Q-402:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <後編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

3回に分けて回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:私は病院で〇〇〇(←医療系国家資格)として働いています。苫米地先生の「オーセンティック・コーチング」の中に、「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」とありますが、その部分が今ひとつしっくりきません。ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください

 

 前編は「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」を中心に考察し↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35770335.html

 

 中編は「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」について確認しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35784970.html

 

 これまでの考察はクライアント側の視点での考察です。コーチ側に立つならば、さらに抽象度を上げて考える必要があります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

守秘義務内容に該当しますが、昨秋(2023年)、苫米地博士は「〇〇〇」(略語、英3文字)という表現を使われました。最後の「〇」は「Consciousness」の「C」です。それはまさに「意識状態」のこと。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 今回は、博士が指し示されている情報場(ゲシュタルト)を、一般開示されている具体的知識を用いて表現したいと思います。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

私なりの「言語を用いた非言語の働きかけ」のイメージで。

 F-328:お大事に <後編;最も大切にしなければいけないこと>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33311888.html

 

 

A3:「バラいろダンディ」(TOKYO MX20211213日放送回)の中で、苫米地博士はコーチングの奥義を明かされました。それは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 コーチングでは、関数pの再定義を促すのではなく、可能世界“w”から別の“w1”に移行することを促す

 

 *実際のレクチャーはこちら↓

 銀河系ゼミナール20211213日放送回)

 「コーチングの基本概念を習熟して、新年に向けてエフィカシーをブーストしよう」

 https://www.youtube.com/watch?v=45-1UEYkl7Q

 

 「関数p」とは、「自我」のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「可能世界“w(最近の博士はw1と表現されています)」とは、これまでのブリーフシステム(Belief System)が映しだす現状(Status QuoSQ)のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そして、「別の“w1w2)」とは、現状の外へのゴール設定により新たに生みだす世界のこと です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 重要なので繰り返しますが、ゴールは現状の外に設定するもの。

 Q-216:「現状の外のゴール」とは何か? 混乱しています

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27346333.html

 

よって、「新たに生みだす世界」とは、これまでのコンフォートゾーン(Comfort Zone)の外側。未知なる領域になります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 それは、コーチとの縁によりゴールを設定するまで、スコトーマに隠れまったく認識できなかった領域。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そんな未知なる領域へ向かう移行(w1w2)の間に、強い不安が出てきます。現状(w1)に戻ろうとするホメオスタシス・フィードバックの一表現として。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 だから、不安を感じている状態は理想的です。不安は現状の外に飛び出している証だといえます。

 Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

コーチの役割はその不安を取り除くことではなく、むしろ大きくすること。w2側の臨場感をもっと高めていくことで、ワクワクを伴ったドキドキをブーストしていきます。

 Q-391:現状の外かな~ということをイメージするととても気分が悪くなってしまいます。このような場合どのようにすればいいでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35232931.html

 

 では、なぜコーチは、クライアントが大脳辺縁系優位(fight or flight)に陥ることを防ぎながら、不安をもっともっと大きくすることができるのでしょう?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 

 私の答えは「クライアントを信じ切っている」から。そして、「コーチ自身が自分の能力を確信している」から。

 F-228~:ゼロトラスト

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418030.html

 

 

コーチ自身が、自分のコーチとしてのゴール達成能力、すなわち「すべてのクライアントのゴール達成をしっかりサポートする自分の能力」を確信している

 

 

 そう、「エフィカシー」のことです。コーチのエフィカシーの高さがその秘密であるはずです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 

 ところで、最初に「コーチ側(の視点)に立つならば、さらに抽象度を上げて考える必要がある」と書きました。「抽象度を上げ続ける」というhabitattitudeはとても重要。

 L-09620217… -08BSとハビット&アティテュードと抽象度の関係

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

では、「コーチ自身が自分の能力を確信している」の抽象度を上げると、どのような意識状態にいたるでしょう?

