Q-388:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか? <中編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。親しみやすさとなれなれしさは違うと思うのですが、そのことをどう伝えようか悩んでいます。どう接すればいいでしょうか?

 
 ...「どう接すればいいか?」という疑問を自ら解決するためのチェックポイントを7つ考えました。まずはその7つをそれぞれゲシュタルト化し(前・中編)、もう一段抽象度を上げて統合してください(後編)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 私は「統合した大きなゲシュタルトを、自分自身がクリアに体感し続けていること」が最も重要だと考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

その上で、その時々のベストな判断で臨まれてはいかがでしょう。「invent on the way」のイメージで。

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 <前編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/35095081.html

 

 

A2:すべては空。自我も空

 

その事実が意味することは、「人は本質的に自由である!」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 前回(Q-387/前編)の4つのチェックポイントを通じて感じたのは、「不完全性」の理解の重要性。その理解がコーチングのスタートラインだとあらためて思いました。

 F-339:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 

では、残りの3つのチェックポイントをシンプルに解説します。

 

 

 □非単調論理

 かつては「正しいもの以外は知識とは呼ばない」ことが大前提だったそうです。それを「単調論理」と呼びます。

 そんな単調性に対して「例外のない法則はない」と主張したのが、イギリスの分析哲学者 スティーヴン・トゥールミン(Stephen Edelston Toulmin19222009年)です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

トゥールミンはいわゆる三段論法で代表される形式論理の方法論が実社会における論理構築の手段として適さないと考え、「トゥールミンロジック」を築き上げました。いわば最初のチェックポイント「不完全性」を論理空間に組み込んだような感じでしょうか。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

現実の世界に存在する論理はトゥールミンロジックのように非形式的なもの。これらのロジックは現代分析哲学において非単調論理として形式化されているそうです。詳しくはこちらでどうぞ↓

S-01~:よりよい“議論”のために

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html

 

 

 □非言語

 トゥールミンロジックを用いたディベートは、通常、言語を使って行われます。よって、言語空間の限界が必ず生じます。「言語束縛」と言い換えることもできます。

 F-0543つのロック(&1つのキー) <ワーク付き>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12794797.html

 

ところで、コーチングの基本は非言語です。なぜなら、言語を用いると

 

     want tohave toに変わる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

     ドリームキラーが生まれる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

     エフィカシーが下がる

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

     抽象度の上限ができる

Q-176:コーチはリーダーとマネージャーの役割・機能を持つと考えて

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25016029.html

 

     言語により構築された世界を超えて非言語情報処理を行うことが困難になる

L-08220213月シークレットレクチャー -05;「非言語」が重要なのはなぜ?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30102311.html

 

 等々、起こりえるから。

 

コーチングだけでなく、じつは、すべてのコミュニケーションの原則が非言語です。非言語コミュニケーションが、人と人のコミュニケーションの原点だといえます。

F-327~:お大事に

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427730.html

 

 

 □慈悲(compassion

 「非言語」というコミュニケーションの原点を踏まえた上で、慈悲的内省言語を考えると

 L-07920213月シークレットレクチャー -02;内省言語を発生させる

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30021884.html

 

 

 本当に相手のためか?

 相手の立場に立っているか?

 

 

 そんな内省言語を経て実行されるべき慈悲とは、「相手の五大感情『うれしい』『楽しい』『気持ちいい』『すがすがしい』『誇らしい』を感じひろげながら、そのイメージ実現のためにそのときのベストと思われる対応をする」ことであるはず。

 

 私はそれが慈悲の実践の基本だと思っています。

 Q-289:ドーパミンのvol.9;「ストレスフリーでマインドのコントロールがうまくなる」理由>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29916746.html

 

 

 以上の7つのチェックポイントに意識を向けながら、まずは相手の「意図」を明らかにしてあげてください。そもそも「意図」に気づいていないかもしれません。

 

 自分の「意図」に気づいていない

 

 それは自由がないのと同じ。“自分”を生きていないのと同じです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書」(講談社、開拓社より再版、p174)より引用します。前回引用箇所のつづきです。

