L-191:2022年07月医療・介護研修会 -01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」
2022年6月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」↓
L-178~:2022年06月医療・介護研修会(イライラの正体を知り、しっかり対処する)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430045.html
その翌月、同じ医療法人で再び職員研修を行いました。今回のテーマは「ワクワク・ドキドキ」です。
Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html
私が意図したのは、これまでの「イライラという可能世界w1」から新たな「ワクワク・ドキドキという可能世界w2」に移行すること。そのためにコーチとして働きかけを行いました。
F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html
当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。
(関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)
01;ゴール達成を邪魔する「〇〇」
…前回の講義後たくさんの質問や感想をいただきました。その中の一つに「学習(知識)と時間の関係が少し難しかったのですが、又聞いて理解を深めます」というものがありました。
PMⅠ-05-06~8:そもそも教育とは?-3)学習を促進する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html
私たちは、RAS(Reticular
Activating System、網様体賦活系)の働きにより、自身のブリーフ(信念)に従った情報しか取り入れていません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html
それは「常にブリーフ(信念)に従うものにロックオンし続け、それ以外をロックアウトしている」ということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
そのロックアウトが「スコトーマに隠れる」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
あるブリーフ(信念)に基づくロックオン/ロックアウトは、有益な情報を逃してしまう恐れがある上に、間違った情報を信じてしまう危険性まではらんでいます。それが「洗脳」のカラクリ。
S-02-17:洗脳ではなく教育であり続けるための大切な問い
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19572431.html
したがって、「RAS&スコトーマとブリーフシステム(Belief System、BS)の関係をしっかり理解し、自らコントロールする」ことは、とても重要だといえます。それこそが「自由」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
スコトーマを生みだす/外すポイントは3つあります。
1つ目は「知識」。
そもそも私たちは、「知らないもの」を認識することができません。反対に、「すでに知っている」という思い込みは、新たな認識を妨げます。
L-140:2021年11月小学校親子講演会 -03;子どもたちに一番伝えたかったこと
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33332991.html
2つ目は「重要性」。
私たちは重要な情報しか認識していません。その“重要”は必ずしも好ましいもの/ことではありません。
例えば、「イライラしている人が苦手」という人の無意識には、「イライラが重要」と書き込まれています。すごく嫌いな人のことがつい頭に浮かんでしまうのは、その「嫌いな人」の重要性が高いからです。
Q-398~:恨みをメールで送りつけたい気持ちがあります…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429964.html
3つ目は「役割(責任)」。
そのポイントをシンプルに表現すると、「すべてを自分事にする」です↓
S-04-05:自責の意味
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/22669112.html
スコトーマが生じる/外れるポイントは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)
…つまり、目の前の世界は、各自の「知識+重要性+役割(責任)」の投影だということ。同じような現実を前にしても、認識にあがる情報は人それぞれです。苫米地博士は、それを「一人一宇宙」と表現されます。
Q-235:「財布を盗られた」といった被害妄想が… vol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html
その「一人一宇宙」を実態にあわせて厳しく表現しなおすと、「一人一洗脳宇宙」…
以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」(CYZO、Monthly
Dr.Tomabechi’s Column『2月』」より引用します。
ゴール達成を邪魔する「洗脳」について知ろう
ゴールを叶えるためにも、この認知戦の時代を生き抜くためにも、「洗脳」について考えることはきわめて重要です。あなたのゴールの実現をはばむ最大の問題はあなたに仕掛けられた「洗脳」だからです。以前であれば、社会的洗脳があったり、互いに洗脳したり、ビジネスに洗脳的手法を使ったり、カルト集団が犯罪として洗脳を使ったりする程度でした。
しかし、私が2000年に『洗脳原論』(春秋社)を書いたときから予言し、警鐘を鳴らしてきたのは、現代社会が洗脳社会になるということでした。洗脳のカラクリが密かに公開され、多くの人が洗脳的手法を用いるようになる世界が来ると予言していたのです。その予言は的中したと言わざるを得ません。互いに洗脳し合うことにとどまらず、現代社会では超国家権力があなたを洗脳したり、国家が率先して自国民に認知戦を仕掛けるという悪夢のような状況になっています。
