F-369:義を見て為さざるは、勇無きなり <vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 

 最近、医療法人を経営されている理事長(医師)と面談する機会がありました。理事長のブリーフシステム(Belief SystemBS)を観察している間に浮かんできたのが

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  義を見て為さざるは、勇無きなり

 

 この論語の一節を、苫米地式コーチング認定コーチとして考察します。

 

 vol.1;問題も解決も〇〇〇にあり

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 vol.2;「義を見て為さざる」の問題点 -正義-

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 vol.3;「義を見て為さざる」の問題点 -義務-

 

 

 私たちは、そうとは知らずに、「権力者(既得権益)」が生みだしたシステムによって自由を奪われている

 

 自由を奪う理不尽なシステムを取り繕うために活用されたのが、論語に代表される儒教や道教の教え。そして、儒教・道教化された仏教です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

それらは“社会的洗脳装置”として働き、民衆の潜在意識に差別を植え付けていきました。

PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

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奴隷洗脳が完了した者のセルフトークの例として、前回(F-368/vol.2)は「御恩と奉公」という言葉を取り上げました。

Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

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皆さんは「御恩と奉公」に対して、あるいはその言葉が示す世界観に対して、違和感を感じますか?

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 今回のメインテーマである「義を見て為さざるは、勇無きなり」の「義」について、苫米地博士は「拡大解釈すれば、『義』とは正義」と書かれています(F-367/vol.1引用文)。

それは「目の前に正義があるのに、それを実行しない者は腰抜けだ」という貶み。

コーチングのフレームで読み解くと、相手のエフィカシーを下げて支配を強化するための仕掛けです。

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 実際、「御恩と奉公」的なブリーフが埋め込まれている人は、苦しみを抱え、生きづらさを感じているように思えます。

 F-311~:デジタル自傷行為

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 その場合の「義」は、「正義」だけではなく、「義務」という解釈にまで拡張しているはず。そう、「want to」を「have to」に変えてしまう「義務感(Obligation)」の「義」です。

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 「~するべきだ」「~しなければならない」といった「義務感」によって無理やり行動を変えようとしても、絶対にうまくはいきません。なぜ?

 

 そう、創造的回避が働くから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040752.html

 

 では、なぜ創造的回避が働くのでしょう? 創造的回避の正体とは?

 

 創造的回避が生じる理由は「コンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)から外れている」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 そして、その正体とは、これまでのCZへ戻ろうとするホメオスタシス・フィードバックです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 努力を重ね無理にCZを外れようとしても、ホメオスタシスの働きですぐに元に戻ってしまいます。それが人間のマインドのカラクリ。

 変わるために「努力をする」というのは大間違いで、本当は「努力をしてはいけない」のです。大切なのは、努力ではなく、気楽!

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 「ゴールに自然と向かっている」という気楽です。

 F-284~:気楽 ver.2

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 ここで矛盾が生じます。コーチングのコアであるゴールに関する矛盾です。

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 ゴールのポイントは 1)現状の外、2)心から望む(100%want to)、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、そして 4)自分中心を捨て去る の4つ。

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 「1)現状の外」とは、「これまでのCZの外側」という意味であり、「スコトーマの中」ということです。ということは、そもそも本物のゴールは認識することができません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

仮に認識し設定することができたとしても、元のCZにひき戻そうとする強力な力(ホメオスタシス)が働きます。多くの場合、その力は不安として表面化します。

 つまり、ゴールを設定すると怖くなるのです。怖くなるとIQが下がり、冷静な判断ができなくなってしまいます。そうなるとちょっとしたきっかけで、「コラー」と腹が立ったり(Fight)、「ギャー」とパニックになったりしてしまいます(Flight)。

 Q-306~8:私のまわりではそうでもないですvol.1~3:コンフォートゾーン>

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 私は、今も医療・介護の現場で働く医師であり、いろんな老病死(+生で四苦)に立ち会います。そんな“いのちの現場”では、患者さんやその御家族だけでなく、医療・介護従事者も一緒になって、「コラー」や「ギャー」を増幅しあっていることが珍しくありません。

 PM-04-07~8医療・介護現場で生じる苦しみの悪循環 ~ Fight or Flight

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html

 

 その原因を分析すると、たいてい行き着くのは「不安・恐怖(Fear)」「義務感(Obligation)」「罪悪感(Guilty)」。それらが「~ねばならない(have to)」の源泉となっています(ハズ)。

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 よって、私たちは自身の情動と向き合いながら、徹底的に「~ねばならない」を排除しなければなりません。「have to」をなくし、人生を「want to」で満たしていくのです。

 PM-06-07仮説02)「want to」「have to」とコンフォートゾーン(CZ)の関係

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 では、「~ねばならない」を排除し、「やりたくないことをやめる」ためにはどうすればいいのでしょう?

