F-373:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.7;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -実践編-

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)を観察している間に浮かんできたのが

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 この論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察します。

 

 vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35363063.html

 vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35409039.html

 vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35457949.html

 vol.4;「勇無きなり」の問題点 -「勇」と「エフィカシー」の違い

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35508655.html

 vol.5;エフィカシー=〇〇のレベル=△△の強度

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35558970.html

 vol.6;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35605504.html

 vol.7;「義を見て為さざるは、勇無きなり」を解決する -実践編-

 

 

 「義を見て為さざるは、勇無きなり」に代表されるような言語束縛から自由になるために必要なのは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 論理を超えた右脳言語野の「内なる眼」

 

 では、「内なる眼」を覚醒させるためにはどうすればよいのでしょうか?

 

 私のお勧めは「ストーリーテリング」。

 抽象度の高い「ストーリー」であればあるほど、スコトーマを外しやすくなります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 さらには、抽象度の高い「ストーリー」であればあるほど、論理や言語を超えた次元で「内なる眼」を覚醒させやすくなります。

 F-208:マトリックス/Matrix -03Revolutions;脳の呪縛を解き放つ>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27063566.html

 

 以下、苫米地博士の著書「人を動かす『超』書き方トレーニング」(ソフトバンククリエイティブ、開拓社より再販、p193)より引用します。テーマは「娯楽性を高めるための、書き方のヒント」ですが、明かされているのは「抽象度の高い次元に臨場感を感じる秘訣」です。

その“秘訣”を存分に感じてください。Feel

 Q-329:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.4;自己イメージと臨場感世界は双方向性を持った縁起>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31941786.html

 

 

娯楽性を高めるための、書き方のヒント

 では、娯楽性を高めるためにはどうすればよいのでしょうか。

 これには二つの方向性が考えられます。

 一つは「多くの人に支持されるためにはどうするか=売れる小説を書くにはどうするか」というものです。これは、「大衆が望むものの最大公約数はなにか」という部分がカギになります。

 具体的には、たとえば、テレビのワイドショーを見たりすると、大衆がいまどんなことを望んでいるか、大まかなことが見えてくる可能性があります(もちろん、ある種のメディアの意図が含まれていることを十分に理解しておかなければなりませんが)。

 もっと効果が期待できる方法に、売れている小説をたくさん読み、どんな単語が使われているかを調べるというものがあります。また、それらがなぜ売れているのか、自分なりに分析します。その分析結果を自分の小説に反映させます。

 ストーリーはほとんどがギリシャ神話の変形ですから、ギリシャ神話そのものを読むのがよいのですが、もう一つ、ハリウッド映画をたくさん見て分析するという方法もあります。なぜなら、ハリウッド映画自体がほとんどギリシャ神話のストーリーの変形だからです。

 ハリウッド映画は、「いかに大衆に受けるか」を徹底的に考え、それを戦略的に具体化しています。シナリオにはパターンがあり、しかもそれほど多くのパターンがあるわけではありません。たくさん見ているうちに「これとこれは同じパターンだな」とわかるようになるでしょう。

 たとえば、「主人公がヒロインを助けるために冒険に出るが、その冒険の途中には困難が待ち受け、さらに冒険を邪魔する妨害者が現れる。主人公はたびたび危機に見舞われるが、協力者の登場などで力を得、知恵を使って困難を乗り切る。最後は妨害者と一対一の戦いになり、苦戦しながらも劇的な勝利を収め、ヒロインを救出する」というようなパターンがあります。

 おそらく、「このパターンに当てはまる映画を思い浮かべてみてください」と言ったら、かなりの数のタイトルが挙がることでしょう。映画に限らず、ロールプレイングゲーム(アドベンチャーゲーム)と呼ばれるものの多くも、このパターンの変形だと言えます。

 もちろん、これだけでは読者も「またこのパターンか」と気づいてしまいますし、すぐに飽きられてしまうでしょう。ですので、文体が大切になります。前にも書いたとおり、小説を読むというのはストーリーを楽しむことよりもむしろ、文体、文章表現そのものを味わう方に重きが置かれます

 「そんなことはない。ストーリーのおもしろさこそが大事だ」と言う人もいるかもしれません。「ストーリーなんてどうでもよい」と言うつもりはありませんが、何度も言うように、ほとんどがギリシャ神話のパターンの踏襲なわけですし、そもそもストーリーさえおもしろければよいのであれば、「あらすじ」だけでも十分だということになります。

 情景描写とか人物の心理描写といったものは、基本的にストーリーとは関係ありません。でも、読んでいて楽しい小説はほぼ例外なく、情景描写や心理描写が上手に書かれています。文章そのものに味わいがあり、読者はその味わいを楽しむことができるのです。

 では、小説の文章=文体がうまくなるにはどうすればよいのでしょうか。

 小説の文章が描写する対象は、「情景描写」「心理描写」という言葉があるように、「情景」もしくは「心理」です。つまり、「自然」や「世界」、そして「気持ち」や「情動」です。

