F-357:自由訳「OODA」 <vol.3Decide

 

 「OODA(ウーダ)」という概念を御存知でしょうか?

 

 Wikipediaで「OODA」を検索すると、「OODAループ(OODA Loop)」にjumpします。

 そこには「意思決定と行動に関する理論」とあり、「元々は軍事行動における指揮官の意思決定を対象としていたが、後にこれに留まらず、官民を問わずあらゆる個人の生活、人生ならびに組織経営等において生起する競争・紛争等に生き残り、打ち勝ち、さらに反映していくためのドクトリン、そして創造的行動哲学となった」と書かれています。

 

OODAループ(Wikipedia)

OODAループ

Wikipediaより引用

OODAループ - Wikipedia

 

 

 苫米地式認定コーチとして、「OODA」について自由に考えてみました。

 

 vol.1Observe

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34753761.html

 vol.2Orient

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34805412.html

 vol.3Decide

 

 

コーチの視点で「OO-OO-OOスタック」を分析すると、その原因は「抽象度が変わらない」「抽象度が上がらない」ことだといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

そして、その本質的理由は「ゴールがない」「ゴールを失っている(達成済み含む)」「ゴールが間違っている」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 ここでもう一度コーチングの原点に戻りましょう。コーチングのコアは「ゴール」と「ゴールの設定」です。

 L-069202011月シークレットレクチャー -04;ゴールこそがコーチングのすべて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29018262.html

 

そのゴールの基本条件は 1)現状の外2)心から望む3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)4)自分中心を捨て去る4つ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 「1)現状の外」とは、“自分”という殻(=ブリーフシステム)の外ということ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 通常は、殻の外はスコトーマに隠れて認識することができません。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 そんな殻の外を認識するために、まずは視点を変え、さらに視点を上げていきます。その本質は抽象度を上げることです

 

 「2)心から望む」の主語は「私」。ただし、その「私」は本当の自分ではありません。「私」は他人のモノサシや社会の価値観で構築されているから。時間でいうと、過去に閉じ込められたまま。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

 抽象度が上がるほど、自と他を、そして自分と宇宙を、切り分けることができなくなっていきます。釈迦哲学では、その意識状態のことを「無分別」と表現します。

 Q-099:子どものwant toを大切にしたいと思っていますが、なぜかhave toの押し付けになってしまいます。どうすればよいでしょうか? <後編>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/18684556.html

 

 「3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)」にゴールを設定することは、じつは、「無分別」を体得するためのいいきっかけになります。職業・趣味・家族・健康・生涯学習/教育、ファイナンスなどなど、たくさんのカテゴリを同時かつまんべんなく“みる(Observe)”ことは、一つ上の抽象度の視点を獲得することだから。

 F-273:冗長性と多様性 <vol.5;抽象度×バランスホイール>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30452009.html

 

 ただし、バランスホイールの段階では、まだまだ主語は「私」のまま。意識的には違っても、無意識は自と他(自分と宇宙)を区別する「分別」の状態でしょう。

 Q-374~:バランスホイールは全て現状の外? クライアントが現状に満足している項目があった場合、その項目をどう扱えばいい?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_429253.html

 

そこで「4)自分中心を捨て去る」。自分中心を捨て去るとは、“自分”=関係性が拡大していくこと。それは“自分”の定義を、より高次の抽象度次元に拡張していくことです。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 では、「OO-OO-OOスタック」の先にある「意思決定(Decide)」の段階を確認しましょう。以下、Wikipediaより引用します。

 

 

意思決定(Decide

 「情勢への適応」段階で判断された情勢をもとに、行動として具体化するための方策・手段を選択し、場合によっては方針・計画を策定する段階である。攻撃の可否、攻撃する場合には攻撃すべき順序および採用すべき手段、最終的な攻撃指令が含まれる。また、戦闘状況を離脱する場合には離脱する経路の決定、状況によってはここから「観察」の段階に戻ることもある。

 引用終わり

 

 行動として具体化する」というのは、抽象度が下がる方向性。先ほどの表現でいうと、「分別」することです。具体化するほど情報空間の底面である物理空間に近づき、底面では時間と空間などに制約されます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「最終的な攻撃指令」は、当然、具体的なもの。関わる誰もがしっかりとイメージ(I×V)できていることが重要です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 繰り返しますが、ゴールの基本条件は 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、4)自分中心を捨て去る の4

“自分中心を捨て去った現状の外”というのは、一般の人(normal)にとってはコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)の外側です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

遥か彼方にあり感じられない(感じても理解できない)ために、ふつうは気に留めないか、むしろバカにするくらいですが、ひとたび理解すると強烈に抵抗するようになります。ドリームキラー化して。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040935.html

 

