L-198202207月医療・介護研修会 -08;ディベートを極めたうえで、徹底的に「Rゆらぎ」を行う

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとしての働きかけを行いました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 02;ゴールを考える前に必要なもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36208966.html

 03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36223150.html

 04;「言語束縛」を外すための二つの方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36256269.html

 05;「イライラ」→「ワクワク・ドキドキ」のための二つの“秘密”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36270252.html

 06;世界を一変するためのワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36301779.html

 07;「イライラ」から「ワクワク・ドキドキ」への流れ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36314050.html

 08;ディベートを極めたうえで、徹底的に「Rゆらぎ」を行う

 

 

 前回(L-198)は、モチベーションと重ねながら、「『イライラ』から『ワクワク・ドキドキ』への流れ」を考察しました。まとめると

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

1)     まずは呼吸をモニタリング

F-321:観自在 <実践編-1;モニタリング>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32969294.html

2)     呼吸(身体機能)の観察 → 心の状態(精神機能)までコントロール =Rゆらぎ

Q-410:「Rゆらぎ」のゆらぎとは何がゆらぐのですか? どのように

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36018695.html

3)     逆腹式呼吸でリラックスを深め、さらなるゆらぎを得る →大脳辺縁系優位(fight or flight)から前頭前野優位へ

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

4)     前頭前野をフル活用してゴール設定

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

5)     ゴール →価値 →want to →「ワクワク・ドキドキ」があふれる

 

 

 この部分に関連して、研修後、このようなコメントをいただきました。

 

何か新しいことにチャレンジしようかと思っているので(悩んでいるので)、頑張ってチャレンジしてみようかと思います

 

 苫米地式における「悩み」とは、「悩むことに夢中になりすぎて行動を忘れている状態」のこと。「一生懸命やらない理由を探している状態」が「悩み」です。

 L-09720217月シークレット… -09BSを壊し、スコトーマを外すための方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30681527.html

 

 それは創造的回避が働いている状態。創造的回避が働くのは「have toが入り込んでいる」からです。きっとまだゴールがないか、あっても「心から望む」ものではないはず。つまり、誰かに「チャレンジ」を仕組まれているということ。

そのままでは無意識が強烈に嫌がってしまいます。だから、

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 「頑張る」「努力」「根性」といった感覚には注意が必要!

 

それらはhave toを前提とする昭和の間違った方法論を象徴する言葉(感覚)だといえます。

 F-109:気楽

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

 「ワクワク・ドキドキ」は、ゴール設定の結果として自然に生まれるもの。ゴールに向かうホメオスタシス活動のあらわれです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 ただし、ゴールがしっかり設定でき、その世界(=ゴール側のコンフォートゾーン)の臨場感を十分に高められたとしても、want toがいつの間にかhave toに変わってしまうことがあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 私自身は、「want tohave toに変えてしまうもの」として、「Fear(恐怖・不安)」「Obligation(義務感)」「Guilty(罪悪感)」に気をつけています↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13523715.html

 

 「気をつける」をより具体的にいうと、「止観を行う」。

それは以前取り上げたとおり(L-194/04)、「左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする」こと。

(「止観瞑想」に関する苫米地博士の解説はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18576926.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684707.html

 

 今回は苫米地博士の著書「ディベートで超論理思考を手に入れる 超人脳の作り方」(CYZOp221)より引用します。「止観」に関するゲシュタルトを、さらに大きくクリアにしてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

超人脳への道 -止観

 このファイナルトレーニングの「Rゆらぎ」と「Dの排除」を集中して行う作業は古くから「止観」と呼ばれています。文字どおり「心を止めて観る」ということです。「煩悩を止めて観る」ということです。あるひとつのことに「心を停めて観る」というのも止観といえます。ちなみに止観について記述されている天台智顗(ちぎ)による摩訶止観(まかしかん)では、以下のように定義されています。

 

 ●相対の止観

 ①さまざまの悪い覚観や妄念やの思想が静かに休息すること、②心を明らかな真理に依拠させて、現存する念をこれにつなぎとめて、停住させて動かさないこと、③無明に対して観ずること。

 ●絶対の止観

 相対するものがない全一なる仏法の世界。言葉が無用になりすべての相対的な考えを超えて、超えるということも超えられること。

 

 ここで、「相対の止観」の②で、「明らかな真理」というのは、何かということになりますが、本書では、論理的な真偽値が真のものぐらいに理解しておけばいいでしょう。論理の世界を超えるのですから、その論理の世界の真偽値でどう考えても真なものに心を停めて観るというぐらいの解釈でいいでしょう。

