L-181:2022年06月医療・介護研修会 -04;イライラや不幸から自由になるために…
2022年6月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」。
当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。
(関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)
01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35443656.html
02;「仕事観」を書き換える
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35479161.html
03;「幻覚」を見破り「付加価値」を生み出すヒント
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35494210.html
04;イライラや不幸から自由になるために…
前回(L-180)は、「physical」「mental」「social」「spiritual」という、抽象度の違う4つの視点を紹介しました。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
医療(介護)現場では、それら4つの視点で患者(利用者)さんの「苦痛」を考えます。それが「トータル・ペイン(Total
Pain)」です。
PMⅠ-04-12:次世代型緩和ケアの鍵となるもの
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8293317.html
厚生労働省HP>…>第2回終末期懇談会
資料2-2より引用
「トータル・ペイン(Total Pain)」は、緩和ケア(緩和医療)における重要な概念。緩和ケアとは、「患者とその家族のQOL(Quality of Life、生活の質・人生の質)を改善するための取り組み」のことをいいます。
解決(解消)する領域として4つのカテゴリーが設定され(「身体的」「心理・精神的」「社会的」「スピリチュアル」)、さらに、その4つを別々に考えるのではなく全体として捉えるために「全人的(トータル)」という概念が用いられています。
L-001:2020年1月… -01;「全人的苦痛(トータルペイン)」と「4つの苦痛」の関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24505924.html
この「部分(4つの領域)」と「全体(トータル)」の関係は双方向性。東洋哲学的にいうと「縁起」、西洋哲学では「ゲシュタルト」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html
ゲシュタルト(Gestalt)とは、形態を意味するドイツ語で、「全体性を持ったまとまりのある構造」のことを指します。それは「全体と部分の双方向性で成り立ち、一つの統合的意味を持つまとまり」のことです。部分を積み重ねたから全体がわかるのではなく、全体がわかったから部分の意味が決まることともいえます。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
「身体的(physical)」「心理・精神的(mental)」「社会的(social)」「スピリチュアル(spiritual)」のそれぞれが独立したひとつのゲシュタルトです。と同時に、それらを包摂した「トータル(total)」という“全体”を構成する“部分”でもあります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html
“部分”である「身体的苦痛」「心理的苦痛」「社会的苦痛」「スピリチュアルペイン」はまったく違うもの。その違う概念を「同じ(“全体”の一部)」と認識する力がゲシュタルト能力です。
L-157:2022年01月… -01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34174778.html
「同じ」と認識できたとき、じつは、抽象度が上がっています。抽象度が上がると「対象の本質をとらえる」ことができるようになり、理解がさらに深まります。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html
すると、前回(L-180)のサブテーマ「『幻覚』を見破り『付加価値』を生み出す」ことが、より上手くできるようになっていきます。「空観」を体得していくからです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html
「空(くう)」に近づけば近づくほど、人は、イライラから解放され、幸せになることができるようになります。なぜでしょう?
以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書 -禁断の自己改造プログラム」(講談社、開拓社より再版、p58)より引用します。今研修のメインテーマ「みんな疲れて、イライラしている」を克服するための基礎知識を体得してください。Feel!
「いつも幸せな自分」でいるために
不幸の原因はすべて自分にある
あなたは「いまの自分」を不幸だと感じていますか?
