Q-409:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?
<vol.3;方向>
下記ブログ記事をお読みの方から御質問をいただきました。ありがとうございます。
F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html
御質問の一部について、3回に分けて回答します。なるべくシンプルに。
vol.1;フレーム問題
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html
vol.2;〇〇を感じ取る力
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35967572.html
vol.3;方向
Q:「フレーム問題」を考えると、これまでの経験や類型は参考にならない気がします。ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?
A3:前回(Q-408)は「ゲシュタルト能力」を掘り下げました。「掘り下げる」というのは「具体的情報量を増やす」ことで、抽象度が下がる方向性です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
今回は、抽象度を上げる方向性で考察します。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
先に「どのように行えばいい?」に対する私の答えを述べておくと、「意図性(intentionality)を確認する」。
以下、苫米地博士の著書「洗脳原論」(春秋社、p122)より引用します。「ゲシュタルト能力」と「意図性」の関係性を感じながら読み進めてください。Feel!

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オウムの教義を論破する
オウムは仏教徒だから、現象論の立場でものを話す。そのことが悪いわけではないが、哲学においては語り尽くされた立場でもある。私は哲学者として、現象論の立場を擁護することもできるし責めることもできる。もちろん、相手に合わせて仏教の唯識論の言葉を使って会話するのであるが、自分たちが現象論的立場に立脚していることさえ、オウムは気づいていない。
オウムがいう個人とは、自分たちの作りあげた主観的存在である宇宙のなかに魂があり、その魂が個を作っているという図式である。だが、仮に私が天才的科学者で、「スタートレック」という映画のなかに出てきたような瞬間移動装置の発明に成功したとしよう。その機械は、すべての物質をアトミックレベルで再現できる機能を持っている。瞬間移動とは、移動先にコピーを作ると同時に、オリジナルを消去することである。つまりこの装置は、単に物質を移動させるだけでなく、オリジナルとまったく同じコピーを作成できるものなのである。
この装置に私が入って、違う場所に瞬間移動したにもかかわらず、もしもオリジナルの私を消し忘れたとしたらどうなるか。同じ人がふたり存在してしまうことになる。それではどちらがコピーで、どちらがオリジナルなのか。これはインテンショナリティ(意図性)の問いである。インテンショナリティは、哲学にとって非常に興味深いテーマであって、昔から有名な哲学者がたくさん本を書いている。これは簡単な問題のように見えて複雑で、もともとのオリジナルを消し忘れた場合、移動先にあるほうが本来の目的を満たしたものであるから、オリジナルということになる。ところが実際は移動先にコピーを作って、元を消し忘れただけだから、物理的にどう考えても、元の場所にあるほうがオリジナルである。
こういうことが起こった場合、オウム信者たちのいう魂は、どちらについていることになるのか質問すると、彼らは答えられない。そう結論づけていくと、そこでオウムの論理は崩壊する。本来の仏教では否定されているみたいだが、本人の体の外に二元論的に存在しうる
魂を認め、それを輪廻の対象とするオウムのカルト的カルマ論で構築された原始宗教的な教義ロジックは、実は、こんな簡単なSF的思考実験で崩壊するのだ。大体、本来仏教において説かれているのは、業と呼ばれる行為の因果の生死を超えた継続性であり、また、その継続性ゆえの同一性である。だからといって、肉体から離れて存在しうる魂が、物理の制約を超えて転生の対象として連続的に存在するとは、もともと説かれていないようである。たとえそこまで理解できなくとも、ロジックの袋小路に追いつめられたあげく、オウムの教義の枠を出て、自分でものを考えはじめるようになる。
引用終わり
たとえそこまで理解できなくとも、ロジックの袋小路に追いつめられたあげく、オウムの教義の枠を出て、自分でものを考えはじめるようになる
…この「ロジックの袋小路に追いつめられた状態」とは、まさに「フレーム問題」そのもの。AI(Artificial Intelligence=人工知能)の場合、無限の可能性を全部洗おうとするため、いつまで経っても選択することができません。その様子は「フレームに囚われたまま『思考停止』に陥っている」ように感じられます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html
ところが、人の場合、これまでのフレームの枠を飛び出して考えることができます。それが「ゲシュタルト能力」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html
その本質は、思いがけない関係性を見つけ出す抽象化能力であり、全体と部分の双方向性を捉える能力です。つまり、「縁起を感じ取る力」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
そんな「ゲシュタルト能力(=縁起を感じ取る力)」と深く関わるものが… 意図性(intentionality)!
現状の外にゴールを設定し、そのゴールを達成するためには、ゴール側から認識・理解・評価・判断をしなければなりません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
それはこれまでのブリーフシステム(Belief System、BS)を停止して、ゴール側から決定するということ。決して誰からも、何からも、強制されることなく決めるということ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
そのためには高い抽象度で情報を見定めることが絶対条件です。と同時に、ゴール達成のための判断を自由意思で決定しなければなりません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html
その自由意思の裏にあるのが「意図性(intentionality)」。自由意思とは、自分がどういう意図を持っているかということです。
F-375:俺にかかってこい
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35750566.html
以上より、「ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?」に対する私の回答は、「意図性を確認する」。
もっとシンプルに回答すると、「方向」の確認。
相手の(無意識の中の)方向性を確認しながら、抽象度が上がる方向へ、すなわち「空(くう)」へとガイドしていく感じです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
…以上、私の回答です。
御質問ありがとうございました。
CoaHing4M2 EDGE
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記1-
もっとシンプルに回答すると、「方向」の確認。相手の(無意識の中の)方向性を確認しながら、抽象度が上がる方向へ、すなわち「空(くう)」へとガイドしていく感じです
…これはコーチング中に私が意図していることですが、この過程でクライアントさんはとても元気になっていきます。
Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html
なぜでしょうか?
…答えは「抽象度を上げながら新しいゲシュタルトをつくる」から。
ゴールに向かう強烈な意思で、抽象度を上げながら新しいゲシュタルトをつくり続けること
↑これが苫米地博士の「生命現象」の定義。著書「思考停止という病」の中で明かされています。詳しくはこちらでどうぞ↓
L-119:2021年9月シークレット… -07;人間だから持つことができる強大な生命力
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32215001.html
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-追記2-
「抽象度を上げながら新しいゲシュタルトをつくり続ける」=「高次元のフレームを構築し続ける」です。こちらでどうぞ↓
L-161:2022年01月… -05;高次元のフレームを構築=グレインサイズを大きくする
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html
-追記3-
「高次元のフレームを構築する」ためには、まずは現状のフレーム(=ブリーフシステム)を解体しなければなりません。
そのために行うのが、「自分のフレームを疑う」こと↓
L-159:2022年01月シークレットレクチャー -03;フレーム解体×ブリーフシステム
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html
そして、「幅広い知識・関心を持つ」ことです↓
L-160:2022年01月シークレットレクチャー
-04;フレーム解体×ゴール設定
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html
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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。
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クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-346:ヘンシン! <ワーク付き>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34261064.html
Q-333:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.8;抽象度を上げた“オンリーワンのプラン”>
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Q-390:僕はコミュ障で親しい関係の人が誰もいません。休みの日も部屋に閉じこもりゲームばかりで、人生が終わっている気がします…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35197372.html
Q-400~:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_430215.html
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