Q-408:ブリーフシステムをゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか? <vol.2;〇〇を感じ取る力>

 

 下記ブログ記事をお読みの方から御質問をいただきました。ありがとうございます。

 F-336~:次世代プロファイリング×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428209.html

 

 御質問の一部について、3回に分けて回答します。なるべくシンプルに。

 (「シンプル」の意味はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 前回(Q-407/vol.1)は「case-side」として、「フレーム問題」を取り上げました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35931899.html

 

 今回からは「plan-side」。掘り下げるテーマは「ゲシュタルト能力」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html

 

 

Q:「フレーム問題」を考えると、これまでの経験や類型は参考にならない気がします。ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?

 

A2前回(Q-407)、「ゲシュタルト能力」について言及しました。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 無限に等しい可能性の中からまるで運命に導かれるかのように「『これだ』と判断」できる力が「ゲシュタルト能力」です。

 L-170202203月シークレット… -03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html

 

私たちはゲシュタルト能力によって「フレーム問題」を解決しています。

 Q-304:どうやったらすべての目標を結びつけることがOps編;〇〇〇化>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30891147.html

 

 そもそも「フレーム問題」とは、「ファンクショナリズム(functionalism)」をパラダイムとする現代の認知科学(cognitive science)が抱えている問題です。

 それまでの「事象を部分に分ける構造主義」とは違って、ファンクショナリズムは「部分と部分、もしくは部分と全体の双方向的な関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。

 その“関わり”が「ファンクション」。東洋哲学でいうと「縁起」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

よって、「フレーム問題」を解決するゲシュタルト能力とは、「縁起を感じ取る力」だといえます。心理学ではヒューリスティック(heuristic)と表現しますが、「経験的(もしくは生得的)な知識を利用して、あいまいなマッチングを“発見的”に行う」という能力です。

もっとコーチングに寄せて表現すると、「イマジネーションの限界を超える力」。

F-363:シコウサクゴ <前編:コーチング前は誰もが「思考錯誤」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35159915.html

 

 厳密には、この世に同じものは2つとありません。よって、ゲシュタルト能力なしでは認識すること自体が困難です。じつは、もうひとつ認識に欠かせないものがあります。

何だと思いますか?

(すでにこのブログ記事内で触れています)

 

 

 そう、「知識」。知識がスコトーマを外すための最初の条件です。スコトーマは 1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つがそろったときに外れます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 認識の大前提は「知識」と「ゲシュタルト能力」

 

この2つに学習が関係します。学習により知識を得、学習によりゲシュタルト能力が磨かれるというように。

 PM-05-06~08:そもそも学習とは?-3-1~3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 知識を得ながらゲシュタルト能力を磨いていくから、connect the dotsが起こり、「あっ、わかった」という気づきと理解を体現することができます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 以上より、「ブリーフシステムの仮説構築の中で経験や類型をゼロベースで観察することが困難な中、どのように行えばいいのでしょうか?」に対する私の答えは

 

 自分自身が知識を得てゲシュタルト能力をさらに磨きながら、クライアント(相手)の知識とゲシュタルト能力を観察する

 

 という感じ。

 

コーチの「縁起を感じ取る力」でクライアント(相手)の「縁起を感じ取る力」を観察していると、「イマジネーションの限界」をゆらがすことができます。

(その基本はこちら↓)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 

「イマジネーションの限界」がゆらぐと、その先、つまり現状の外側に、新たなゴールを見つけることができるようになります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

「イマジネーションの限界がゆらぐ」とは、自我(=これまでの縁起=ブリーフシステム)がゆらぐということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 膨大な知識があり、ゲシュタルト能力も磨いているのに、それでも「イマジネーションの限界を超えられない」という場合、おそらく「自分(関数p)が観ている宇宙(w1)」に限界があります。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 それは「自我が『限界』や『強力な壁』を生みだしている」ということ。

 F-345:知らないと言う罪と知りすぎる罠

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34206232.html

 

 コーチの役目は「結果として、クライアントの自我を変える」ことです。「結果として」というのは、もちろん、「ゴール設定」の結果という意味です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 以下、苫米地博士の著書「『110分』でひらめき脳に生まれ変わる 『とてつもない成果』を生み出すいちばん簡単な方法」(イースト・プレス、p126)より引用します。

 

 

ゴール設定が「自我」を変える

 自我が変わるかどうかは、ゴールで決まります。

 私はギターを弾くので、アンプには異常なこだわりがあります。ダンブルやブルードトーンといったブティックアンプを数多く持っています。

 ライブをするときは、これらの重たいアンプを何台も運ばなければいけません。しかも、エフェクターからアンプまで含めると、総額で1000万円以上にもなってしまいます。

 私だけではなく、音質にこだわったプロのミュージシャンであれば、それくらいのコストと重労働は当然のことです。

 さらにいえば、世界のトッププロのミュージシャンは、必ず優秀なテクニシャンを雇っています。アンプなどの機械のメンテナンスのため、最低ひとりはフルタイムでテクニシャンを雇わないといけないのです。それだけで、年間1200万円ほどかかります。

 売れているミュージシャンであれば、それくらいのコストをかけられますが、普通のミュージシャンにはコストパフォーマンスが悪すぎます。

 そこで、最近ではフラクタルオーディオというものが登場しました。これは何かというと、いくつかの有名なアンプの実際の音をサンプリングして、デジタルで音の特徴を再現したものです。人間の耳ではほとんど違いがわからないくらい、完璧なモデリングです。

 たった1台のフラクタルオーディオがあれば、重たいアンプやエフェクターラックを何台も持ち運ぶ必要はありません。しかも30万円程度で購入できます。

 ですから、多くのプロミュージシャンはフラクタルオーディオに変えています。とくに高額なコストをかけられないプロミュージシャンは、フラクタルオーディオ1台ですませています。

 フラクタルオーディオに変更した人は、まさしくいままでの自我を変えたということ。それに対して、私はいまのところフラクタルオーディオに変更するつもりはありません。いちおうオーダーはしていますが。

 それは、なぜか。

 フラクタルオーディオで再生できない改造アンプをいろいろ使っている、同じアンプメーカーの同じ型番でもアンプ一つひとつで音が違う……など、理由はいくらでもありますが、その根本的な理由は、ゴールが違うからです。

 私がギターを弾くのは、それぞれのホールやライブハウス、レコーディングの環境に合わせて音質をとことん追究したいからです。自分ではんだごてを持ったり、銅線一本にもこだわったりしたいのです。

 しかし、多くのプロミュージシャンのゴールは、利益を上げること。もちろん音質やパフォーマンスにはこだわりがあると思いますが、ある程度の音質であれば、あとはコストとの兼ね合いでしょう。毎年赤字というわけにはいきません。

 ですから、アイドルの後ろで演奏するような仕事であれば、フラクタルオーディオに変更するのは当然のことです。年間数千万円ものコストが削減されるのですから。

 つまり、自我というのは、ゴールの設定によっているのです。

 私のような音質を追究している人間は、自我を変えてフラクタルオーディオに変更する必要はありません。必要がないというよりは、自我はどんどん変わっていても利益優先の自我にはならないのです。

 逆にいえば、自我を変えたいのであれば、ゴールを変えればいいということ。もし私が「音楽一本で食べていく」ということが必要となるゴールに変更すれば、自我は変わるでしょう。フラクタルオーディオを使用すると思いますし、アイドルの後ろで演奏するギタリストをするかもしれません。

 ゴールの設定については、これまでの私の書籍で何度も繰り返し述べてきましたので、ここでは簡単に復習するだけにしておきます。

 ゴールの設定で重要な条件は、「かないそうにない夢であること」、そして「want toであること」です。

 「かないそうにない夢」とは、現状の延長上にないものです。現在の状況をこのままほうっておいたら起こりうることをゴールにしても意味がありません。現状の外側にあることをゴールに設定しなければいけないのです

 「want to」については、STEP2で述べたとおりです。本当に自分がしたいことをゴールにしなければ、不幸です。ゴールを達成しても、それが望まないことだったら意味がないからです。

 そして、ゴールが「want to」であれば、ホメオスタシスが働き、自然にゴールが達成されます

 この二つの条件を満たすゴールを設定すれば、自分が望む自我に変えることができます。自我を変えることができれば、「本物のひらめき」が起こります。

 高い抽象思考ができ、膨大な知識量があっても、自我が変わらなければ、「本物のひらめき」は起こらないのです。

 引用終わり

 

 

 今回のサブタイトルは「〇〇を感じ取る力」。その「〇〇」とは、もちろん、「縁起」のこと。この引用文を読みながら、苫米地博士の「縁起」と「縁起を感じ取る力」を感じられたでしょうか?

 

 引用文を紹介する前に、私はこのように書きました。

 

コーチの「縁起を感じ取る力」でクライアント(相手)の「縁起を感じ取る力」を観察していると、「イマジネーションの限界」をゆらがすことができます

 

 そのときにゆらぐのは、クライアントの「イマジネーションの限界」だけではありません。コーチ自身の「イマジネーションの限界」もゆらいでいきます。それが縁起だからです。

 Q-208:質問という行為はセルフイメージを下げると思っています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26826907.html

 

 双方向性の縁起の力により、現状の外にゴールを設定し、結果として自我が変わり、「本物のひらめき」を得る

 

 それが苫米地式コーチング。

 人が持つ不思議な縁起の力をフル活用する本物(Authentic)のコーチングです。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

Q-409につづく)

 

 

CoaHing4M2 EDGE          

 CoacH T(タケハラクニオ)

 

 

 

-追記-

知識を得ながらゲシュタルト能力を磨いていくから、connect the dotsが起こり、「あっ、わかった」という気づきと理解を体現することができます

 

そのための具体的方法はこちらでどうぞ↓

 Q-182~185:家族ががんで… -06~09;「I×V=R」を用いた2nd. Step<ゲシュタルトを巨大化する>実践編vol.1~4(ワーク付き)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25217507.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25259581.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25282178.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25324197.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬頃から配信を開始する予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-325:観自在 <実践編-5;“縁起力”をブーストする>

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