 

 

人は「理性」を超越できる

 その後ゲーデルの不完全性定理は、ロッサー、タルスキー、チューリング、チャーチといった数学者・論理学者たちが拡張していくのですが、IBMワトソン研究所のグレゴリー・チャイティンという数学者はついに1987年にこの定理を、数学全般にまで拡張して証明しました。「任意のシステムSにおいて、そのランダム性を証明不可能なランダム数Gが存在するという定理」がそれです。数学全般に拡張されたということは、

 「物理宇宙から情報宇宙まで含めて宇宙全体に不完全性定理が働く」

 と解釈できます。物理宇宙から情報宇宙まですべて数学で記述できるからです。これをさらに“翻訳”すると、次の意味になります。

 「内部表現という全抽象度に広がる宇宙の完全性は、内部表現の外側に出なければわからない」

 内部表現という言葉を「理性」と言い換えれば、「宇宙の完全性(もしくは神の存在)があるとすれば、それは理性を超越している」という意味でもあります。

 となれば、内部表現という宇宙に外側があるか否かは、哲学的な問いかけとなります。もしもそれがないとすると、自由とは単にランダムな偶然でしか手に入れられないことになってしまいます。

 では、ゲーデル自身はなぜ、不完全性定理の働く系の内側にいるにもかかわらず、不完全性定理に気づき、証明することができたのでしょうか。まさにそれが、彼の悩みでした。そこで出したゲーデルの結論は、

 「宇宙は閉じた系で、外側がある。そしてその不完全性定理の働く宇宙の外側にいるのが神であり、その神が叡智を与えてくれた」もしくは、「理性を超越した存在があり、それが叡智をくれた」

 というものです。それで彼は、神の存在を証明する数学理論をつくるために残りの人生を費やし、晩年は自分が毒殺されるという妄想に取り付かれ、挙げ句の果てに餓死してしまいました。

 私の考えは、ゲーデルと半分同じ。でも、重要な半分で異なっています。「内部表現宇宙には外側がある」もしくは「理性」を超越できる可能性はある。ただ、ゲーデルが閉じた系の内側にいながら不完全性定理を発見できたのは、その外側の神から情報をもらったからではない、そう考えています。不完全性定理は宇宙の基本原理だから、宇宙をメタ(高次元)に思考できれば、発見できて当たり前。メタに思考するとは、自らが系の外側に出ることに他ならないと思うのです。それが、我々の自由意思だと、私は捉えています。ゲーデルの言葉で「数学的直観」と言われるものです。また、ゲーデルの不完全性定理を用いて神の非存在論を1991年に展開したパトリック・グリムの言葉を借りれば「理性を超越するもの」、それが「自由意思」です。

 だから、「内部表現の外側があるか?」と問われれば「イエス」だし、「人は自由意思を持ちうるか?」と問われれば「イエス」、それが私の考えです

 引用終わり

 

 

 メタに思考するとは、自らが系の外側に出ることに他ならない

 「理性を超越するもの」、それが「自由意思」

 

 …7つのチェックポイントを踏まえた上で確認するのは「意図」。

 Q-333:「記憶が抜ける」ようなvol.8;抽象度を上げた“オンリーワンのプラン”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32048435.html

 

 「意図性(intentionality)」が、オリジナルを決め、存在の意義を決めます

 

それは「自分とは何者なのか?」を決めるということであり、「宇宙とは何か?」を決めるということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

Q-389につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬開催の予定です。約1ヶ月前にこのブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-119:公私混同(ワーク付き)

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/20933874.html

Q-072:不言実行はなぜ大切なのか? 有言実行は本当に間違っているのか?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

Q-371:共感覚がなかなかうまく実践できません <vol.3;実践編>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34120540.html

L-08420213月シークレットレクチャー -07;内省言語を「言語を使わないで引き起こす」ために

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30160964.html

 

新・福音書

Kindle版はこちら↓

ドクター苫米地の新・福音書 | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon