Q-416:やり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか? <vol.6(最終回);人生に“転び”はない>

 

 先日、医療・介護の場で、「怒りのコントロール」に関する切実な悩みを伺いました。

 PM-06-11:仮説06)二つの「怒り」とその間にある論理的思考

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14107083.html

 

 とりあえずの解決のヒント(plan-side)をお伝えした後、もっと本質的な課題(case-side)について考えていただこうとしたタイミングで、ブログをお読みの方より同様の御質問をいただきました。

 

 「悩み」と「質問」を包摂したLUBを意識に上げながら、「怒り」について5回に分けて考察し、最後(vol.6)にもう一段抽象度を上げて回答します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 *「LUB」はこちら↓

 Q-385:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <補足;case study

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34790995.html

 

 vol.1;クレーム

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36032245.html

 vol.2;初心

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36065757.html

 vol.3;抽象度

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36079057.html

 vol.4;〇〇-感情-怒り

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36114843.html

 vol.5;条件・娯楽・目的

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36129192.html

 vol.6;人生に“転び”はない

 

 

Q:「F-001:やり場のない」を読みました。やり場のないストレスを、現状の外にゴール設定すると臨場感が高まるとのことですが、無知なもので、想像ができず、理解が追いつきませんでした。
 例えば、失恋をした際のやり場のない怒りはどのようにゴール設定すればよいのでしょうか?
 ご教授いただければ幸いです。


A6:これまで「怒り」について考察を重ねました。

「怒り」を理解するためには、「怒り」のレベルだけで考えてはいけません。一段引き上げ「感情(情動)」という抽象度で考えると、スコトーマが外れやすくなります。さらに引き上げて「思考」という抽象度で再考すると、ますますスコトーマが外れていきます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 ところで、コーチの役割は“答え”を与えることではありません。コーチの役割とは「”答え“を自ら見つけるためのマインドの使い方を伝授する」こと。

 Q-275現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.5;苫米地式「汗の如し」-後編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29377330.html

 

つまり、コーチングは悩み事相談ではない!

 もしも悩み事相談になってしまったら、クライアントがスコトーマを外すことは難しくなるでしょう。抽象度が上がりにくくなるから。

 Q-298~:どれくらい相手に共感していいものでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_423870.html

 

 コーチの役割は「マインドの使い方を教え、自らスコトーマを外せるようにサポートする」こと。ここでのポイントは、「『スコトーマを外す』は『問題を解決する』ことではない」ということ。

 

もちろん、問題解決も後押ししますが、本当の目的は「気がついていない問題の発見」です。

 F-301:芸術は高抽象度の未知なるvol.3最強の自己プロデュース力=火の鳥

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31971444.html

 

 では、どうやったら「今までまったく気がついていなかった真の問題」を感じられるようになるのでしょうか?

 

そう、答えは「抽象度を上げる」。

 

 

 抽象度を上げることができて、そこから内省的に吟味ができれば、勝手に自己の制約の中における

 

 

 これは「脳と心の洗い方 『なりたい自分』になれるプライミングの技術」(フォレスト出版、p180中の苫米地博士の言葉。

 

 

脳と心の洗い方

Kindle版はこちら↓

Amazon.co.jp: 脳と心の洗い方 Forest2545新書 eBook : 苫米地英人: Kindleストア

 

 

勝手に自己の制約の中における」のは抽象度のコントロールができるからですが、抽象度がコントロールできると「怒り」のコントロールもできるようになります。

 (詳しくはこちらでどうぞ↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33640525.html

 

抽象度をコントロールするとは、「目の前の世界をよりクリアに感じる」ということであり、同時に「“自分”についてより深く理解する」ということでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 

 さて、これまでの回答を読みながら、御質問が抱えている潜在的課題(case)に気がついたでしょうか?

 S-01-13「問題解決力」の強度を測る2つの基準

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

  

 もしもYesなら、過去の言動についてネガティブな評価を行うのではなく、新たな気づきを得た自分が創造する未来(I)とその未来を確信すること(V)に気を向けてください。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

その確信がエフィカシー(Efficacy)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 そして、もちろん、その第一歩がゴール設定です。今すぐゴール設定を!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 以下、苫米地博士の著書「すごい私になれる魔法の名言」(主婦と生活社、p91)より引用します。「抽象度をコントロールする」こと、そして「スコトーマを外す」ことを意識に上げながら読み進めてください。Feel

 

 

「七転び八起き」を額面どおりにとってはいけない

 何度失敗してもくじけるな、といいますが、この世に失敗などありません! すべてが成功なのです

 

 「七転び八起き」や「失敗は成功のもと」など、いわゆる名言の中には“人生には失敗ありき”が基本となっているものが多いようです。

 しかし、本当に人生はそんなに失敗だらけなのでしょうか?

