F-416:「楽しい日本」を目指す総理が「あんまり楽しいことはない」とぼやく姿に学ぶ <vol.3;「楽しさ」=ゴール設定&達成 =〇〇>

 

 参院選大敗後も「職責を全うする」と繰り返していた石破茂総理大臣が、突然、辞意を表明しました。

 

ほんの10ヶ月前、石破総理が国民に向けて語ったのは、「一人ひとりが主導する『楽しい日本』を目指す」でした。

 

ところが、先月(20258月)開催された国際会議(TICADアフリカ開発会議、横浜)後の晩餐会において、「楽しい日本」を目指しているはずの総理は「もう仕事の話はやめましょう。疲れますから。大統領とか総理大臣とかやっておりますと、あんまり楽しいことはございません」と発言しました。

 

 その発言を縁にコーチとして考えたことをまとめます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 vol.1;「楽しい」は大切ではあるが

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37400550.html

 vol.2;「楽しさ」って何? そもそも「心」って何?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37438818.html

 vol.3;「楽しさ」=ゴール設定&達成 =〇〇

 

 

 心とはメカニズムである

 心にもホメオスタシスの働きがある

 

 それが「心」の本質。

 そのことを苫米地博士が理論化されたのが、苫米地理論の第1世代「サイバーホメオスタシス理論」です↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 その「心」の本質を踏まえた上で、もう一度、苫米地博士のこの言葉の意味を考えてみましょう。

 

  まずは脱洗脳!

コーチングは脱構築 !!

 

 前回(F-415)、私は「脱洗脳」「脱構築」のための重要なポイントとして、1)知識、2)重要性、3)役割(責任) のコントロールを挙げました。この3つはスコトーマ(Scotoma)と関係する項目です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 なぜ「脱洗脳」「脱構築」と「スコトーマ」を結び付けて考えるのかというと、私たちはそうと知らないだけで(=知識がない)、すでに洗脳されているから。そして、その洗脳された世界がコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)となっているからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 CZは強力に維持され、その外側は認識することができません。つまり、人はCZの内側に閉じ込められているということ(コーチング実践前の状態です)。その“人を閉じ込める力”がホメオスタシス(Homeostasis)です。

 L-158202201月シークレットレクチャー -02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 

 前回(F-415)の引用文で苫米地博士が書かれていたように、ホメオスタシスは生命活動の鍵となるものです。前頭前野が発達した人間の場合、生命活動とは、物理空間に限定されるものではなく、より高次の情報空間にまでひろがっています。つまり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

抽象度の低い世界ではホメオスタシスの働きでしっかり生きながら(=生存)、同時に、より抽象度の高い次元にホメオスタシスを働かせながら人間らしく生きることができる(=進化・向上)

 

 その「抽象度の高い次元へ向かうホメオスタシス活動」こそがシンの「楽しさ」であるというのが、コーチングを学び実践している私の実感です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 すべてはゴール設定からはじまります。ゴール設定とは、「重要度」を決めることです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴール設定により新たな可能世界w2を生みだし、その世界を抽象度の低い次元で実現(実装)する その取り組みすべてがコーチング。それを苫米地博士は「ゲバラ主義」と表現されます。

F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 さらに抽象度を上げていうと、ゴール設定&達成は「瞑想」だといえます。

 

以下、苫米地博士の著書「洗脳力」(アスコム、p150)より引用します。

 

 

瞑想は苦行ではない。わくわくするほど楽しい

 「止観」の話に戻りましょう。「止観」とは具体的にはどのようなことをすればいいのでしょうか。「止観」とは瞑想でもあります。心の動きを止めて自分自身を見つめる作業、これは即ち瞑想です。煩悩を止めていろいろな宇宙を瞑想で体験する。自分とは、自分と自分以外のすべての関係のゲシュタルトですから、自分を見つめるというのは、宇宙を見つめることでもあります。これが「止観」の基本です。

 では、瞑想とは何か。

 瞑想とは端的に言えば、「抽象度の高い空間を五感を使ってリアルに感じること」を言います。抽象度の高い空間ですから、この世の出来事によって惑わされるような雑念はここにはありません。「今日のごはんは何を食べようか」「次のボーナスはいくらもらえるんだろう」といった思考は雑念です。

