L-174:2022年03月シークレットレクチャー -07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣
2022年3月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「□」です。
当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。
リラックスを深めながら、気楽にお読みください。
F-284~:気楽 ver.2
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html
*初回の講義はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html
*2回目の講義はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html
01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問
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02;「ブレない判断基準」を生みだすもの
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34877369.html
03;「新たな世界(w2)」を現実化する感覚
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34892980.html
04;「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」の間に…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34928669.html
05;「新たな世界(w2)」が包含する“光”と“影”
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34943681.html
06;「新たな世界(w2)」に潜む“闇”とその対処法
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07;ゴールの世界(=ゴール側のCZ)に移行する秘訣
前回(L-173/06)は、“闇”への対処法について書きました。その本質は「抽象度を上げながら“自我”を巨大化し、自由自在になっていく」こと。
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それを一言でいうと「観自在」。その実践法がコーチングです。
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コーチングを違った表現であらわすと、「ゴール(w2)」と「現状の自我(BS=p=w1)」という抽象度の違う次元の間に、臨場感という橋を架けること。
F-244~:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_420579.html
そのために絶対に欠かせないものがあります。何でしょうか?
…答えは「知識」。
今回は、あらためて知識について考えていきましょう。まずは歴史的な話から。
かつては「正しいもの以外は知識とは呼ばない」が大前提でした。それを「単調論理」と呼びます。
そんな単調性に対して「例外のない法則はない」と主張したのが、イギリスの分析哲学者 スティーヴン・トゥールミン(Stephen
Edelston Toulmin、1922~2009年)です。
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トゥールミンはいわゆる三段論法で代表される形式論理の方法論が実社会における論理構築の手段として適さないと考え、「トゥールミンロジック」を築き上げました。
S-01-12:三段論法がダメな理由
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12658325.html
その基本構造は「データ(事実)」「ワラント(根拠)」「クレーム(主張)」の3つ。
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さらに「バッキング(論拠)」「クオリファイアー(確率)」「リザベーション(例外)」の3つを足した六要素で論理構築が行われます。
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*詳しくはこちらをどうぞ↓
S-01~:よりよい“議論”のために
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_254557.html
先ほどの「例外のない法則はない」とは、「リザベーション(例外)」のこと。その根底にあるものを、西洋哲学で表現すると「不完全性」「不確定性」、東洋哲学では「縁起」です。
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いずれにせよ、「正しいもの以外は知識とは呼ばない」という大前提を外し、「間違っていても知識と呼ぶ」「真偽値が定まっていない知識を知識として認める」としたことで、この世界をより正確に記述できるようになりました。それが「非単調論理」です。
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…と、ここまでが歴史の話。
現代分析哲学では、知識とは「可能世界から可能世界への到達可能性関数」です。よって、現実世界で実現可能な関係であれば知識、実現不可能であれば妄想といえます。ここでいう現実世界とは、「情報空間のうち誰もが共有している世界」のこと。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
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抽象度という軸で宇宙を並べ替えた場合の底面、すなわち一番情報量が多い次元が物理空間です。その物理空間が「情報空間のうち誰もが共有している世界」だといえます。
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つまり、「現状の自我(BS=p)」が生みだす現実世界という可能世界(←多くにとっては物理空間、w1)から、現状の外への「ゴール設定」で自ら生みだす新たな可能世界(w2)へ移動する関数が「知識」。
最新の苫米地博士の表現(「新・夢が勝手にかなう手帳 2024年度版」)に沿って言い直すと、「現状の自我(BS=p)」という情報場(w1)から新たな情報場(w2)へ移動するための乗り物が「知識」です。
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html
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以下、苫米地博士の著書「年収1億円プレーヤーの仕事哲学」(宝島社)のCHAPTER-3「情報収集において決して検索エンジンを使わない」(p100)より、2回に分けて引用し(青字)解説します。ゴールの世界(=ゴール側のコンフォートゾーン)に移行する秘訣をマスターしてください。Feel!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html
▶検索エンジンで知識は増えない
前ページでも述べましたが、1億円プレーヤーは、ネット空間の情報を盲信しません。ですからグーグルなどの検索エンジンで情報を集めることもありません。あなたがもし、「検索エンジンは便利」と思い込んでいるのであれば、まさにそれがスコトーマです。検索エンジンは「意図的な情報操作を受けるリスクのある情報」を信じさせられる可能性がある上に、「決して知識が増えることのない」ものだということを知ってください。
