F-381:ロバート・メーガーの「3つの質問」 <vol.1induction「すべてが情報である」>

 

 最近、精神科医として働く後輩から、「ロバート・メーガーの『3つの質問』」を教えてもらいました。時空を超えた情報空間で。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 ロバート・メーガー(Robert F. Mager)は米国の教育工学研究者。授業設計(授業計画)のシステム的なアプローチが盛んに議論された頃、「3つの質問」を提唱したそうです。

その質問とは

 

 Where am I going

私はどこに行くのか

 How do I know when I get there

私はそこにたどり着いたことをどうやって知るのか

 How do I get there

  私はどうやってそこへ行くのか

 

 後輩によると、1つ目の質問は「ゴール」を確認するためのもの。2つ目は「評価方法」を、3つ目は「教授方法」を確認するために行うのだそう。

つまり、ゴールを明確にし、ゴールへの到達を知る評価を明らかにし、どのように到達するか考える ということ。

 

 後輩からのありがたい教えを縁に、コーチとして考えたことをまとめます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 vol.1induction「すべてが情報である」

 

 

 おそらく後輩は、苫米地式コーチングを知らずに「ゴール」という言葉を用いたはずです。我々コーチにとっては、この「ゴール」の使い方はNo

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 メーガーのいう「Where am I going?」とは、抽象度が下がる方向性だからです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 なぜそう断言できるのかというと、メーガーは教育工学研究者であり、「3つの質問」は教育設計という文脈(ゲシュタルト)の中での概念だから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 工学とは、「何らかの役に立つ」ことを目的とするもの。それは抽象度が低い次元に向かう方向性であり、物理次元で具体的に「いかに役立つか」という話。

シンプルにいうと、マネジメントのこと。

だから「評価」を重要視します(How do I know when I get there?)。

 PM-06-17:仮説12)リーダー、マネジメント、コーチの関係と抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14526054.html

 

 メーガーの「there」をコーチングの枠組みでいうなら、「ゴール」ではなく、「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)」であるはず。一般的な言い回しで「プロセス空間」と表現するとわかりやすいでしょうか。
 「there」とは、役に立つための、あるいはゴールを実現するための「プロセス空間」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 メーガーが関わる工学に対して、理学は抽象度が上がる方向性です。理論化とは、情報を削ぎ落とし、よりシンプルにしていくもの。アインシュタインの「E=mc2」やコーチングプリンシプルの「I×V=R」のように。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 その抽象度が上がる方向性、すなわちさらなる高次元に、本物のゴールがあります。つまり、「これまでの抽象度を超える」というのが、ゴールの重要なポイントである「現状の外」の意味です。

 Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

 いずれにせよ、抽象度という軸を見失わずに宇宙を“正しく”観察できることが重要。もちろん、生命現象についても“立体的”に観察し続けることが重要です。

 F-318~:観自在

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

 例えば、脳と心、体と心を、別々のものとして認識するのではなく、「脳と心」「体と心」(でひとつ)と認識するように。

 Q-350:「情報的身体」というのがよくわかりません? <前編;ケースサイド>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32943460.html

 

 「脳」と「心」は、同じ生命現象の、抽象度の違いに過ぎません。工学(応用・実装化)ならより物理空間(例えば「脳」)の方に、理学(理論化)ならより高次の情報空間(例えば「心」)の方に注視しているだけです。

 F-201~:「医学と医療」と「理学と工学」の類似と相違からコーチングで心がけるべきことを考える

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413696.html

 

  宇宙を“正しく”観察し、生命現象を“立体的”に捉える。全抽象度次元で

 

そのためには、苫米地理論の第2世代「超情報場理論」の理解と体得が欠かせません。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165789.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html

 

 そのポイントを一言でいうと、「(すべて)情報」。

 L-09220217月シークレット… -04;わたしたちは共同幻想の中に生きている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30558230.html

 

 「情報」を言い換えると、「幻想」。宇宙はすべて情報でできていて、私たちが“リアル”だと思っている物理的現実世界、つまり目の前の世界はすべて幻想です。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