 例えば、あの失敗、あの挫折があったから今の成功があるという話をよく成功者たちはします。こういう逸話を“失敗したってリカバリーすればいいんだ”ととらえる人がいますが、そういう考え方をしていると、いつまでたっても成功者にはなれません。

 成功者が言いたいのは、他人には失敗に見えたけど、自分には成功に見えた、あるいは成功するためのきっかけが見えたといっているのです。多くの人はそこを大きく勘違いしています。

 ひと言で言えば、成功者にとって失敗など何ひとつありませんし、だから、成功するのです。成功は成功を積み重ねていかないと成功になりません。逆に、失敗は失敗を積み重ねるから失敗になるのです。

 ですから、「七転び八起き」を額面どおりにとってはいけません。これは成功者が聴衆の前で自分の人生を披露する際に、よりドラマチックにするためのテクニックです。こういう類いの話をするときの成功者は七転びしたフリをして、話を面白くしているのです。また、これが自然にできるから成功するともいえるでしょう。

 みなさんが名言だと思っていた「七転び八起き」ですが、本当は他人を喜ばせ、同時に自分のゴールへの臨場感を高めるための手法だったのです。極論すれば自分の成功談を語るときの起承転結のテクニックといってもいいくらいです。もちろん、これは悪いことではありません。なぜなら、これがエンターテイメントの基本だからです。

 問題なのは、単なる成功談のテクニックであったはずのものを、本気でよい言葉だと勘違いしてしまうことです。

 例えば、「傷つけば傷つくだけ優しくなれる」は本来、失恋した人にかける言葉がなくて、なんとなくそう言っていただけ。本当にかけるべき言葉は「あなたは全然傷ついてないよ。いい経験したね」なのですが、それを言うと怒る人がいるから、そう言わないだけなのです。すべては言葉のテクニックであり、言葉のアヤだということをどうか理解してください。

 大切なことは「七転び八起き」を額面どおりに受け取るのではなく、この世に失敗などないと、しっかり知ることです。たとえ、自分が思ったとおりにならなかったとしても、それはやり方が違っていたことが発見できたということ。決して失敗ではありません。人生に“転び”はないということを忘れないでください。

 引用終わり

 

 

 この世に失敗などありません! すべてが成功なのです

 

 ゴールがある人にとっては、ゴール(未来)が「因」で現在が「果」。まだゴールを見つけていなくても、「失恋」を縁に「ゴール設定」を模索している人にとっては、すでにゴール(未来)が「因」で現在が「果」です。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

「怒り」を理解しコントロールしたいなら、「怒り」のレベルだけで考えてはいけません。一段引き上げて「感情(情動)」という抽象度で「怒り」を考える、さらに引き上げて「思考」という抽象度で「怒り」を考える ということが重要。

 

では、「思考」からさらに抽象度を上げると?

 

私の答えは「自分」。自我は部分関数であり、自分と宇宙は表裏一体です。よって、「自分」と同じ抽象度に「宇宙」があるといえます。

L-177202203… -10;自由なマインドで「物事を俯瞰し、最速・最短で結果を出す」ためのワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35079795.html

 

その「自分」と「宇宙」の上位概念は「空(くう)」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 空観を体得し、仮観で生きるから、「すべての感情(情動)を娯楽にする」ことができます。コーチらしく言い換えると、「目の前の世界をゴール側のコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)に書き換える」ことができます。つまり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

  中観で生きよ!

 

 それが私の答え。そして、それは「幸福とうまく付き合う」方法でもあります↓

 F-182:“幸福(well-being)”とは? -7;「中観」によって幸福とうまく付き合う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25489310.html

 

 

最後にもう一度、苫米地博士の言葉を。

 

 あなたは全然傷ついてないよ。いい経験したね

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

CoacHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。

 (ただ今、質問受付中↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36053233.html

 

  

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/36149164.html


 

-関連記事-

Q-167:自分を苦しめているのは記憶です。過去に苦しめられていることを感じています。コーチングで変化を実感しますか? <プチワーク付き>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24320549.html

Q-376:バランスホイールはクライアントが書き込んでコーチに見せるものなのですか。バランスホイールの内容について、コーチはどこまで口を出していいものなのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34542064.html

Q-381~:クライアント側に圧倒的な知識や経験があり、話の内容で相手が見えない場合の対応は?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429450.html

Q-403~:接遇に関する研修を何度も行っていますが、いつの間にか元の状態に戻ってしまいます。どうすればいいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430302.html

 

 

すごい私になれる魔法の名言