Q-387:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。どう接すればいいでしょうか? <前編>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:同じ職場でお客さんに対しての話し方がおかしい人がいます。親しみやすさとなれなれしさは違うと思うのですが、そのことをどう伝えようか悩んでいます。どう接すればいいでしょうか?

 

A1:「どう接すればいいか?」という疑問を自ら解決するためのチェックポイントを7つ考えました。まずはその7つをそれぞれゲシュタルト化し(前・中編)、もう一段抽象度を上げて統合してください(後編)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 *抽象度はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 私は「統合した大きなゲシュタルトを、自分自身がクリアに体感し続けていること」が最も重要だと考えます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628437.html

 

その上で、その時々のベストな判断で臨まれてはいかがでしょう。「invent on the way」のイメージで。

L-09020217月シークレットレクチャー -02;臨場感世界の現実化(realized virtuality

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

では、チェックポイントをシンプルに解説します。まずはこの4つから。

 

 

□不完全性

情報空間での不完全性は「不完全性定理」により、物理空間(←抽象度を軸とした場合の情報空間の底面)での不完全性は「不確定性原理」により、すでに証明されています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 つまり、「必ず正しい」「絶対に間違っている」はありえないということ。「全知全能の神はいない」のです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

別な表現を用いると、世界は「白か、黒か」という定性的なものではなく、「〇〇くらい白っぽい/黒っぽい」という定量的なものだといえます。決して「排中律」ではありません。

F-2313錠じゃないと飲まん! <前編:排中律>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28339618.html

 

 だから、まずは「相手がおかしい/間違っている」「私は正しい」という思い込みや決めつけがないかセルフチェックを。自分の価値判断を再確認してみましょう。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

思い込みや決めつけは、スコトーマを生みだすだけでなく、対立の原因となってしまいます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 争いや差別の火種です。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 

 □縁起

 では、「正しい/間違い」「おかしい/おかしくない」を決める絶対的基準がないのなら、どのようにして「正しい」や「おかしい」が決まっていくのでしょう?

 

 医師としての私の経験を2つ紹介します。皆さんはどのように感じるでしょうか?

 

 1つ目は地域の急性期医療を支える民間病院での思い出。その病院を退院した患者さんが、地方紙(新聞)にこんな投稿をしました。

「患者のことを『〇〇様』と呼んでいて素晴らしい」

その記事を取り上げながら、病院長は「必ず患者のことは『〇〇様』と呼ぶように」「くれぐれもなれなれしい話し方はしないように」と念押ししました。全職種が参加するミーティングの場で。

 

 2つ目は当時は国立だった大学病院での話。入院中の患者の家族(高齢の夫)が病院の片隅で泣いていました。事情を伺うと、自分の農園で育てたメロンを差し入れしたが看護師長に断られたというのです。「規則で受け取れません」と。

「自慢のメロンだから」と重ねてお願いしたそうなのですが、「迷惑です」と怒られたそう。「あんな冷たい人に看護の資格があるのか?」「人を救うはずの病院がこんなでいいのか?」と嘆かれていました。

 

 縁起とは、「原因によって結果が起きる」という釈迦哲学の根幹をなす教えです。それは「自分を含めてすべては他の何かとの関係性で成り立っている」という見方であり、「関係が存在を生みだす」という見方です。

縁起の思想は「それぞれの事物・事象はあらかじめ存在しえない」ことを示しています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 先ほどのケースでいうと、「患者のことは必ず『〇〇様』と呼ぶ」「規則により受け取れない」は、絶対に正しいものとしてあらかじめ存在するのではなく、関係性の中で相対的に正しさが決まるということ。

 Q-297:弟子にしてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30430928.html

 

 そう、すべてが相対的です。現在は「時間」でさえも相対的であることがわかっています。

 Q-319:速いスピードで移動? <vol.1:「時間」は人間の意識が作り上げた幻想>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31680099.html

 

 

 □無常

 「関係が存在を生みだす」という考え方は、「だから普遍的な実体などはなく、物事は常に変わりゆき、永遠に変わらないものなどない」という考え方につながります。

それを仏教では「無常」と表現します。

 F-276L下でのBSB vol.1;“風通し”>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30603333.html

 

“答え”は「その時の相手との関係性」の中にあり、その「関係性」は“答え”とともにどんどん変わっていきます。表現を変えると、「意味は状況の中にあり、状況とともに意味は変わっていく」です。

 Q-199:状況は意味により変わる? 意味は状況の中にある?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26292382.html

 

 