洗脳とはいわば醒めない催眠です。深い変性意識状態になり、第三者の利益のために自身のリアリティーを書き換えられた状態です。特にアンカーとトリガーという心理的手法を使います。アンカーが特定の記憶であり、その特定の記憶を引き出すための言葉やイメージがトリガーです。そのトリガーを見たり触ったりすると、特定の記憶が引き出され、それが考えや行動を決めてしまいます。
もし洗脳が催眠ならば、夜に眠れば催眠は解けます。なぜなら睡眠は最も深い変性意識状態だからです。しかし、睡眠という最も深い変性意識状態で催眠が解けても、起きた瞬間に再び何らかのトリガーによって洗脳状態に入ると、洗脳状態は継続します。
これが「洗脳」の恐ろしさです。特定の記憶を用いた技なので、説得や論理が通じないところがあります。その例の一つが最近のパンデミックです。事実に基づいた反論や論理がまったく通じず、感情だけで大衆が動いてしまい、社会の流れが止まってしまいました。これが「洗脳」社会の恐ろしさです。
もちろん洗脳はゴールを設定したり、達成することも邪魔します。しかし、洗脳について正確に知ることで、洗脳から逃れることも可能です。洗脳について正確に知ることが、防衛につながるのです。
引用終わり
睡眠という最も深い変性意識状態で催眠が解けても、起きた瞬間に再び何らかのトリガーによって洗脳状態に入ると、洗脳状態は継続します。これが「洗脳」の恐ろしさです。特定の記憶を用いた技なので、説得や論理が通じないところがあります
…私が経験した「説得や論理が通じない」ケースをお話しします。
(プライバシー保護のため、一部変更しています)
入院中の高齢患者さんの呼吸状態がA型インフルエンザ罹患後に悪くなったため、急遽、御家族に面会をしていただきました。隔離された病室に入るためにガウンや手袋などの個人防護具(PPE:Personal Protective Equipment)をつけていただこうとした際、家族の一人がこのような発言をしたそうです…
これは何のために着るんですか?
私はもうインフルエンザにかかったんですよ。
私もこれを着ないといけないんですか?
頑なに防護具を拒み続ける家族への対応を私が引き継ぎました。イライラを隠さない家族に話したのは…
1)
インフルエンザウイルスは、ヘマグルチニン(HA:H1~H18の18種類、赤血球凝集素)とノイラミニダーゼ(N1~N11の11種類)という糖タンパクの抗原性の違いから、複数のサブタイプ(亜型)に分類される
2)
同じA型インフルエンザ感染症であっても、サブタイプが違うと再度感染するリスクがある
3)
現在は2種類のA型が流行している
4)
B型も流行する時期に入っている
…といった医学的事実。
医学的事実 →根拠(再感染する可能性がある) →主張(感染防御を行うべき)というロジックです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html
それでも納得しない家族に対して、やむを得ず、
5)「自分は感染しないからいい」は「自分さえよければいい」と言っているに等しい
6)「自分がまわりに感染をひろげる可能性」まで考えるのが良識ある大人の対応である
…と伝えました。
「抽象度を上げて、“自分”の定義をひろげる」ことをイメージしながら。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html
*抽象度はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
老病死(+生で四苦)の現場では、不安や恐怖から大脳辺縁系優位に陥ってしまうことがよくあります。本人・家族はもちろん、医療・介護従事者も。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html
その方もきっと大脳辺縁系優位に陥っていたのでしょう。しかし私は、その言動から差別的なブリーフシステムを感じました。「私は特別扱いされるべき」「私は好きにしていい」という内省言語を生みだすブリーフを。
PMⅠ-06-13:仮説08)はびこる差別意識
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html
もしもそうなら、それこそ「洗脳」。ゴール達成を邪魔する「洗脳」です。
前回の研修で確認したとおり、イライラや不幸から自由になるためには、「RAS&スコトーマをコントロールして、『ワクワク』や『幸せ』をしっかり感じる」ことが絶対条件です。
Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html
その「RAS&スコトーマをコントロール」の第一歩がゴール設定。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
そして、ゴール設定とともに磨き続けるのが…
(L-192につづく)
CoacHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
「自分がまわりに感染をひろげる可能性」まで考えるのが良識ある大人の対応である
…新型コロナ感染症とその実験薬(いわゆる“コロナワクチン”)との縁を経て、これまでの私のブリーフは大きくゆらぎました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
「現代社会では超国家権力があなたを洗脳したり、国家が率先して自国民に認知戦を仕掛けるという悪夢のような状況になっています」という苫米地博士の言葉が重く響きます。
F-367~:義を見て為さざるは、勇無きなり
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429934.html
-告知1-
今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。
(ただ今、質問受付中↓)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36053233.html
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36149164.html
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