 だから、「関わる誰もがしっかりとイメージ(I×V)できている」ためには、ゴールの共有が必須。

 F-278L下でのBSB vol.3briefing

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30717101.html

 

病院長兼コーチとしての11年間(苫米地式認定コーチとしては3年間)の挑戦を通じて、私が一番強く感じたのは「ゴール共有」の大切さ。そして、ゴールを共有した上での「コレクティブ・エフィカシー」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

 では、引用の続きを。

 

 

 理論の原型となった空戦においては、超高速で移動する最中であることから、パイロットは、事前の訓練で規定化された方針を瞬時に採択する。一方、地上部隊や艦艇であれば、指揮官・幕僚の経験・データベース、および、C4Iシステムおよびオペレータによるマン-マシン-システムに基づいて行われる。

 引用終わり

 

 事前の訓練で規定化された方針」とは、ゲシュタルト化された知識のこと。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 その方針を「瞬時に採択する」力とは、ホメオスタシスです(ハズ)。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 ところで、苫米地博士の経歴に「C4I」(正確には「C4I Cyber」)という文言が入っていることを御存知でしょうか?

 

 博士は「シー・フォー・アイ」と発音されていますが、Wikipediaには「シー・クァドラプル・アイ(システム)」と書かれています。4つの「C」は「Command」「Control」「Communication」「Computer」で、「I」は「Intelligence」です。

 C4Iシステム - Wikipedia

 

 それら5つ(「Cyber」まで入れて6つ)を統合した視点は、とてもシンプルで、クリアなはず。さらに統合を繰り返して抽象度を上がった先にあるのが「空(くう)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

宇宙の構造

 

 

空に近づくほど、心は自由になっていきます。しがらみが減り、どんどんシンプルになっていくから。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 そんな自由な心で設定するものが“本物(Authentic)のゴール”です。

 Q-221:ゴール設定のポイントについて確認させてください

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27497249.html

 

 以下、苫米地博士の著書「頭の回転が50倍速くなる脳の作り方」(フォレスト出版、p181)より引用します。“澄み切った自由”と“本物(Authentic)のゴール”を感じてください。Feel

 

 

私たちは自由である!

 我々の宇宙は、物理のレベルでも抽象度の高い情報のレベルでも、「神」さえもが決定できない、つまり、完全なる自由をいつでも内包しているのです。

 逆に、そうではない、アプリオリに存在は確定しているのだ、もしくは、「サイコロを振らない神は実在するのだ」とする人間の思い込みを、二五〇〇年前の哲学者「シャカ」は「無明」といいました。

 「無明」は、存在がアプリオリな確定性のものだと思いこんでいる状態です。アインシュタインでさえ「無明」だったのですから、過去の人々が「無明」であったのは、致し方ないことです。ただ、現在の科学は、すでに「無明」の時代は終わっているのです。

 存在は不確定である。別な言い方をすれば、観測される粒子は、正確に計測しようとすればするほどその観測行為の影響を受けて不確定になるという存在の双方向性を「シャカ」は縁起と呼びました。

 その縁起を知らないことが「無明」です。「空」の概念を利用すれば、不確定性という「空」の原理を知らないことが「無明」です。そして、「無明によりて行があり」と言っています。「行」とは誤った認識作用のことです。

 本来宇宙は「空」であり、私たち自身も「空」であるのに、あたかも確定性のアプリオリの個があるかのように認識してしまうのです。これが私たちの「自由」を奪っているのです。

 ただ、現在の科学・数学は、物理抽象度の宇宙だけでなく、全抽象度にわたって、不確定性原理が働くことを証明しています。それが、チャイティン以降の「不完全性定理」の証明です。

 私たちは、何ものからも本来は自由なのです。それを「無明」が奪っているだけなのです。そして、「自由」になる方法は簡単です。「抽象度」を上げればいいのです。

 IQが上がるというのは、抽象度が上がるということです。神や宇宙から「自由」になるには、「空」まで抽象度を上げなければならないので、それは大変ですが、他の人間や人間がつくった組織から自由になるのは、それほど抽象度を高くしなくても大丈夫でしょう。

 本書のトレーニング(特に統合トレーニング)は、皆さんを「自由」にする、そういう効果もあるのです。これが「新しい脳のつくり方」なのです。

 引用終わり

 

F-358につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

 

-追記-

そこで「4)自分中心を捨て去る」。自分中心を捨て去るとは、“自分”=関係性が拡大していくことであり、“自分”の定義をより高次の抽象度次元に拡張していくことです

 

 その「より高次の抽象度次元に拡張した“自分”」とは何のことでしょう?

 

 私の答えはこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。

次回は2024825日(日)13:30~15:00の予定。オンラインでのライブ講義に加え、30日間限定の配信も行います。詳細はこちらで御確認ください↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34761055.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428110.html

 

頭の回転が50倍速くなる脳の作り方