Q-422:コーチングを受けるとどうなりますか? -version 2- <後編>
苫米地式コーチング認定コーチとなって、早いもので10年目に入っています。
これまでたくさんの御質問や御相談をいただきました。とくに入門者の方からよくいただくのが、「コーチングを受けるとどうなりますか?」。
そんな素朴な疑問に対する私の本気の答えは、「自由になり、一念三千を体感する」↓
Q-405:コーチングを受けると、結局のところ、どうなるのですか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35882023.html
最近も同様の御質問をいただきました。今回は少し抽象度を下げて“NHK的なワーク”を紹介します。気楽にお読みください。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
*前編はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36538575.html
Q:コーチングを受けるとどうなりますか?
A2:最も臨場感が高い(Vivid)イメージ(Image/Imagination)が現実(Reality)
…臨場感を十分に高めることができれば、「未来の記憶で生みだすまったく新しいコンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)」が現実化します。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
それがまるで魔法のように人生が一変するコーチングの秘密です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
鍵は臨場感!
では、どうやって臨場感を高めればいいのでしょう?
F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html
…私のお勧めは「ストーリーテリング」。物語化です。
F-373:義を見て… <vol.7;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -実践編->
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35653525.html
苫米地式コーチングのベースは認知科学(cognitive science)です。そのパラダイムは「ファンクショナリズム(functionalism)」ですが、苫米地博士はそれを「第0世代」と表現されます。
Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html
「第0世代」に対して、現在の苫米地理論には3つのパラダイムがあります。
第1世代が「サイバーホメオスタシス理論」。シンプルにいうと、「ホメオスタシスがサイバー空間(情報空間)にもひろがっている」というもの。そのホメオスタシスが臨場感の正体です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
*情報空間はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
苫米地博士は、「臨場感とリアル(現実)が同一のものである」と理解した体験を、「小説で涙を流す問題」として論文化されています。
「小説で描かれる物語」という現実には存在しない世界の出来事に、物理的な存在である身体が影響を受けている
…その理由は「情報空間に対しても臨場感を感じられるように人類の脳が進化している」から。もっとベーシックにいうと、そもそも物理(空間)も情報だから。すべて情報です↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html
苫米地博士は、物語を使うメリットとして、「抽象度を上げたときにも強い臨場感を維持しやすい」ことを挙げられています(「超瞑想法」p138)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
ただし、臨場感を高めるための物語には重要な条件があります。それが「他人が作った抽象度の高い情報空間であること」。
F-315:デジタル自傷行為 <plan-side -3;ゴール×エフィカシーの“秘密”
-後編->
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32678098.html
そこでNHKの“朝ドラ”を使ったワーク!
朝ドラ(「連続テレビ小説」)の多くの作品において、週のはじめに問題が生じ(case-side)、週のおわりには無事解決します(plan-side)。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
そんな紆余曲折を経ながら、主人公がまわりの人々とともにゴールを達成していく…
…半年間にわたって描かれるストーリーに自身のゴール達成のプロセスを重ね合わせることで、ゴール側のCZの臨場感を強化していくことができます(ハズ)。
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抽象度の高さは作品によって様々ですが、実在の人物をモデルにした作品はどれもお勧め。今春(2025年)はじまった「あんぱん」は、「お金のためではなく、心を豊かにするために働いた“ある人物”」の縁起が描かれています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
以下、苫米地博士の著書「超一流脳のつくり方」(枻出版社、p10)より引用します。
Kindle版はこちら↓
Amazon.co.jp:
超一流脳のつくり方 エイ出版社の実用ムック eBook :
苫米地英人: Kindleストア
Tomabechi Method 4
一流脳を持つ人は お金のためではなく 心を豊かにするために働く
あなたはなんのために仕事をしていますか?
その答えがお金のためなら、いますぐその仕事観を捨て去るべきです。というのも、お金のためにやりたくもない仕事を嫌々やっても脳の本来のポテンシャルを発揮できないのです。
やりたいことを仕事にするなんて、運や才能に恵まれた一握りの人たちと思っていませんか?
