Q-436:コーチングは行動科学とどう違うのですか? <vol.3;「内部表現」という宇宙を認識する>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
4回に分けて回答いたします。
vol.1;「次世代コーチング」の確認
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37022611.html
vol.2;心理学から行動科学、そして認知科学へ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/37049778.html
vol.3;「内部表現」という宇宙を認識する
Q:コーチングは行動科学とどう違うのですか?
A3:私から質問です。
「人間には“心”がある」という認識を持ち続け、さらには「抽象度」という軸を持ち続けながら「しっかりハビット&アティテュードを観察」し続けていると、”あること“を体感します。その”あること“とは何でしょう?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
…答えをお伝えする前に大事な話を。
「コーチングは行動科学とどう違うのか?」という疑問への回答として、前回(Q-435)は心理学から行動科学、そして認知科学への流れを説明しました。素直に読めば「コーチングの基盤は認知科学である」と解釈できると思いますが、厳密にはその解釈は△です。
なぜでしょう?
…現在の認知科学のパラダイムは「ファンクショナリズム(functionalism)」。その基本は「存在をすべてファンクションとしてみる」ということ。その「ファンクション」が「内部表現(Internal Representation、IR)」です。
L-169:2022年03月シークレット… -02;「ブレない判断基準」を生みだすもの
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html
「部分の総和が全体」という行動科学(構造主義)に対して、認知科学では「部分と部分、もしくは部分と全体との関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。その「関わり」が「ファンクション」。西洋的にいえば「ゲシュタルト」のことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
認知科学=ファンクショナリズム(functionalism)は壁にぶつかっているといいます。その壁が「フレーム問題」。苫米地博士は「認知科学はフレーム問題を突きつけられていながら、ほとんど顧みることなく無視し続けてきた」と指摘されています。
それは「フレーム問題を、あえてスコトーマに隠し続けてきた」ということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
著書「認知科学への招待」(CYZO)の中で、苫米地博士は「フレーム問題」を「レストラン」というフレームを用いて解説されています。
Kindle版はこちら↓
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シンプルに問うと…
人はなぜその場所がレストランだとわかるのか?
(詳しくはこちらでどうぞ↓)
Q-407:BSをゼロベースで観察することが困難な中… <vol.1;フレーム問題>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html
コーチングの基盤は認知科学ですが、その認知科学のパラダイムは「ファンクショナリズム」から次の世代に移行しています。それも3世代先まで。
「ファンクショナリズム」を第0世代とするなら…
第1世代が「サイバーホメオスタシス理論」↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
第2世代が「超情報場理論」↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html
そして、第3世代が「生命素粒子理論」です↓
Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html
以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書」(講談社、開拓社より再版、p27)より引用します。「しっかりハビット&アティテュードを観察」し続けることで体感するものを感じてください。Feel!
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自分の認識はすべて「縁起」によるもの
私が後ほどご紹介する「書き換えの技術」は、自我と認識しているネットワークだけを対象とするものではありません。それを含むもっと広い宇宙―「内部表現」に対して働きかけるものです。
内部表現とは、意識的にせよ、無意識的にせよ、私たちの「脳と心」が認識している空間のすべてを意味する概念です。「内部」という言い方から、脳と心の外側に物理的現実世界があると受け止められがちですが、そんなものはありません。私たちの脳と心に映っている世界なら、それが宇宙の果てであろうと、地球の奥深くであろうと、内部表現なのです。
わかりやすく言うと、私たち一人ひとりが固有の内部表現の住人なのです。具体的には、生身の私たちが生きる現実世界も、映画やテレビ、小説などで描かれたり、夢・空想から生み出されたりする仮想世界も、脳と心が認識すればそれは内部表現。宇宙そのものだということです。
自我というのは、これほどにスケールの大きな内部表現のひとつの中心点だと言えるでしょう。
ちなみに、「脳と心」は切り離せないものです。脳も心も、内部表現の状態を記述するべく機能しています。内部表現は物理抽象度(現実世界)から情報抽象度(仮想世界)まで連続的に広がっており、そのなかのどの抽象度で記述しているかによって脳と呼んだり、心と呼んだりしているにすぎません。
つまり、脳科学者が語る「脳」と、心理学者が語る「心」は、内部表現について違う抽象度で表現しているだけです。
機能脳科学は脳と心をセットで扱う学問です。なので、その専門家である私は「脳と心」をひとつの単語として使っています。
ところで、もうひとつ、しっかり頭にいれておいて欲しいのは、内部表現という宇宙では、自我だけではなく、自分の認識しているものすべてが、関係性で成り立っているということです。その関係性をインドの哲学者
釈迦は「縁起」と呼びました。
「すべての存在は縁、つまり関係性によって起こる」
としたのです。内部表現を書き換えることはすなわち、自分の縁起に働きかけることだと捉えてください。
引用終わり
内部表現を書き換えることはすなわち、自分の縁起に働きかけること
…認知科学の第0世代(ファンクショナリズム)に対して、3世代にわたる苫米地理論では「物理空間と情報空間は抽象度の違い(物理空間は情報空間の底面)」「自と他の違いはなく、その本質は空(くう)」と考えます。
PMⅠ-02-16:空観、仮観、中観
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
関係と存在でいうと、「関係が存在を生みだす」という縁起!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
つまり、「内部表現(Internal Representation、IR)」とは、個人のマインド(脳と心)内で完結するものではなく、どこまでもひろがる縁起宇宙であるということ。
Q-429:宇宙は「包摂半順序束」。そのtopである空(くう)は「有と無を包摂する概念」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36937284.html
「有」の上位概念としての「空」のイメージ
「内部表現」という宇宙
= どこまでもひろがる縁起
…それが「『しっかりハビット&アティテュードを観察』し続けることで体感するもの」です。
L-096:2021年7月… -08;BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html
(Q-437につづく)
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
「内部表現」という宇宙 = どこまでもひろがる縁起
…今回の御質問は「コーチングは行動科学とどう違うのですか?」ですが、両者のスケールの違いを感じていただけたでしょうか?