もちろん、「禍福はあざなえる縄の如し」で、幸せなときもあれば、不幸なときもあるでしょう。どちらにしても、少しでも自分は不幸だと感じることがあるのなら、不幸だと思うその原因を突き止めて、自分を変えなくてはなりません。
本書で目指すのは「常に、圧倒的に幸福でいられる自分」です。「なりたい自分」像は人それぞれであっても、この点だけは万人に共通の夢であるはずです。まず、
「不幸はどこから来るの?」
ということから、考えてみましょう。
といっても、答えは簡単。不幸の裏にはすべて、「自分の失敗」があります。
世の中には、いろんな悩みを抱えた人がいます。「一流大学に落ちた」「希望の企業に就職できなかった」「仕事の成果があがらず、出世できない」「安月給で暮らしに汲々としている」「恋人にふられた」「子育てがうまくいかない」「忙し過ぎて、自分の時間がない」「人づき合いが苦手で、友達が少なくて孤独だ」「発想が貧困で、平凡な企画しか出てこない」……。でも、どんな不幸ももとを正せば、自分の行動の結果です。
だからこそ、そこのところをちゃんと自覚している人はよけい切実に、自分を不幸だと感じてしまうのでしょう。
その点、自分に責任がなければ、気楽なものです。「受験に失敗したのは親のDNAのせい」とか、「医学部に進学できないのは、家が貧乏なせい」「出世しないのは、上司がバカなせい」などと、自分の不幸を人のせいにできれば、ずいぶんと気が楽になります。失敗の責任を自分以外の誰か、または自分が所属する社会とかに転嫁しちゃえば、同じ不幸でも大して苦痛を感じないのです。
だからといって私は、「自分が不幸になったら、誰かに責任転嫁しましょう」と言いたいのではありません。そんなことをしたら、「自分の人生は他人に操られていい」となってしまいますから、「奴隷の人生」を勧めることになってしまいます。そうではなくて、
「不幸の原因はすべて自分にあると、潔く認めなさい」
と進言したいのです。「いつも幸せな自分」でいるためにも、不幸は自分が招いていることを自覚していることが必要だからです。
そもそも、これから行おうとしているのは内部表現を「不幸な自分」から「幸せな自分」に書き換える作業でもあります。自分の不幸をしっかり認識することが大事なのは言うまでもありません。
あなたはなぜ、自分が不幸だと思うのですか?
不幸の責任は自分にあることを認識したら、次に、どうして自分はその不幸を不幸だと感じるのかを考えてみてください。
誰かと比べて、不幸なのではありませんか?
社会の価値観と照らし合わせると、不幸なのではありませんか?
自分が思い描いていた仮想的な自分の成功と比較して、不幸なのではありませんか?
そう、たいていの場合、不幸は相対的なものです。何か物差しがないと、不幸かどうかを認識できません。
逆に言えば、「絶対的な不幸」というのはないのです。
ならば、自分を何かと比べるのをやめればいい。それだけで不幸感はなくなります。すると、自分は不幸だと悩むこともなくなります。不幸から自由になれるのです。
それほど簡単な話なのに、自らの不幸を嘆く人のなかには、悩むことをやめずに、自分をやめてしまう人、つまり自殺を選んでしまう人が後を絶ちません。やめるべきものは何か、その選択を誤ってしまうのです。
なんてことを言うと、「不幸をやめられないから、苦労しているんじゃあないか」という声が聞こえてきそうですが、そうではないでしょう?
1章で、
「自我は空である。物理的な実体ではなく、情報に過ぎない」
ことを学んだあなたは、それができることをすでに知っています。不幸は、自分が何かと比較することでつくりだしたものなのだから、その比較対象とした情報を消去すればいいだけです。
とはいえ、これも前章で述べたように、ホメオスタシスのフィードバックが強すぎて、なかなか不幸をやめられない人も多いと推察します。本章では、「不幸をやめるための考え方」についてお話ししていきましょう。
最も大切なのは、いまのあなたが当然の如く受け止めている「世の中の価値観」を、根本から疑ってみることです。
いまの社会は、命も含めて何事にも“偏差値”をつけて、その価値観を多くの人に押し付けています。これはある種、「社会的洗脳」です。どうして、そういう社会になったのかということも含めて理解することで、その洗脳から自らを解き放ってください。
引用終わり
不幸から自由になれる
…幸も不幸も、ワクワクもイライラも、すべて自分のマインドが生みだしています。
しあわせは いつも じぶんの こころがきめる …です。
(L-182につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-告知1-
今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。
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クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-311~:デジタル自傷行為
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426481.html
L-063:2020年9月シークレットレクチャー -03;全面肯定しつつ、“現状の外”を志向する
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L-177:2022年03月シークレットレクチャー -10(最終回);自由なマインドで「物事を俯瞰し、最速・最短で結果を出す」ためのワーク
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Q-334~:何かいい仕事はありませんか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426303.html
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