Q-401:ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください <中編>
御質問をいただきました。ありがとうございます。
3回に分けて回答いたします。
(変更を加えています)
Q:私は病院で〇〇〇(←医療系国家資格)として働いています。苫米地先生の「オーセンティック・コーチング」の中に、「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」とありますが、その部分が今ひとつしっくりきません。ヒーリングやコーチングと意識状態の関係を教えてください
…前編は「コーチの仕事はクライアントに不安を作ること」を中心に考察しました↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35770335.html
今回は「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」について考えていきましょう。
A2:前回(Q-400)確認したとおり、すべてを自分のマインドが生みだしています。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
現状の外にゴールを設定し、そのゴールを達成するときの“マインド”とは、前頭前野での豊かな情報処理のこと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html
その前頭前野優位を保つ(戻す)ことがヒーリングであり、前頭前野をフルに活性化してゴールに向かうのがコーチングです。
Q-191:ヒーリングとコーチングの関係がよくわかりません
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25482691.html
それを一言で表すと… 「中観」。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
脳科学的には「ドキドキもワクワクも、脳内物質の多い・少ないの話」です。もしも「大脳辺縁系優位? or 前頭前野優位?」といったことにこだわるのであれば、それは情報空間の底面に意識が囚われている状態だといえます。脳の話だから。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
情報空間の底面に意識が囚われると、より高次の抽象度次元にひろがる可能性(可能世界)が認識できなくなってしまいます。その状態が「無明」。コーチングでいうと「スコトーマに隠れている」状態です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
*抽象度はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
仏教では、すべての存在現象には独立した実体などなく、他のものとの関係性において成り立っていると考えます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
例えば、無限にひろがる巨大な「網」をイメージしてください。
無数の網目が集まって網を成していますが、その区切られた一つの「網目」だけを取り出し、それは存在しているといえるでしょうか?
…答えはNoです。「網目」という実体はないから。
すべての存在現象は他に依存して、「仮」に現れているだけ。本来は生滅増減もなければ色形の区別もなく、「空」。
そのように宇宙を観るのが「空観」です。
F-318~:観自在
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html
そもそも、人がドキドキやワクワクを感じる根元には、遺伝子や細胞レベルの欲求である“煩悩”があります。例えば「お腹が空いたら、食べたくなる」など。
Q-363:各エリアのゴールについて想いを馳せている… -A2<止;煩悩を意識する>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33604324.html
そんな欲求が思いどおりにならないことから生じる苦しみや悩みのことを、釈迦は「苦」と表現しました。その代表である「四苦」とは、「生」「老」「病」「死」のこと。それは誰もが経験する物理空間上の“さだめ”といえます。
L-033:2020年4月シークレット… -02;「四苦」「ヴィーゼルの言葉」「スピリチュアルペイン」の関係性
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26626963.html
しかしながら、「四苦」を含む「苦」そのものも、そう認識しているだけの幻想に過ぎません。恐怖や不安、苦しみや悩み、そして不幸までも、すべて幻想です。
それら「苦」の理由をすべて吟味してみて、いずれも幻想でしかないとわかったなら、もうワクワクを重ねて幸せになるしかありません。
なぜなら、「幸せではない」という理由自体がないから。
L-036:2020年4月シークレットレクチャー
-05;「四苦」を超越する
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26705888.html
だから“煩悩”を捨てよう …と言いたいわけではありません。
確かに、煩悩を捨てていき、すべてが幻想であると理解したなら、心穏やかに生きていけるでしょう。しかし、人が本当に煩悩を捨て去ったなら、人類は滅亡してしまいます。食欲を捨てたら餓死するし、性欲を捨てたなら命の連鎖が途絶えます。
大切なのは“煩悩”を制御すること。ゴール(w2)を達成している自分(関数p=ブリーフシステム)にふさわしいようにコントロールすることです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html