ネット空間の匿名性の高い情報が、操作を受ける可能性のある信用に足らないものであることは、おわかりいただけたと思いますが、検索エンジンを使っても知識が増えないのはなぜなのでしょうか。
我々の目の前にある情報は、脳が過去の記憶をもとに「これは重要である」と判断し、認識されています。過去の記憶にない情報は、脳のフィルターをすり抜けて認識されることはありません。
ですから、もしあなたが検索エンジンで知らない情報を見つけたと感じたとしても、それは必ず過去に知っているものであり、本当に知らないものは認識できません。情報を検索すればするほど、知らないことを知り、蓄積していくような感覚はすべて錯覚なのです。
引用終わり
…以前(L-171/04)引用した苫米地博士の著書「苫米地英人、宇宙を語る」(角川春樹事務所、p63)には、このような記述があります。
認識があって宇宙がある。つまりは、脳があるから認識が成り立つのです
…この言葉をシンプルにすると「I×V=R」。
「I」とはImaginationやImageのことで、「脳が過去の記憶をもとに『これは重要である』と判断し、認識」したものの投影です。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html
「過去の記憶にない情報は、脳のフィルターをすり抜けて認識されることはありません」とは、RAS(Reticular Activating System)&スコトーマ(Scotoma)の話。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html
前回(L-173/06)取り上げた「認知レベルで世界(宇宙)が書き換えられてしまうという現実」への対処法としても、RAS&スコトーマをしっかり理解し、正しくコントロールすることが重要です。
Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html
その第一歩が「知らないものは認識できない」「情報を検索すればするほど、知らないことを知り、蓄積していくような感覚はすべて錯覚」という事実を意識に上げる(上げ続ける)こと。そして、そのための基本中の基本が呼吸のコントロールです。
L-166:2022年01月シークレット… -10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html
以下、引用のつづきです。
▶大切なのは「例」ではなく、「概念」を増やすこと
あなたの目の前を「車」が通り過ぎたとします。もし、仮にあなたが車という「四輪で動く機械」という「概念」を過去の記憶としてもっていなければ、車を見たとしても、何か得体の知れない動くもの程度にしか認識できないはずです。車という概念が過去の記憶として備わっているからこそ、目の前の車が「新車」や「レアモデル」であるという「例」が、あなたの脳にプラスされていくのです。
検索エンジンで情報を調べるということは、この「例」を増やしている行為にあたります。あなたの脳が認識できるのは、すでに過去において知っている概念の例に過ぎず、膨大にある例のなかから、ときどき気になる例を引き出しているに過ぎません。ひとつの概念にどれだけの例を増やしたとしても、決して知識を増やしたことにはなりません。
1億円プレーヤーに必要なのは真の知識を増やし、世界のあり方を正しく認識すること。つまり「例の数」を増やすのではなく「概念の数」を増やすことです。新しい概念を知るためには「まず対象に直接接する」。そして「五感を使って対象を認識」したうえで「抽象度を高めて概念化する」ことが必要です。
ですから、この章で述べたように1億円プレーヤーは、情報の発信源に自ら実際に行き、五感でその情報を感じ取ることを常としているというわけなのです。
引用終わり
…繰り返しますが、「認知レベルで世界(宇宙)が書き換えられてしまうという現実」への対処法の第一歩が、「知らないものは認識できない」「情報を検索すればするほど、知らないことを知り、蓄積していくような感覚はすべて錯覚」という事実を意識に上げる(上げ続ける)こと。
そして、対処法のコアが「真の知識を増やし、世界のあり方を正しく認識する」こと。そのために「『例の数』を増やすのではなく『概念の数』を増や」していきます。ここで言う「概念」とは、ゲシュタルトのことです。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html
新しいゲシュタルトを得るための秘訣が…
対象に直接接する → 五感を使って対象を認識 → 抽象度を高めて概念化
…そのプロセスの強化のために、私は「共感覚」をお勧めしています↓
L-167:2022年01月… -11(最終回);モーツァルトの音楽を“体感”するワーク
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34445624.html
(L-175につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
苫米地英人博士は著書「苫米地 思考ノート術」(牧野出版)の中で、「(ノートにおける)知識とは、潜在的に他者と共有しうる物事の関係性のこと」と定義され、例として「村上春樹を知っている」という場合の「知っている」の意味を分析されています。
1)知り合いだ →
共有できない関係 =妄想
2)名前は知っている →
知識ではなくラベル
3)どんな作品を書いている人か知っている → 共有できる関係 =知識
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/25153337.html
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今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。次回は2025年2月下旬に開催します。
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クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
-関連記事-
F-263~4:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.7~8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29906587.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29951903.html
L-070:2020年11月シークレットレクチャー
-05;「過去は一切関係なし」のリザベーション(reservation)
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29045573.html
L-165:2022年01月シークレットレクチャー -09;「自分中心を捨て去る」とは…
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html
Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html
Q-362:各エリアのゴールについて想いを馳せている状態というのは、バランスホイールの図を眺めながら、頭の中で考えている感じなのでしょうか? -A1<ノートとメモの違い>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33589654.html
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