決定的に違うのは「一人一宇宙」という見方です。
その「一宇宙」もダイナミックに移ろい変わっていく縁起。すべては無常。だからこそ、ゴールを見いだす”現状の外“はあり続けます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
以下、苫米地博士の著書「『生』と『死』の取り扱い説明書」(KKベストセラーズ、p88)より引用します。
「一人一宇宙」ということ
宇宙はビッグバンという大爆発から始まり、その前は時間すらなかったとされています。高度に発達した現代物理学が導きだしたこの結論は、おそらく論理的には間違いないのだと思います。
ただし、これは私たちが共通認識として「ある」と信じている、いわゆる「物理宇宙」というものの話です。私のこれまでの著作をお読みの読者には繰り返しになりますが、人間の脳というのは、世界(=宇宙)を正確に認識できているわけではありません。
交差点の赤信号で止まっていて、信号は視界に入っているはずなのに、ぼうっとしていたために青に変わっても気がつかないで止まっているという経験はないでしょうか。青信号の視覚情報、青い色の波長は目の中の網膜を刺激し、視神経を通って、脳に達しているはずです。にもかかわらず、認識できなかったわけです。
人は、自分ではありのままの世界を認識していると思っているかもしれませんが、世界のほんの一部を、しかもかなり都合のいい形に変形させて認識しているのです。
また、宇宙というのは絶対的に無条件に存在しているのではなく、その宇宙を見ている私たち観測者も宇宙を構成する要素の一部です。
何もないはずの真空状態の空間でも、観察してみると、なぜか素粒子=物質が観測されます。真空というのは、物質が何もない状態のはずなのですが、調べてみると物質があるのです。これは、観測という行為がエネルギーを持っているため、観測によって物質が生まれてしまうのだと考えられています(E=MC2というアインシュタインの相対性理論の方程式により、エネルギーがあればそこに質量もあるということになります。それが観測という行為によって証明されてしまったわけです)。
ここで言いたいのは、あなた自身も宇宙を構成する一要素であり、観測という行為一つを取ってみても、あなたが宇宙に与える影響はけっして小さくないということです。
もう一つ知ってほしいのは、私たちの脳が世界(=宇宙)を正確に認識できないのだとしたら、「誰もが共通に認識できる物理宇宙」というものは誰にも認識できないということです。誰にも認識できないものを現実的に「ある」とは言いにくいでしょう。つまり、「あるとも言えるし、ないとも言える」「あるとも言えないし、ないとも言えない」という、前章で見た「空」の概念にたどり着くことになります。
では、宇宙とはどういうものなのでしょうか。
先ほど言ったように、私たちは一人ひとりが、宇宙を構成する要素です。あなたと宇宙とは切り離せないわけです。そして、あなたが宇宙だと認識しているものは、あなたの脳の中にしかありません。私はこれを「情報宇宙」と呼んでいます。読んで字のごとく、情報としての宇宙です。あなたが「これが宇宙だ」と認識している宇宙ということです。
この「情報宇宙」があなたの脳内にあるということは、理解してもらえると思います。むしろ、純粋な「物理宇宙」というものを誰も認識できないのだから、宇宙とはこの「情報宇宙」以外にないのだと言えます。
物理学者が「物理宇宙」の研究をするのは何の問題もないですし、どんどんやっていただきたいのですが、私たち一人ひとりは、私たちの認識できる「情報宇宙」について考えていくほうが大いに意味があるでしょう。純粋な物理宇宙を認識できない以上、「死」や「生」を考えるうえで重要になるのは「情報宇宙」のほうです。
さて、こうして「情報宇宙」というものを考えてみると、人間が10人いたら、10個の「情報宇宙」があるということになります。66億人いたら、66億個の「情報宇宙」があります。
つまり、人の数だけ宇宙がある「一人一宇宙」ということになります。
このように捉えることができると、生と死について、これまでとはかなり違った視点で見ることができるようになるのではないでしょうか。
引用終わり
-告知1-
2025年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。次回は2025年秋から配信開始する予定です。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
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<vol.4;新しいエスティームのfirst step>
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F-402:「抽象度」を説明する際に用いている図が誤解を与えていることを知り、止観を経て、気づいたこと
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L-187:2022年06月医療・介護研修会 -10;ビッグなゴールが生みだすもの
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Q-403~:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430302.html
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