L-168202203月シークレットレクチャー -01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 

20223月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の3回目。全体を通してのメインテーマは「」です

 

 

2021年11月シークレットレクチャー

 

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 *2回目の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428947.html

 

 01;「ブリーフシステムをしっかり理解する」ための自問

 

 

 メインテーマ「」とは、「フレーム」のこと。

 フレームは、「人工知能の父」と呼ばれるマービン・ミンスキー(Marvin Lee Minsky1927~2016年)が提唱した概念で、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のことです。

そのフレームを、苫米地博士は「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

(認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 フレームとは、「認識の枠組み」のこと。フレームを持たないと、人はうまく情報を認識することができません。それを「スコトーマに隠れる」「スコトーマが外れない」などと表現します。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

ちなみに、スコトーマを外すことができるのは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)がそろったときです。つまり

 

 人は知らないことは認識すらできない

 

例えば、普通に文章を読むだけでは、「情報」は得られても、「知識」はなかなか得られません。それなのに私たちは0から学習することができます。なぜ?

 PM-05-06~8そもそも教育とは?-3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 答えは「ゲシュタルト能力がある」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

ゲシュタルトができると、知識がないものも認識することができるようになります。苫米地博士は「知識とゲシュタルトを組み合わせた『文脈』の中で認識が生まれる」と表現されています。

L-10320218月シークレットレクチャー -05;知らないことを見える化する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31263124.html

 

人は、物事を解決するにあたって、「関連することだけをふるい分けて抽出し(RAS)、それ以外の事柄に関しては無視(=スコトーマに隠す)して思考する」という能力を持っています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

つまり、ある枠組みを作って、その中だけで思考することができるということ。その「枠組み」がフレームです。

Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

「フレーム」という言葉は様々な理論において多様な意味で用いられていますが、「ゲシュタルト」とほぼ同義と考えて差し支えありません。詳しくはこちらをどうぞ↓

 F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 

 コーチングの“枠組み”でいうと、ゲシュタルト≒フレームとは、ブリーフシステム(Belief SystemBS)のことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そのブリーフシステムを理解することが、コーチングではとても重要です。

 L-158202201月シークレットレクチャー -02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 

 以下、苫米地博士の著書「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp88)より引用します。

 

 

◎ブリーフシステムとスコトーマ

 第3章はブリーフシステムです。第1章でも少し触れていますが、ブリーフシステムとは「未来にまで続くあなたの現在を作っているシステム」であり、これが変わらなければ、未来は変わりません。ですから、ブリーフシステムをしっかり理解することがコーチングでは重要になってきます。

 ではブリーフシステムを理解するにはどうすればいいでしょうか?

 それはスコトーマを理解することから始まります。

 スコトーマとはもともと眼科用語で盲点のことです。転じて、コーチングでは心理的な盲点を意味する言葉として使っています。

 心理的盲点とは、人は、その時に重要だと思っていることしか見えず、目の前にあっても見逃していることがとても多いということです。「心理的盲点など本当にあるのだろうか?」と、にわかには信じられない人がいるかもしれませんが、ちょっとした心理物理実験によって簡単に体感できます。

 (中略)

 こういった心理物理実験を体感すると、私たちの脳は「自分が重要だと思っているものしか見ることができない」ことがよくわかってきます。

 

 さて、これがスコトーマの原理でこれまでの本ではここで終わることが多かったのですが、本書では、もう一歩踏み込んで解説します。そもそも、これまでスコトーマの原理は「自分が重要だと思っているものしか見ることができない」とお伝えしてきました。

 もちろん、これは正しいのですが、その一方で、「本当に自分が重要だと思わないものは見えていないのか」という疑問が湧いてくるでしょう。

 もちろん、見えていないわけがありません。本来、私たちにはすべてのモノが見えています。それが一時的に見えなくなってしまうのは、自分でそういう基準を作っているからです。

 さきほどのように「時計のデザインはなんでしたか?」と聞かれれば、「時計のデザインを見る」が評価の基準となり、それ以外のファクターは評価が低下します。「時間は何時でしたか?」と聞かれれば、また評価基準が変わって、見える世界にはまた別のフィルターがかかります。

 自分にとって何が重要なのか、はそうやって決まります。

 別の言葉で言えば、評価関数です。どんな値を入力したか、で目の前の世界はいかようにも変わるということです。

 ただし、こう書いてしまうと、皆さんの意識は「何が入力されたのか」に向かってしまいます。入力する値を変えれば、自分が見えている世界は変わるだろう、と思ってしまいます。確かにそれはそうなのですが、少し短絡的です。

 本当に重要なことは「何が入力されたのか」ではありません。「誰によって入力されたのか?」のほうなのです。

 引用終わり

 

 

本当に重要なことは「何が入力されたのか」ではなく、「誰によって入力されたのか?」のほう

 

 ブリーフシステム(BS)とは、「自分はこういう人間だ」「世界はこうなっている」という、個々人が強く信じて疑うことのない固定的な思考=信念のこと。その信念がさまざまな判断基準の核となります。

 L-135202111月シークレットレクチャー -04;「囚」

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33051194.html

 

 ブリーフシステムのブリーフ(信念)とは、前頭前野や大脳辺縁系に作りあげられた認識のパターンのこと。その“パターン”が「自分を含む世界の地図」を生みだします。古い表現でいうと、「内部表現(Internal RepresentationIR)」です↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32129073.html

 

 つまり、博士が問われている「誰によって入力されたのか?」とは

 

「自分を含む世界の地図」や「内部表現」を生みだしたのは誰か?

 

 

 それを明らかにすることが、「ブリーフシステムをしっかり理解する」ことの1st. stepだといえます。

 

L-169につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。

次回は2024825日(日)13:30~15:00の予定。オンラインでのライブ講義に加え、30日間限定の配信も行います。詳細はこちらで御確認ください↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34761055.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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