、“超楽観的は責任ある”言葉になります。この場合の責任とは、言っている本人の責任です。他人がどれほど無理だ、ダメだと言っても、自分だけは“なんとかなるんじゃないのかな”と確信できる能力を身につけることを言います。

 その方法ですが、やり方は簡単です。目の前にあるものすべてが自分にとってラッキーな出来事だと納得できるようになるだけです。実際、多くの人がそれをすでにやっています。

 例えば、目的地に遅れそうになって道を急いでいるときでもおいしそうな焼き鳥屋を見つけたら「今夜寄るか」と瞬間思うでしょう。その瞬間を認識し、その気持ちを大事にすることで超楽観的はスタートするのです。

 もちろん、イヤなこと、悲観的なことが目に入ってきてもいいのです。あえて“いいこと探し”をする必要はありません。大切なのはラッキーを見逃さない目。たったこれだけのことを意識するだけでも、状況は劇的に変わってきますので、試してみてください。

 引用終わり

 

 

 先ほど“楽観的は無責任”な言葉だと言いましたが、“超楽観的は責任ある”言葉になります。この場合の責任とは、言っている本人の責任です

 

 今回私が一番伝えたいことは、「f自我(宇宙)→自分』という自我関数と『Efficacyw1)→w2』というエフィカシー関数をひとつのゲシュタルトと理解できること」の重要性。

 

 じつは、自我関数はもう一つあります。それが重要性評価関数「w∀y∃xp自我(x,y)}x,y∈宇宙」。その最初の「w」とは、各自が生みだすオリジナルの「可能世界」であり、「一人一宇宙」のこと。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 

  ある可能世界「w」において宇宙の全ての存在間で「xyより重要」を定義するpという関数

 

 

 というのが「w∀y∃xp自我(x,y)}x,y∈宇宙」の意味。

 

その「w」が過去の記憶でつくられた「自分」、つまり「被害者」が生みだすものであれば、その世界(現状宇宙w1)で「復讐」に成功したと思おうが、それはただそれだけのことです。

 S-04-11~3:本当の幸せを感じられない理由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23107579.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23170992.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23234058.html

 

 そうではなく、「w」を未来(ゴール)の記憶でつくる「ゴール世界w2」に書き換えるなら、そこで成し遂げる「復讐」は、きっと縁ある人々を勇気づけ希望を与えるものになります。

 L-05220207月シークレットレクチャー -02;縁により「呪縛」は「希望」にかわる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27587288.html

 

  w」は自身が生みだす可能世界である。では、どのような「w」を生みだすか?

 

 それを自分で決めてください。

 F-384:ロバート・メーガーの「3つの質問」 <vol.4;役割/責任「Intentionality」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36189008.html

 

それが博士が仰る「本人の責任」です。

S-04-05:自責の意味

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html

 

 

 以上です。補足を加えた私の意図まで感じていただけたらうれしく思います。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 前々回(Q-446)はジェダイのヨーダ(Yoda)、前回(Q-447)はシスのパルパティーン(Sheev Palpatine)について触れました。これらのキャラクターには実在のモデルがいることを御存知ですか?

 

 じつはヨーダのモデルとなったのは、理論物理学者 アルベルト・アインシュタイン(1879~1955年)。

 アルベルト・アインシュタイン - Wikipedia

 

 ヨーダの顔立ちはアインシュタインの乱れた髪と深い知性から取り入れられ、その教えは知識の力と責任に対するアインシュタインの慎重な姿勢を反映しているのだそうです。

 S-02-11:アインシュタインの“直観”の源

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18911304.html

 

 対してパルパティーン(ダース・シディアス)のモデルとなったのは、米国第37代大統領 リチャード・ニクソン(1913~1994年)。

 リチャード・ニクソン - Wikipedia

 

 SWの創造主 ジョージ・ルーカスは「法と国家安全保障を名目に制度を操作し対立を利用して絶対的な支配を築く指導者」、つまり「抽象度の低いリーダー」を描こうとしました。

 F-274:冗長性と多様性 <vol.6;プロフェッショナルなマインド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30503310.html

 

 前者は科学の象徴であり、後者は政治の象徴 SWの物語を「科学vs政治」と理解するなら、それは決してフィクションではなく、現在進行形の戦いのメタファーだとえいます。

 F-281~:「社会が変わってしまう」~あるワクチンの話~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424261.html

 

 私がSWを観ていて感じるのは、「攻撃ではなく、慈悲によって打ち克つ」という希望。

慈悲こそが、本当の意味での「復讐」を可能とする力(フォース)なのだと信じています。

 L-06520209… -05;「生と死の間/ between life and death」に向き合い、「生/life」そのものを磨き上げる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28529789.html

 

 

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次回のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。2026年春に配信を開始する予定です。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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