 ですが、瞑想はこの世の雑念よりも高い抽象空間をリアルに体感して、そこに生活してしまうことです。

 人間は抽象度の高い思考をリアルに感じることで大いなる快感を得ることができます。それは人間の脳がそれを可能にする構造を持っているからです。

 抽象的な思考は脳の中でも前頭葉、前頭前野と呼ばれる場所でなされます。この前頭葉というのは、前に突き出して大きく巻くような形で下へ食い込み、さらに脳の奥へ向けて食い込んでいます。

 手の中で親指をなかに巻き込むようにして、じゃんけんのグーの形に握ってみてください。親指を除く4本の指でつくる、巻き込んだような形が前頭葉です。親指は脳幹に当たります。脳幹は原始的な欲求を満たすことで快楽を覚えるような器官であり、生命維持のために重要な役割をもつ器官です。

 前頭葉は脳幹を巻き込むような形であり、また、先に述べた、脳幹の中脳VTA領域からのドーパミン経路もあり、脳幹情動と前頭前野情報が連動することができます。つまり、抽象的な思考や仮想世界での出来事に対しても脳幹が情動を感じられたり、抽象的な思考空間を身体性をもって操作したりすることができるようになっているわけです。

 だから、長年座って瞑想していた達磨大師はものすごく気持ちよかったに違いないのです。あるいは、楽しかったに違いないのです。何を考えていたかはわかりませんが、おそらくは「明日、どんな理想の星をつくろうかな」とかそんなようなことをリアルに瞑想していたのでしょう。リアルに感じられれば感じられるほど、楽しくて気持ちいいのが瞑想なのです。

 禅の批判に聞こえると不本意ですが、今の座禅はどちらかというと「苦行」に近いでしょう。ですが、達磨大師がやった禅定による瞑想は「苦行」ではなく、ドーパミンがたくさん出てとても楽しくて気持ちいい行為だったはずなのです。

 座禅を組むときの結跏趺坐とか半跏趺坐と言われる足の組み方も、今の人にとってはやりづらい苦痛を伴うものですが、達磨大師の時代の人たちにとってはあの姿勢がいちばん安定してリラックスできた座り方だったはずなのです。また、本来ならたとえば寝転がって座禅を組んで、瞑想してもいいのです。私の教えているクラスでもできるだけ楽な姿勢をとってもらうように心がけ、「寝転がってもいいですよ」と指導することもしばしばです。

 ただし、寝転がると、リラックスし過ぎて本当に眠ってしまうことがあります。これでは瞑想できませんから、眠らない程度に最もリラックスできる姿勢でやるのがいちばんいいでしょう。

 引用終わり

 

 

瞑想はこの世の雑念よりも高い抽象空間をリアルに体感して、そこに生活してしまうこと

 

 高い抽象空間をリアルに体感」し「そこに生活してしまう」ことは、とても楽しいに違いありません。しかし、その様子(=可能世界w2での生活)を傍から見ると、妄想に浸っているのと同じ。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

ゴール設定で生みだした「高い抽象空間」を、臨場感豊かに他者と共有することがゴール達成です。ゴールの抽象度が上がれば上がるほど、ゴールを達成したときのインパクトは大きくなります。それは「社会(未来)がよりよく変わる」ということ。

Q-394:利己的な思いと利他的な思いが両方ある場合は

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ただし、抽象度が上がるほどゴール達成は困難になっていくため、「楽しいことはない」と感じることも増えるはずです。それでもあたりまえのように(=ホメオスタシスの働きで)邁進していくのがリーダーの役割。そして、それがリーダーの責任です。

F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 

 どうすればよりよい社会をつくることができるか?

 どうすればよりよい未来を実現することができるか?

 

 それだけ考え、夢中に生きる。

だからこそ、生きていることが楽しいと感じられ、「楽しい」がまわりにひろがっていく

 

 

 石破総理の「大統領とか総理大臣とかやっておりますと、あんまり楽しいことはございません」という発言を縁に、このようなイメージを体感しました。

 F-158~:無我夢中

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