 □非我

 繰り返しますが、「関係が存在を生みだす」という考え方は、「だから普遍的な実体などはなく、物事は常に変わりゆき、永遠に変わらないものなどない」という考え方につながります。

さらに突き詰めると、「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)この世は心(マインド)がつくっているという二つのプリンシプルに行きつきます

 

 「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)」を「無我」と表記するのは、じつは誤り。正しくは「非我」です↓

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 「この世は心(マインド)がつくっている」というプリンシプルが明らかにするのは

 F-034:「何もないところからレンブラントを発見」は正しい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9672202.html

 

 自分という存在さえも、自身のマインドが生みだしている

 

 自分さえも、あるとはいえず/ないともいえず、相対的かつ無常です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 それを大乗仏教では「空(くう)」と表現します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 すべては空。自我も空

 

この事実が意味することは、「人は本質的に自由である!」ということ。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

 ここまでまとめながら、私は「不完全性」の理解の重要性をあらためて感じました。その理解こそが「コーチングのスタートライン」であるはずです。

 F-339:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.4;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -各論・理論編-

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33880880.html

 

 以下、苫米地博士の著書「ドクター苫米地の新・福音書」(講談社、開拓社より再版、p171)より引用します。「不完全性」の体感をクリアにしてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

数学の基盤を覆したゲーデルの「不完全性定理」

 ギリシア時代から続く数学・論理学の基盤に、たとえば「2つの点を通る直線はひとつしかない」という主張など、それそのものが証明される必要なく真理命題とされる「公理」というものがあります。それら公理の集合を礎として演繹的に導き出されたものが「定理」です。つまり、中学・高校で学ぶ幾何の公理・定理を例にとると、それらはその演繹推論系のなかで真理とされているだけ。実際に計測してみて正しいから真理とされたのではありません。

 たとえば、古代ギリシアのピタゴラスが発見したと言われる三平方の定理には、100以上の証明がありますが、これらはすべて、ユークリッド幾何学の公理系を礎として演繹的に導かれたものです。つまり、ピタゴラスの定理が正しいとされるのは、実際に計測してそれが成り立っているからではなく、公理系から演繹的に導かれたからなのです。言ってみれば、数理宇宙は物理宇宙とは関係なく、独立して美しく整合的な空間として広がっているというのが、ユークリッド幾何学の公理系です。

 このように、「数理宇宙は公理と定理の系で成り立つ完全な無矛盾の空間である」とするのが、ギリシア時代から続く、数学の基盤となる考え方でした。

 ところが、1931年にウィーン大学の25歳の若き数学者クルト・ゲーデルは、自然数論というひとつの数学の公理系を利用して、次のことを証明しました。

 「自然数論程度に大きな演繹系においては、内部論理無矛盾性を成り立たせることはできない。系のなかに必ず、正しくない命題、もしくは証明不能な命題が内包されてしまう」と。

 また同時に、「無矛盾性を成り立たせようと、演繹系を拡大すればするほど、もともとの公理系そのものが成り立たなくなる」ことをも示しました。

 この論文は発表された当時、かなり誤解されたようです。彼の主張が本格的に理解されるようになったのは、1950年代以降のことです。後に、「ゲーデルの不完全性定理」と呼ばれる彼の論理は、以下のように単純化して説明できます。

 

 「この命題は証明不能である」という命題を考える。

 「この命題は証明不能である」という命題が証明可能であるならば、この命題のなかで主張している「証明不能である」ということと、それが「証明可能である」ということとは、矛盾していることになる。だからもし、この命題が証明可能であるのなら、公理系が矛盾を内包している、つまり正しくない定理が系のなかにあるということになる。

 逆に、「この命題は証明不能である」という命題がたしかに証明不能であったとする。だとすれば、この命題そのものは真理だということになる。これはすなわち、系に証明不能な命題が含まれるということであり、その場合は系そのものが不完全ということになる。

 系が完全であるとは、その系に正しくない命題が含まれず、また含まれるすべての命題が証明可能な状態を言うからです。

 これを自然数論で展開したのが、「ゲーデルの不完全性定理」です。

 引用終わり(この続きは次回引用します)

 

Q-388につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-追記-

 さらに突き詰めると、「この世に絶対はない(アプリオリなものはない)」と「この世は心(マインド)がつくっている」という二つのプリンシプルに行きつきます

 

「アプリオリ」とはカントの言葉で、「経験的認識に先立つ先天的、自明的な認識や概念」のこと。人間の経験的認識に先立って確立されているべきもので、「人間をつくった神」や「その神が創った世界」のことです。

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一緒に楽しみましょう!

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