あなたがそう思い込んでいるのは、親や教師から夢を追っては生活なんてできないと洗脳されてしまったから。これは世界経済の支配者が自分たちの権利を守るために一般市民に押しつけた価値観ともいえます。自分たちのつくった土俵の上で競争させることで、お金の奴隷にさせてしまう。まずはそんな支配階級の仕掛けた洗脳から目覚めることが大切です。たしかに、やりたいことよりもお金を優先して働くべきという価値観は、いつの間にか頭の中に刷り込まれていた根拠のない考えです。単なる所得の差を、「勝ち組」「負け組」といって人の優劣かのようにとらえてしまう風潮も、支配階級の戦略のひとつではと勘ぐりたくなってしまいます。
では、一流脳をもつ優秀な人材は、なにを求めて働いているのでしょう。彼らの仕事選びの基準は実にシンプルで、「毎日楽しく生きられる」かどうかという一点に集約されます。週末を楽しみに働いているサラリーマンが多いなかで、1週間をすべてハッピーに過ごすためにはどんな仕事に就くべきかと考えるのが一流脳の持ち主なのです。
平日はやりたくない仕事でお金を稼ぎ、週末にやりたいようにお金を使う。それでは本当に望むライフスタイルを週のうちに2日しか過ごせていないことになります。まず、その働き方に疑問を持ちましょう。仕事こそ好きなこと、やりたいことを基準に選ぶべきなのです。大切なのは、あなたがいくら稼いだということではなく、あなたがどんな人生を生き、どんなゴールを目指すのかということ。お金は後から必然的についてきます。それと日本では、サラリーマンをしていてはお金持ちになれないことを知るべきです。たとえ、サラリーマンがどんなに頑張ったとしても、ジェット機ひとつ購入できないのが現状です。お金は手段でしかなく、目的にはなり得ないということを知るのが大切です。
365日楽しく生きられるように仕事選びをすることは、本当の意味での人生の豊かさにつながります。一流脳の持ち主は、お金を目的とせず、やりたいことを追究し、人生を本当の意味でリッチ(豊か)にしているのです。
引用終わり
お金のためではなく、心を豊かにするために働く
…「あんぱん」で描かれる“ある人物”とは、誰もが知る国民的アニメ「アンパンマン」の原作者
やなせたかし(1919~2013年)さん。ちなみに、「アンパンマン」がヒットしたのは、やなせさんが69歳の時です。
F-006:狂い咲き partⅡ
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5305837.html
東京高等工芸学校(現・千葉大学)図案科卒業後に田辺製薬宣伝部に入社したやなせさんは、高知新聞記者や三越宣伝部のデザイナーを経て、1953年に専業漫画家として独立します。その後もイラストレーター、詩人、作詞家、編集者、シナリオライター、舞台美術家、絵本作家
…と様々な仕事を行い、1973年に子供向け絵本の第2弾として「あんぱんまん」を世に送り出しました。
その「あんぱんまん」ですが、やなせさん自身も含め、誰も売れるだろうとは思っていなかったそうです。つまり、お金儲けが目的ではなかったということ。
Q-255:バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28656381.html
担当編集者から「せっかく『やさしいライオン』(子供向け絵本第1弾)のようないい作品が書けるのに、なぜこんなくだらないものを書くんですか。『あんぱんまん』はもう書かないでください」と言われてしまい、「そうですか。じゃ書きません」と答えたくらい。
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しかし、やなせさんには「あんぱんまん」を書き続けたい強い想いがありました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html
戦争を経験されているやなせさんは、戦時中「中国国民を支配から解放する」という国の言葉を信じて行動しました。敗戦後に価値観が180度ひっくり返り、それらの行動がすべて「悪」と烙印を押されてしまうことを経験し、「正義とは一体何なのか?」と自問したそうです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html
1970年代はじめごろの子供向け番組は“戦隊もの”や“仮面もの”が流行っていました。そんな時代に「あんぱんまん」は生まれました。
「主人公が『正義の味方だ』といって威張るんだけど、それがどうにも嘘臭くてね。本当に正義の味方なんだったら、ひもじい人を助けるのがまず先なんじゃないかという思いがあって。そこから『あんぱんまん』を書き始めたの。僕自身、自分の思っていたことを書いただけだったから、子供にはウケないだろうと思っていたんです」と当時のことを語られています。
F-368:義を見て為さざるは… <vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義->
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html
やなせさんは自身の体験から、正義という概念を対象のある相対的な評価ではなく、もうひとつ上の抽象度で定義しなおしました。それが…
Q-380:自分を下に引き戻そうとする意識が働くことがあります… <後編;plan-side>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34672869.html
自分を犠牲にしてでも、苦しむ人を助ける
そして、その行為を心から楽しむ
…それは、まさにコーチング実践者のブリーフ!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
これから半年にわたって放送される「あんぱん」を活用して臨場感を上げながら、アンパンマンの優しい姿と自身の姿(ハビット&アティテュード)を、そして明るく温かいストーリーと自身のゴール達成のプロセス(人生)を重ね合わせていくと、きっと「いつもニコニコしていて、よく思い出し笑いをする」ようになります。
Q-357:休みの日なのに気持ちが… <vol.4;リラックスと緊張のサイクル -超越編->
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33248780.html
そのようなことが人生のあらゆる領域(バランスホイール)であたりまえになり、日々幸せに包まれていることが、コーチングを受けることで起こること
…そのように私は思っています。
Q-361: “自分以外を幸せにする”がわからずモヤモヤしています
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33551039.html
…以上、私の回答です。
御質問ありがとうございました。
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
1973年に子供向け絵本の第2弾として「あんぱんまん」を世に送り出しました
…私には「あんぱんまん」の記憶があります。まだ木造だった頃の、古く、薄暗い小学校の図書室で、「あんぱんまん」を読んでいたことを覚えています。1~2年生の頃です。
“自分の顔を食べさせて助ける”という行為に強い衝撃を受けました。その衝撃は、私のブリーフの一部をつくっているはずです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html
-告知1-
2025年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として期間限定配信(2ヶ月)します。次回は2025年秋から配信開始する予定です。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-065~:水木しげるさんの「幸福の七か条」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_303640.html
F-212~:仕事楽しみですか? ~want
toが非難される社会~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_415360.html
Q-392:コーチングとは基本的に利他的になることでゴールを達成することなのでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35248836.html
Q-394:利己的な思いと利他的な思いが両方ある場合は…?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35299303.html
Q-397:みんなお金にしか興味がなく、孤独感を感じています…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35381579.html

やなせたかし(1953年)さん
Wikipediaより引用
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