L-195202207月医療・介護研修会 -05;「イライラ」→「ワクワク・ドキドキ」のための二つの“秘密”

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとしての働きかけを行いました。

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 02;ゴールを考える前に必要なもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36208966.html

 03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36223150.html

 04;「言語束縛」を外すための二つの方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36256269.html

 05;「イライラ」→「ワクワク・ドキドキ」のための二つの“秘密”

 

 

  言語を排除し、イメージで頭をいっぱいにする

 

それがTotal Pain(全人的苦痛)をTotal well-being(全人的幸福)に書き換える奥義。

 L-07620211… -05;部分を統合し、全体を書き換え、部分に落とし込むワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29515037.html

  

 コーチとして言い直すと、それは「『Total Pain(全人的苦痛)』という可能世界w1」から「『Total well-being(全人的幸福)』という可能世界w2」へ移行する奥義です。

今回のテーマに合わせると、「『イライラ』という可能世界w1」から「『ワクワク・ドキドキ』という可能世界w2」へ移行する奥義だともいえます。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

  言語を排除し、イメージで頭をいっぱいにする

 

 前回の研修では、詩人 あいだみつをさんの書「しあわせは いつも じぶんの こころがきめる」をトリガーにして、「すべて自分のマインドが生みだしている」というアンカー(意識状態)を引きだす方法についてお話しました。

 L-182202206月医療・介護研修会 -05;しあわせは いつも じぶんの こころがきめる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35545220.html

 

 *トリガーとアンカーはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 「すべて自分のマインドが生みだしている」は2600年前に釈迦が見いだした真理。

 Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

その真理のことを、コーチングの祖 ルー・タイス(Lou Tice)さんは、「ゴールが先、現実が後 / Goal comes first, reality is second」と表現し、「夢をかなえる方程式 I×V=R」としてプリンシプル化されました。つまり

Q-030:「ゴールが先、認識が後」とは?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8583393.html

 

 もっとも臨場感が高い(V)イメージが(I)その時の現実(R

 

 ならば、苦痛を幸福に書き換えることも、イライラをワクワク・ドキドキに変えることも自由自在にできそうです。しかし、実際には簡単にはできません。その理由は「秘密がある」から

 

 以下、苫米地博士の著書「空海は、すごい 超訳 弘法大師のことば」(PHP研究所、p27)より引用します。博士が話されているのは密教についてですが、抽象度を上げて、森羅万象をイメージしながら読み進めてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

空海はすごい

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密教とは何か -如来秘密と衆生秘密

 ところで密教とはいったい何でしょうか。

 密教の「密」には二つの意味があります。如来秘密と衆生秘密です。

 如来秘密は、読者のみなさんが想像している密教のイメージそのものです。

 大日如来は私たちにいつも語りかけているけれど、その教えは如来の言葉であるために、私たちには理解できないという考え方です。

 大日如来は釈迦とは違い、人間ではありません。法身といって、私たちの目には見えない存在なのです。それは宇宙の原理そのものですが、それではあまりに人々に伝わりづらいので、大仏のような形ある存在として表現しているのです。

 また、密教は人から人へと伝えられるために、師僧に出会わないかぎり、その教えの本当の意味を知ることはできません。その意味でも秘密にされているのです。

 歴史上では、空海と最澄(七六七~八二二)のやりとりがとくに有名です。

 空海と最澄は八〇四年の遣唐使で、留学僧として同時に唐へ渡りました。最澄は当時すでに桓武天皇の護持僧として確固たる地位を築いていましたが、空海はまだ無名の一留学僧にすぎませんでした。ところが、密教を完全な形で持ち帰ることができたのは空海だけでした。

 帰国後の空海と最澄は、経典の貸し借りなどをしていましたが、『理趣経』という難解な密教経典の解説書を借りたいという最澄からの申し出を、空海は断ります。

 なぜ空海が最澄の申し出を断ったのかというと、真偽は不明ですが、最澄はお経を書き写すばかりで、密教の本質を学ぼうとしないと空海が判断したからだと伝わっています。

 密教の考え方では、法(ダルマ)は、経典のなかにあるのではなく、人から人へしか伝わらないとされます。

 このエピソードは、如来秘密について明確に語っているものの一つでしょう。

 もう一つの秘密は、衆生秘密です。衆生秘密とは、私たち自身の心が閉ざされているために、その教えを享受することができないということです。

 密教なんて呪術にすぎない、密教なんて仏教ではない、という考えを心に抱いていれば、密教と出会うことはありません。

 もっと広げていえば、仏を信じなければ仏教と出会うことはありません。

 この衆生秘密は密教というより、仏教全体にあてはまる考え方です。

 たとえば、日本のほとんどの仏教宗派(密教を含む)では、お経を読む前に『開経偈(かいきょうげ)』を読みます。

 

  無上甚深微妙法(むじょうじんじんみみょうほう)

  百千万劫難遭遇(ひゃくせんまんごうなんそうぐう)

  我今見聞得受持(がこんけんもんとくじゅじ)

  願解如来真実儀(がんげにょらいしんじつぎ)

 

  このうえもなく深い繊細な教えがこの世にはある

  計り知れない長い時間を経ても、その教えに出会うことはむずかしい

  私は今、その教えを見たり聞いたりする機会を得ました

  願わくば仏の真の教えを理解できますように

 

 この言葉からもわかるとおり、仏教の本質は、私たちの心そのものにあるのです。そのことを衆生秘密は説いています。

 真言を唱えたり、曼荼羅をつくったり、瞑想をしたり、護摩を焚いたりすることで、密教は私たちの心に仏が宿っていることを知らせてくれます。

 密教の教えは神秘思想的な側面をもつだけではないのです。

 引用終わり

 

 

密教の「密」には二つの意味があります。如来秘密と衆生秘密です

 

 如来秘密とは、「大日如来は私たちにいつも語りかけているけれど、その教えは如来の言葉であるために、私たちには理解できない」という考え方。

 ここでいう「如来の言葉」は、人間にとっては超言語。だから、「言語を排除し、イメージで頭をいっぱいにする」。

 L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 衆生秘密とは、「私たち自身の心が閉ざされているために、その教えを享受することができない」ということ。これが「無明」です。

 F-357:自由訳「OODA」 <vol.3Decide

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34856133.html

 

 苫米地博士は、「無明」のことを「存在がアプリオリな確定性のものだと思いこんでいる状態」と定義されています(「頭の回転が50倍速くなる脳の作り方」p181)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

 

頭の回転が50倍速くなる脳の作り方

 

 

 すべての存在は不確定です。それは「常に無限の可能性が開いている」ということでもあります。

 L-175202203… -08;続・ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35030561.html

 

「観測される粒子は、正確に計測しようとすればするほど、その観測行為の影響を受けて不確定になる」という存在の双方向性のことを、釈迦は「縁起」と呼びました。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 その縁起を知らないことが「無明」です。後の大乗仏教でいえば、不確定性という「空」の原理を知らないこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

その「無明」が苦の根源であるというのが、十二支縁起の「無明によりて行があり」。「行」とは誤った認識作用のこと。コーチングおいては、その「誤った認識作用」のことを、「スコトーマに隠れる」と表現します。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

L-196につづく)

 

 

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 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

「<25年前期>コーチング説明会&セミナー」の動画配信を開始しました。今回のテーマは「現状の外をどうやって見つけるか?」。20254月末まで視聴可能です。

ぜひゴール設定の“基本”と“ポイント”を体得してください↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36249577.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36149164.html

 

 

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