具体的には、再度認識することで現れる世界の「仮」の姿を観察します。これを「仮観」といいます。例えば、半分くらい水が入ったコップを見たとき、「水が半分しか/半分も…」といったことではなく、「水を飲むもの」と認識します。その機能や役割を見るのです。
すると、同じコップに「花を挿すもの」という別の仮の役割を持たせることもできるようになります。
F-254:イノベーションがうまれるとき <前編;視点>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29415081.html
このように世の中のすべてを「空」と理解した上で、あえて「役割を持たされた仮の存在」と見るのが「仮観」です。
すべてを「空」だと知った上で、同時にすべてのものに「仮」の役割を見いだしていく
…そうすると、結局のところ、この世の中に何一つ役割のないものは存在しないということがわかります。この考え方が「中観」。
L-030:2020年3月… -08;75歳以上では延命治療は不要?<プランサイド>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26197802.html
苫米地式コーチングは中観です。もちろん、ヒーリングも中観。
F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html
「ヒーリングやコーチングと意識状態の関係」に一般的な時間の概念を入れて考えるなら、「中観」という意識状態の体得が先。空観
→仮観 →中観 →ヒーリング&コーチング という順です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html
以下、苫米地博士の著書「夢がかなう脳」(PHP研究所、p180)より引用します。
真の成功のためには、まず「悟りが先」でなくてはいけない
何となく現状に不幸を感じながら、「ゴール」を設定することができず、したがって何をしたらいいかわからない。行動できない。そもそも、「ゴール」を設定することの重要性を知らないし、「ゴール」を考えるという発想にも慣れていない……。
こういう人は私の本の読者やセミナーの受講者にもよく見かけます。
これは、日本の教育制度のせいかもしれません。「あなたはシステムの歯車の一部であり、それ以外になってはいけない」という教えがどこかに残っていて、いまだに小学校で「前ならえ」「右向け右」といった軍国主義さながらの訓練をさせるのが日本の教育なのです。
「ゴール」を持っていない、設定できないという人は、このシステムの犠牲者です。この教育のあり方は変えていかなくてはいけないでしょう。
とはいえ、この本を読んで大乗仏教的な幸福の意味を知った人ならば、いま現在「ゴール」を持っていないとしても心配はいりません。
「社会の役に立つことこそで自分の価値が決まり、その自分の価値については決して自分に嘘をつくことはできない」のです。そのことに気づいた以上、社会に役立つ「ゴール」を持ち、それに向かって生きていくしか道はなくなるでしょう。
よく、煩悩肯定的な「成功本」の類いでも、ゴールが大切だということは書かれています。
もちろん、それは正しいのですが、煩悩を肯定している人が「ゴール」を設定すると、そのゴールもまた煩悩まみれになってしまいかねません。
そんな「ゴール」を目指したところで、また実現したところで、決して真の幸福は手に入れられないでしょう。
だから、まずは「悟りが先」でなくてはいけないのです。
「空観」「仮観」「中観」を学び、大乗的な悟りを学んで、自分に嘘をつけない状態になってから「ゴール」を設定する。それは自然に「社会にとって役に立つゴール」になり、自分の真の幸福にもつながるのです。
引用終わり
社会の役に立つことこそで自分の価値が決まり、その自分の価値については決して自分に嘘をつくことはできない
…この気づき(awareness)こそが、真の幸福を手に入れるためのヒーリングとコーチングに欠かせない意識状態である
と私は確信しています。
F-366:日本を世界のリーダーに! 「苫米地式次世代コーチング」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35313236.html
(Q-402につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。
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クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-044~:笑顔のままお亡くなりになった患者さんから学んだこと
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F-182:“幸福(well-being)”とは?
~「anti→with→well」partⅡ-7;「中観」によって幸福とうまく付き合う
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F-359:自由訳「OODA」
<vol.5;コーチとして感じる「OODAループ」の正体>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34957491.html
L-176:2022年03月シークレットレクチャー -09;ラベリングにより到達する境地
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35045101.html
Q-339~:「あなたは食べた物でできている」という言葉は間違っている?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426446.html
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