 これらを文章にするわけですが、まずは文章にする前に「しっかりと見る」ことが大事です。自然や情動をしっかり見ることなしに文章にすることはできません。「情動を見る」というのは比喩的な表現ですが、要するに自分の心の中をしっかり見つめて、他人の心の中をおもんぱかるのです。

 また、「しっかりと見る」ためには、たくさんの自然に触れ、情動豊かな日常を送る必要があります。自然と触れ合わずに見ることはできませんし、いつも同じ自然ばかり見ていたり、同じ情動ばかり沸き起こったのでは、表現に幅が生まれません。

 「しっかりと見る」とき、たとえば山を見て「あ、山だ」ではいけません。とにかく、細かいところまでしっかりと見ると同時に、その周囲にまで目を配りましょう。そして、その山を見て情動が揺さぶられたら、どの部分に揺さぶられたのか、なぜ揺さぶられたのか、どんなふうに揺さぶられたのかなど、自分の感情についてもできるだけ細かく分析して、言葉にしてみましょう

 さらに「しっかり見る」ことと並行して、過去の古今東西の名作と呼ばれる(売れている、歴史に残っている、多くの人に支持されている)小説をたくさん読むことを忘れてはいけません。読んでいて「いい表現だなあ」と思う箇所に出合ったら、丸暗記するくらい何度も読みましょう。

 こうすることで、その文章に臨場感が増し、読者にもその臨場感が伝わりやすくなり、読者との臨場感の共有を実現することができます。

 引用終わり

 

 

小説の文章が描写する対象は、「情景描写」「心理描写」という言葉があるように、「情景」もしくは「心理」です。つまり、「自然」や「世界」、そして「気持ち」や「情動」です

 

 私たちは「言葉(words)」「映像(pictures)」「感情(emotions)」の3つの軸で思考しています。

 L-067202011月シークレット… -02思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 「言葉」で表現されるストーリーに「情景(←映像)」や「心理(←感情)」の描写が上手くはまるほど、臨場感がどんどん上がっていきます。

 F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

 核となるのは「ストーリー

 

 言語化された「ストーリー」は想起性が高いため、抽象度を上げたときにも強い臨場感を維持することができます。

 (「想起性が高い」にはリスクもあります↓)

 Q-272現状の外に飛び出す勇気やエネルギーが全く出ませんでした。それでも自己責任なのですね ~綸言汗の如し~ <vol.2;苫米地式「言」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29294634.html

 

 さらには、繰り返し「ストーリー」を読むことで脳内での体験を強化でき、「新たな現実」=ゴールの世界(w2)の臨場感を高めていくことができます。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 そんな「ストーリー」の大切な条件として、苫米地博士は「他人が作った抽象度の高い情報空間であること」を挙げられています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 自分が作った「ストーリー」でイメージを膨らませるのは、ただの妄想です。それは誰もが(あまり意識せずに)常日頃行っていること。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

「他人が作った」は、ゴールの重要な条件である「自分中心を捨て去る」の感覚を身につける訓練にもなります(ハズ)。

L-10020218月シークレット… -02;ゴールの基本条件(「頭のゴミ」を捨てるver.

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 ただし、「他人が作ったストーリー」には注意点があります。それが「抽象度」。低い抽象度の「ストーリー」で情報空間をコントロールする/されることには、たいして意味がありません。意味がないどころか、抽象度が低いほど洗脳のリスクが高まります。なぜ?

 F-175:脳内を書き換えると「環境」が変わる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25046274.html

 

 そう、抽象度が下がるほど“煩悩”にまみれるから。苫米地博士は“煩悩”のことを「細胞レベルの苦」と表現されています↓

 Q-379自分を下に引き戻そうとする意識が働くことが? <前編;case-side

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34636842.html

 

 「脳内報酬>リスク」といえる「勇」も、「細胞レベルの苦」であり、“煩悩”に過ぎません。

 

鍵は、やはり、「抽象度」。

目指すべきは、論理や言語を超えた次元で“覚醒”の体感をつかむこと!

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

「他人が作った抽象度の高い情報空間」を用いた「ストーリーテリング」を生みだし体現することで「内なる眼」が覚醒すると、「義を見て為さざるは、勇無きなり」が抱える問題を余裕で解決することができるようになります。

 (その理由は↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427083.html

 

F-374につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

 「他人が作った抽象度の高い情報空間」を用いた「ストーリーテリング」

 

 私自身は、子どもの頃からずっと、「STAR WARS」の世界観を用いた「ストーリーテリング」を行っています。苫米地博士に学ぶのはJEDIの修行、苫米地アカデミーはJEDIアカデミーという感じw

 「SW」を用いた「ストーリーテリング」の解説はこちらでどうぞ↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24057233.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24124167.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24187449.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24275156.html

 

 「ストーリー」のつくり方については、下記ブログ記事を参考にされてください。博士の書籍より「自分主演のストーリーをつくる」を引用しています↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32279767.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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