 

以下、苫米地博士の著書「近未来のブッダ 21世紀を導くリーダーの鉄則」(サンガ、p78)より引用します。博士の言葉に導かれながら、言語を超えた次元を感じてください。Feel

 

 

近未来のブッダ

 

 

広がりゆく存在の意識

 仏教とは「縁起の教え」で、縁起をわかるためにはいろいろな修行法があるというのが基本だと私は考えています。縁起がわかりにくいので「空」という考え方や、いくつもの修行の方法論が発明されているのです。

 修行を続けて悟りの階梯の中で縁起が本当にわかると、自分という存在が宇宙全体に広がるし、最低でも人類みんなに広がります。帰属意識の話をすでにしましたね。修行によって前頭前野が鍛えられ、思考の抽象度がどんどん上がっていくにつれ、「私」「私の家族」というこぢんまりとした帰属意識は、学校や会社、地域の人、市区町村、都道府県、日本、アジア……どんどん広げていくことができます。その最たるものが、「慈悲の瞑想」として世間で言われている「生きとし生けるもの~」です。

 そして、そうした自分が存在するこの世の中でなんだかんだと役に立つことが大乗の世界、慈悲の世界です。大きな煩悩を認める。その瞬間に前頭前野を使って「私は何をできるか」を考える。その行為を慈悲というのです。

 「他の人のため」の慈悲ですが、大きな慈悲なら、その「他の人」に自分も自然と入ってきます。たとえば、「この世から戦争と飢餓をなくす」ことという私のゴール設定の対象は「全人類」です。そこにはもちろん「私」が含まれているわけです。

 大事なのは、慈悲は必ず行為を伴うということです。行為のない慈悲はあり得ません。自分以外の人に役立つ行為が慈悲なのです。

 引用終わり

 

 

 修行を続けて悟りの階梯の中で縁起が本当にわかると、自分という存在が宇宙全体に広がるし、最低でも人類みんなに広がります

 

 「クライアントがいて、コーチがいる」という見方は、「存在→関係」という西洋哲学的な見方です。その見方においては、クライアントのエフィカシーを、コーチのエフィカシーが高めているように感じられます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 博士が書かれているとおり、縁起が本当にわかると自分という存在が宇宙全体に広がっていきます。その時の意識状態は「『関係→存在』という因果での双方向性=自分」という感覚。

 Q-204~:「縁起」と「因果」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_413308.html

 

 そんな意識状態では、「コーチング」という関係性によって(因)、果として「クライアント」「コーチ」という存在が生じているように感じられます。そして、この場合のエフィカシーとは、「コーチング」という関係性にまで拡張します。

 「コーチ自身が自分の能力を確信している」でいうと、「自分」が「宇宙全体」に広がっていて、その「宇宙全体」を確信している感覚であり、「自分」や「宇宙全体」を新たに生みだす「コーチング」を確信している感覚です。

 

 私は、その感覚こそが、究極の「コレクティブ・エフィカシー」だと理解しています。

 Q-310~2:私のまわりではそうでもvol.5~7:コレクティブ・エフィカシー>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 

 すべてを自分のマインドが生みだしています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 目の前の世界(=自分)を観察しながら、抽象度を意識に上げ続けていると、やがて目の前の世界が立体的に感じられるようになっていきます。

 L-10920218月シークレットレクチャー -11;モニタリング&ラベリング

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31421939.html

 

「情報空間の底面である物理空間から頂点である空(くう)まで一体」という感覚

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 *「空」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 それが「ヒーリング」にふさわしい意識状態。そして、

 

抽象度を上げながらさらなるゴールを設定し、新たな縁起空間を生みだし実装する

 

そんなゴール設定(=宇宙想像)とゴール達成(=宇宙創造)の確信が「コーチング」にふさわしい意識状態である

 

そのように私は感じています。

 

それをあえて別の言葉にするなら“無敵”↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5446097.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5448151.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615695.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング」(CYZO)より、「コレクティブ・エフィカシー」について書かれている部分を引用しました。参考にどうぞ

 

 

オーセンティック・コーチング

 

 

 *「コレクティブ・エフィカシーの世界」(p128)↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 

 *「コレクティブ・エフィカシーの時代」(p133)↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 

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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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