 ③で、無明というのは、これは、仏教用語になってしまいますが、「縁起を知らないこと」としましょう。「縁起」というのは、お釈迦様の哲学の基本で、すべての事象が関係から成り立っているという事柄です。この世の中には、(たとえ神がいたとしても)それだけで、他の何者にも依らず成り立っているものは何もないという哲学です。西洋的な定義における絶対神としての神や、道教でいうタオ(それだけであるもの)は、この世には存在しないという哲学です。それを知らないことを無明といいます。

 「絶対の止観」ですが、絶対を否定する仏教において、この絶対はどういう意味かを考察してみましょう。私は超越したという意味で捉えています。超越止観とでもいいましょうか。悟りの世界を表現している文言に読めます。ここで、天台智顗がいう「言葉が無用になり、すべての相対的な考えを超えて、超えるということも超えられる」というのは、まさに、相対的な考えの方法論の現在における頂点であるディベートを超越して、その超越を超えることでそのひとつを示せると思っています。

 もちろん、これは、実際にディベートを極めたうえで、徹底的に「Rゆらぎ」を行ってもらって、読者の皆さんひとりひとりに体得していただくしかありません。ちなみに、このレベルが涅槃と呼ばれるものといって過言ではないでしょう。以下は、同じく、摩訶止観からの引用です。

 「色(物質的現象)は無明から生じており、無明は実体がないものであるから、いかなる色も仮のものであり、仮のものであるから常にあるものではなく、そのような本性はないのであるから、空であることがわかるのである。

 また、ほんの一瞬でも心が生ずれば、それは必ず根(知覚器官)と境(それらにより生じる感覚)によって起こるのであり、いかなるものも因縁により生じているのである。因縁によって生じたものはみな無常なのである、あるいは、『一念の心に六十の刹那がある』といい、あるいは、『一念の心に三百億の刹那がある』という。このように一瞬たりともとどまらないので、念々(刹那刹那)の心は無常であり、無常で実体のないものであるから、煩悩は根底からくずれ、業も苦もないことになり、かくして生死の苦悩は滅するから、これを涅槃と名づけるのである。これは色心を分析する観の意である」

 

 空であるとは、縁起のことであり、すべては関係であるということです。ディベートはまさに現代版の修行の体系でもあり、その体感をするのに非常に役に立ちます。

 ただし、ディベートという論理の系のなかにいたのではそれは無理で、それを超えるしかありません。まさにそれを実現する脳が超人脳であり、空そのものを体験する脳ということです。ディベートは縁起を知る(無明から抜け出す)ための現代のサトリ修行でもあるのです。

 引用終わり

 

 

 天台智顗がいう「言葉が無用になり、すべての相対的な考えを超えて、超えるということも超えられる」というのは、まさに、相対的な考えの方法論の現在における頂点であるディベートを超越して、その超越を超えることでそのひとつを示せると思っています

 

 コーチングとは、「マインドの使い方をマスターする」こと。そのコアは「ゴール」と「エフィカシー」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 ゴール;1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る

 エフィカシー;自分のゴール達成能力の自己評価

 

 …つまり、「~したい(want to)」という思いと「できる」という確信。

その思いや確信は左脳的な論理空間における「相対的」な評価ではなく、「ディベートを超越して、その超越を超える」という右脳的な超論理・超言語空間でのもの。

 F-364:シコウサクゴ <後編:コーチング中は「from思考錯誤×3 to試行錯誤」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35211211.html

 

 その超論理・超言語空間に構築された巨大で抽象的な構造を(非言語のまま)体感することが、「Don’t think. Feel!」の「Feel!」の感覚↓

 L-08520213月シークレットレクチャー -08;「feel」の体感

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30185249.html

 

 その「Feel!」を重ねるたびに、ますます「Total well-being(全人的幸福)」に近づくはず

 

私はそのように確信しています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

L-199につづく)

 

 

CoacHing4M2 EDGE         

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

 現代ディベート論理は「トゥールミンロジック」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 詳しくはこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

-告知1

 2025年前期のパーソナルコーチングの受付を開始しました(募集期間は~3月末まで)。

コーチング期間は254月から同9月の6ヶ月間。4コースあります。詳しくはこちらでどうぞ↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36288183.html

 

 

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「<25年前期>コーチング説明会&セミナー」の動画配信を開始しました。今回のテーマは「現状の外をどうやって見つけるか?」。20254月末まで視聴可能です。

ぜひゴール設定の“基本”と“ポイント”を体得してください↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36249577.html

 

  

-告知3

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36332004.html

 

 

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