  

 苫米地博士が教えてくださるのが「思考実験」。

 以下、博士の著書「『頭のゴミ』を捨てれば、脳は一瞬で目覚める」(徳間書店、開拓社から再版、p127)より引用します。

 

 

やりたくないことをやめる思考実験

 「やりたくないけど、やらねばならない」ことばかりを我慢してやっていきながら、「頭をスッキリさせて勉強・仕事のパフォーマンスを上げたい」と言ってもそれは無理な話です。

 頭がスッキリし、パフォーマンスが上がり、潜在能力が引きだされるのは、やりたいことをやっているときだけ。

 にもかかわらず、自分の行動を「やりたいか、やりたくないか」で判断して選別するという習慣をもたない人がほとんどです。「やりたくないけど、仕方がないからやる」がいつのまにか無意識レベルでスタンダードになっているはず。自分は何がやりたくて、何がやりたくないかが分からなくなっている人が多いのです。

 また、仕事や面倒な人づきあいなど、やりたくないと分かっていても、いきなりそれをやめるなんて無理だと考える人も多いはず。

 そういう皆さんは、次のような思考実験をしてみてください。

 

     まず、「やりたくないこと」を書きだします。数は5個から10個。それ以上書きたい人はいくつ書いてもかまいません。中身は家庭のことでも仕事のことでもなんでも結構です

 

     次に、その「やりたくないこと」リストの中で、あなたがいちばんやりたくないことを選びます

 

     そして、その「いちばんやりたくないこと」をやめてみる、ということがすぐにできればよいのですが、多くの人はそこで躊躇してしまいます。ですから、まず思考実験の中で、いちばんやりたくないことをやめてみるのです

 

 もしあなたが「行きたくない」と思いながら会社に行き、「やりたくない」と思いながら仕事をしているなら、会社の何があなたの我慢のもとなのでしょうか。

 まず①と②で「やりたくないこと」を特定します。そうすると、「やりたくないことだらけだ!」と思い込んでいたのが、実は我慢のもとが1個から数個の原因に集約されることがほとんどです。それだけで頭のモヤモヤは少し減ります。

 次に、③でそれを「やめたらどうなるか」「やめるにはどうするか」を考えます。

 

 例えば、「感じの悪い取引先がある。もうあの取引先とはつきあいたくない!」ということが最大の我慢のもとならば、その取引先とのつきあいをやめてしまえばどうなるでしょうか。

 その取引先があなたの売り上げノルマのうちの25パーセントを占めているとすれば、取引をやめたらあなたの売り上げの4分の1がなくなります。

 ならば、その4分の1をほかの取引先でカバーすることはできないでしょうか。

 あるいは、取引先を新規開拓すればどうでしょうか。一気に25パーセントを挽回するのは難しくても、15パーセントずつで計算すれば、例えば既存の取引先2社から10パーセント増、さらに3社を新規開拓して15パーセント増で、合計25パーセント。そうすれば、嫌な取引先と手を切ることができます。そう決心することで、既存の取引先との取引の可能性を広げ、新規の取引先も開拓できる、という魅力的なオマケもついてきます。

 あるいは、ダウンする25パーセントの売り上げ相当額を、業務改革のコストダウンで取り戻して、プラマイゼロ。となれば、コストダウンの面白さにも目覚め、あなたの業務改革は社内で高く評価されるかもしれません。

 引用終わり

 

 

 「やりたくないことをやめる」という思考実験を続けると、自分の仕事や生活の中に「我慢していたけど、本当はやらなくてもよかった」ことがたくさんあることに気がつきます。スコトーマが外れるから。

 Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

 

 その時こそ、「『やりたくないことを嫌々やる』というこれまでのCZ」を破壊し、「ゴール設定により自ら生みだす『やりたいことだけやる』というCZ」に移行するビッグチャンス!

 PM-06-06:仮説01)変わらないコンフォートゾーンが生みだす「現状維持の壁」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html

 

そう、“覚醒”のときです。

 F-353:“覚醒”の夏に向けて習得! 苫米地式「オーセンティック・コーチング」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34650757.html

 

F-370につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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F-212~:仕事楽しみですか? ~want toが非難される社会~

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