L-193202207月医療・介護研修会 -03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 

 20226月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓

 L-178~202206月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html

 

 その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。

 

 私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとしての働きかけを行いました。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。

 (関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました) 

 

 01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36175836.html

 02;ゴールを考える前に必要なもの

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36208966.html

 03;左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする

 

 

 前回(L-192)、「情報をゲシュタルト化し、知識として身につける」ことについてまとめました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

「知識」はとても重要です。

知識とは、「ある可能世界から別の可能世界への到達可能性関数」であり、「潜在的に他者と共有しうる物事の関係性」のこと。

前回の引用文の中で、苫米地博士は「知識のない人は自分の望む生き方はできない」と断言されていました。

 Q-180:家族ががんで治療中です。どうすればいいでしょうか? -04;「I×V=R」を用いた1st. Step<イメージをゲシュタルト化する> 後編

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25153337.html

 

 「『イライラという可能世界w1』から新たな『ワクワク・ドキドキという可能世界w2』に移行する」という今回のテーマでいうと、「イライラ(w1)」および「ワクワク・ドキドキ(w2)」に関する知識と「w1からw2に移行する(w1w2)」ための知識が必要です。

 (「ワクワク・ドキドキ」に関してはこちらでどうぞ↓)

 Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 その「『w1からw2に移行する(w1w2)』ための知識」というのが、コーチングに関する知識。ただし、「知識」だけでは足りません。知識はあくまでも大前提です。

 

 以下、苫米地博士の著書「40歳から『差がつく』生き方 奴隷マインドを捨て、ノット・ノーマルで行け!」(PHP研究所、p143)より引用します。前回引用分のつづきです。

 

 

知識を生かすためのロジックも学べ

 世の中には明文化されていない知識もある。ロジックというものも、明文化されているものではない。

 アリストテレスの時代までは、ロジックとして三段論法が使われていた。三段論法は、「アリストテレスは人間である」「人間は死ぬ」「だから、アリストテレスは死ぬ」というロジックだ。

 この三段論法は、真実であることが前提でなければならないが、不完全性定理が証明されてからは、公理系の数学証明そのものが怪しいと言われている。アリストテレスは宇宙人かもしれないし、人間に不老不死の時代が来るかもしれない。その場合には、三段論法のロジックは崩れる。

 現在は、三段論法はあまり使われない。スティーヴン・トゥールミンという人が発明したトゥールミン・ロジックが大人のロジックになって久しい。トゥールミン・ロジックは、ディベートなどでもよく使われ、データ、ワラント、クレームの三つで成り立っている。

 昔ながらの三段論法にしても、トゥールミン・ロジックにしても、公理系の証明にしても、すべて左脳の世界だ。

 「数学は右脳だ」と言う人がいるが、それは数学を知らない人だ。フェルマーの定理を解いた人は右脳で解いたかもしれないが、数学の公理系の作業はすべて左脳の世界だ。言語野は左脳にあるわけだから、言語も左脳の世界だ。ロジック(論理)は広い意味では言語の範疇に含まれるものだ。

 法律を理解する場合に、一字一句、言語的に理解するだけでは十分ではない。論理として理解しなければ使うことはできない。これらの働きはすべて左脳の活動である。

 私たち大人が存在している空間は「左脳空間」だ。会社に行くのは会社との労働契約があるからであって、気分で会社に行くわけではない。

 仕事はみな、知識と論理で成り立っている。知識そのものは脳の側頭葉や前頭前野にパターンとして入っているが、それをどうやって組み合わせて使うかを考えるのは、すべて左脳の作業だ。

 だから、四〇歳までは、まず左脳を鍛えておく。大量の知識を頭に入れて、知識をもとに論理を自在に使えるようにしておかないといけない。

 右脳の活動も大切だが、右脳の大切さは子供のころから死ぬまでずっと変わらない。いくら仕事ができても幸せでなければ意味がない。右脳は前頭前野などと連携して自分を評価する働きをする。「幸せだ」とか「幸せでない」と評価するのは右脳である。幸せを感じる機能は、子どもにも大人にも高齢者にも必要なものだ。

 右脳の働きは感情的な反応とは違う。フェルマーの定理を証明するときの「ひらめき」を生んだのは右脳だが、「ひらめき」は情動ではないし、論理でもない。

 右脳的な能力のない人がリーダーになると、部下を奴隷のように上手に使うけれども、部下からは「あの人にはついていけない。あの人は尊敬できない」と言われる存在となる。尊敬されないどころか、むしろ軽蔑される。

 右脳の働きがないと、人間関係はうまくいかないし、幸せを感じることもできない。リーダー的な仕事が始まる四〇代になると、それまでとは質の違う右脳の働きも要求されるから、右脳の鍛え方も考えておかないといけない。

 リーダーにとって右脳の働きは大事だが、社会生活やビジネス生活の大前提としての左脳の知識量が不足している人が多いから、四〇代までは左脳を中心に鍛えておいたほうがいい。

 引用終わり

 

 

仕事はみな、知識と論理で成り立っている。知識そのものは脳の側頭葉や前頭前野にパターンとして入っているが、それをどうやって組み合わせて使うかを考えるのは、すべて左脳の作業だ。だから、四〇歳までは、まず左脳を鍛えておく。大量の知識を頭に入れて、知識をもとに論理を自在に使えるようにしておかないといけない

 

 「知識」とともに必要なのが「論理」。現代の論理は「トゥールミン・ロジック」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 その「知識」と「論理」は、「左脳の世界」。「側頭葉や前頭前野にパターンとして入っている」知識を「どうやって組み合わせて使うかを考える(=論理)」のは、「すべて左脳の作業」です。

(詳しくはこちらでどうぞ↓)

 S-01~:よりよい“議論”のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

右脳は前頭前野などと連携して自分を評価する働きをする。「幸せだ」とか「幸せでない」と評価するのは右脳である。幸せを感じる機能は、子どもにも大人にも高齢者にも必要なものだ

 

 左脳的な働きだけでは、人は「幸せ」を体感することはできません。左脳だけでは「『幻覚』を見破り『付加価値』を生み出す」ことができないからです↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html

 

 それは前回(L-192)挙げた

 

  コーチングは「『目の前の世界』や『人生』を丸ごと変える」ものであり、その目的は「人々をリッチにする」「社会や未来をリッチにする」こと

 

 というポイントとも大いに関係します。

 

リッチ(rich)とは、「金持ち」という意味ではなく、「豊かさ(well-being)」のこと。コーチングは「豊かさ(well-being)」のためにあります。

 L-179202206月医療・介護研修会 -02;「仕事観」を書き換える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html

 

 つまり、コーチングとは、「左脳的な働きを超え、右脳的な働きをブーストする」こと。それができるコーチング実践者のことを、苫米地博士は「超人」と表現されます。

 F-289:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.2;超人脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31299309.html

 

L-194につづく)

 

 

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-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。

 (御質問の受付は終了しました)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36053233.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36149164.html

 

 

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