 その「幻想」の正体が「情報」。五感+言語という6つのモーダルチャンネル(情報入力経路)からの情報が、まずは神経を通して脳に伝えられます。そして、脳が「情報」を認識し、それをもとにまた「情報」を作りだします。だから、情報であり、幻想。

 Q-370:共感覚がなかなかvol.2;「共感覚」実践の前に確認しておくべきこと>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34082930.html

 

 「この世界はすべて情報でできている」「目の前の世界はすべて幻想」ということは、「イメージと臨場感さえあれば、リアリティは合成できる」ということです。それが「I×V=R」。

 Q-042~:「明確にリアルに目標がイメージできた時点でほぼゴールに近づいた」とは具体的にどういうことでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_262962.html

 

 イメージと臨場感さえあれば、リアリティは合成できる

 

 臨場感は情報と自分の記憶が結びつくことで生まれます。その情報と記憶の関連性を無作為に組み合わせていくことが思考です。

よって、思考が臨場感を生みだすといえます。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 では、思考のために絶対に欠かせないものは?

 

 以下、苫米地博士の著書「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」(CYZOMonthly Dr.Tomabechi’s Column1月』」より引用します。

 

 

1月:仏教の中観思想を使うと人生が楽しくなる

 私たちが見ている物理宇宙もその外側とも言える情報宇宙も、その構成要素は「情報」です。その「情報」を構成しているのは生命素粒子です。「情報」の本質は空であり、一切万物が自分も含めて「空」でしかないと見抜くことが「空観」のポイントです。

 しかしすべてが空であると、容易にポアの思想につながってしまいます。オウム真理教というカルト集団が殺人を正当化した論理です。

 例えば、あなたが映画を観に行ったとします。そうすると隣のカップルの男が大きな音を立ててポップコーンを食べながら、ぺちゃくちゃしゃべっていました。あなたは映画に集中できません。そこで、この男を殺そうと決めます。どうせ「空」でしかない存在を殺しても問題ないですし、もし輪廻転生を信じるならば、十分に苦しめて殺した方が、輪廻転生したときにその男の罪が軽くなると考えます。これが空観の行き着く先です。

 しかし、あなたが殺そうと思って隣に座る男を凝視すると、彼はデートを成功させようと、必死で女の子のご機嫌を取っていることに気づきます。あなたは映画を楽しもうと思って、映画に「楽しむ」という機能を与えていますが、彼は彼で、映画に「デートを成功させる」という機能を与えているのです。たしかに一切が空ですが、その空なる世界に機能を加えているのはそれぞれの存在です。あなたはあなたで映画に機能を持たせており、彼は彼で映画に機能を持たせています。

 仮の役割を果たすことを仮観といいます。世界に実体は存在しませんが、仮の役割ならあるのです。空なる世界と仮の役割の世界の両方の中庸の視点が中観です。この中観思想を実践して、隣の人が宇宙にどんな機能を果たそうとしているかを考えるようになると、人生はもっと楽しくなります。

 引用終わり

 

 

 「思考のために絶対に欠かせないものは?」という問いに対する私の答えは、「知識」。「ある可能世界(w1)から新たな可能世界(w2)への到達可能性関数」としての知識です。

 L-174202203… -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34993755.html

 

 そんな知識の代表が「中観思想」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

F-382につづく)

 

 

CoaHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。近日中にこのブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

L-143202111月小学校親子講演会(鹿児島県)-06;現状の外のゴールに向かい続けることができる理由

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33398926.html

Q-142~:現状の外にゴールが設定できている状態と現実逃避に陥っている状態とでは何が違っているのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_400116.html

Q-176:コーチはリーダーとマネージャーの役割・機能を持つと考えてよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25016029.html

Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

Q-255バランスホイールは全て現状の外にゴールを設定する方がよいのでしょうか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28656381.html

 

新・夢がかってにかなう手帳 2024年度版