L-178:2022年06月医療・介護研修会 -01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」
2022年6月、鹿児島県の医療法人で認知科学やコーチング理論を用いた職員研修を行いました。依頼されたテーマは「イライラ」。
当日の講演内容をブログ用に再構成し、いただいた御質問や御意見に回答いたします。
(関係者の皆さま方、大変長らくお待たせいたしました)
01;テーマは「『イライラ』の正体を知り、しっかり対処する」
今回依頼された研修テーマは「イライラ」。
事前の打ち合わせの時、それとなく「イライラ」をテーマに選んだ理由を伺ってみました。わざわざ私に依頼をしてくださった意図を知りたかったから。
Q-390:僕はコミュ障で親しい関係の人が誰もいません。休みの日も部屋に閉じこもりゲームばかりで、人生が終わっている気がします…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35197372.html
すると担当者は、とくに夜勤をする看護師や介護士に体調不良者が続出しており、そのせいなのか「医療事故(accident)」や「ヒヤリハット(incident)」が増えていることを教えてくださいました。
Q-256~:私、立ち直れるかな?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420158.html
さらには、「みんな疲れていて、イライラしている」とも。
Q-354~:休みの日なのに気持ちが良くない日が続きます。疲れているだけでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427647.html
みんな疲れて、イライラしている
…研修を行った後の話ではありますが、私が住む鹿児島では、救急や周産期医療などを担う県の中核病院が一般の入院病床の稼働率を最大7割まで減らすことが報道されました(2023年4月4日、南日本放送)。
その病院の一般入院病床数は400。その7割まで減らすということですから、約120人分の入院ができなくなるということです。これは鹿児島の医療にとって大問題。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808495.html
では、その問題の本質的原因はどこにあるのでしょう?
…前述の報道では「看護師の大量退職」が原因として挙げられていました。そして、その要因のひとつが「過酷な職場環境」だと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12808542.html
日本医療労働組合連合会による全国の看護師3万人以上を対象とした「2022年看護職員の労働実態調査」によって、衝撃的な事実が明らかになりました。
なんと看護師の79.2%が「仕事を辞めたい」と考えているのです(「いつも思う」24.0%、「ときどき思う」55.2%)↓
5e8dd32f045cf2b06190631b99368fa326bb0711.pdf
(irouren.or.jp)
これはおそらく介護職も同じ。現実として、地方に行くほど、医療・介護に携わる人材は不足しています。つまり…
人材不足
→ 過重労働
→ みんな疲れて、イライラ
→ 「医療事故(accident)」や「ヒヤリハット(incident)」が増える
→ さらにイライラ(Fight or Flight)
→ 離職意識が蔓延
→ 本当に離職
→ さらなる人材不足
…という悪循環。この“悪循環”が日本の医療・介護業界を蝕んでいます。
(「Fight or Flight」はこちら↓)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8164566.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8166289.html
…とここまでが問題の分析(case-side)。
問題に対する解決(plan-side)は、もちろん、「コーチング」です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658417.html
次回より、コーチ兼医師としてお話しした内容を、ブログ用にリライトしてお届けします。
(L-179につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
みんな疲れて、イライラしている
…ところで、苫米地博士が小説を書かれていることをご存じですか?
その第1作目が「脳のリミッターを外せ!」(アスコム)。ストーリーとして「可能世界」が描かれていることで、よりリアルに臨場感を感じることができます。
F-304~6:映画のおもしろさって何だろう? ~「Indy 5」の…~ <vol.1~3;臨場感>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32179090.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32229850.html
例えば、「イライラ」の描写はこんな感じ…
以下、同書の「FILE 003 お金がすべてと信じ込ませ、会社の奴隷にする男」(p88)より引用します。「ストーリーテリング×臨場感」というゲシュタルトを意識に上げながら読んでください。Feel!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
「山田よぉ。お前はいつになったら契約をとってくるんだよ!」
午前9時。朝礼開始と同時に、西新宿の小さなオフィスに大きな怒声が響き渡った。
哲朗が勤務するマーベラス出版。数年前までは好調だった教育出版業界だが、インターネットの普及や少子化の影響をもろに受ける形となり、昨今ではどの会社も苦戦を強いられていた。マーベラス出版も同様、業績は伸び悩み、経営状況は悪化の一途。イライラの矛先は必然的に、営業成績を残せない哲朗へと向けられていた。
そしてこの日もまた、それなりの営業成果を報告する同僚たちに対して、一人不甲斐ない結果を口にする哲朗に、部長の中谷の怒りが爆発したのである。
「お前も会社の現状を知ってるんだろ。新規の顧客を拡大していかないと、このままじゃうちは本気でやばいんだよ」
「はい、すみません……」
「それなのに、五日連続で契約数ゼロってどういうことなんだよ。先月だってノルマ達成できてないのはお前だけじゃねえか。会社に給料泥棒はいらねえんだよ!」
同僚たちが失笑を浮かべる中、浴びせられた容赦ない罵声に哲朗は力なくうなだれる。
全社員の営業成績が記入されたホワイトボードを叩きながら、鬼のような形相をした中谷はさらに声を荒げた。
「今年入社した一年目の鈴木ですら頑張って三件もとってきてるじゃねえか。みんなができていることを何でお前だけできないんだよ。仕事なめてんのか!」
返す言葉もなくただ黙って下を向く哲朗。できることといえば、中谷の怒りが時間と共におさまるのを待つことくらいだった。
「とにかく、このままじゃ他のみんなにも迷惑だな。よし、山田以外は全員仕事を始めてくれ。今日も一日気合を入れていくように!」
合図と同時にそれぞれ仕事に取りかかる同僚たちを横目に、一人残された哲朗は恐る恐る中谷の顔を見上げた。
哲朗の上司、中谷喜久夫。がっちりとした体格に、いつもがなり立てているような大きな声。妻子持ちの現在四八歳。幼い頃に両親が離婚し女手一つで育てられた中谷は、母親を早く楽にさせたいと若い頃から様々なアルバイトを転々としながら食い扶持を稼ぎ、二〇歳の時にマーベラス出版に入社。以来、馬車馬のように働き続け、高卒という最終学歴にもかかわらず身一つで部長まで登りつめた叩き上げだった。
引用終わり(つづきはこちらでどうぞ↓)
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…どうですか?
私たちは過去の記憶でつくられたゲシュタルトによって世界を認識しています。それは目の前にひろがる物理的現実世界だけでなく、小説や映画の中の仮想世界に対しても同じ。
Q-369:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.1;理論編>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34066679.html
…今、違和感を感じているでしょうか?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882652.html
じつは、「目の前にひろがる物理的現実世界だけでなく、小説や映画の中の仮想世界に対しても同じ」という表現は正しくありません。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
「どこが正しくないのか?」「どう表現すれば正しくなるのか?」 …そんなことを考えながら今後の投稿をお読みください。気楽にどうぞ。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html
-告知1-
今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-348~:“MJ” ~縁起宇宙(w1)再構築!~
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428154.html
L-090:2021年7月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html
Q-235:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想がでている老人に対して、どのように対応すればよいでしょうか?
<vol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html
Q-333:最近「記憶が抜ける」ようなことが続いています <vol.8;抽象度を上げた“オンリーワンのプラン”>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32048435.html
Q-377:同じ抽象度で最適化されたゴールのような気がします
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34573983.html
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