Q-384:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか? <後編;コーチング実践者向け>

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか?

給与、人間関係、恋愛

みんなが幸せな新しい世界はどうすれば来るのでしょうか?

 

A2:いただいた御質問は、「バラいろダンディ」での苫米地博士のコメントに関するもの。まずはこちらを御確認ください↓

 コスパ重視、飲み会イヤ令和男子の特徴に共感の嵐 Dr.苫米地 武井壮 (202471) #ベーシックインカム (youtube.com)

 

 前回(Q-383)はコーチング入門者向けに回答しました↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34738124.html

 

 

拝金主義は泥棒と同じ

なぜなら、自分さえ良ければいいと考える利己主義だから

 

今、私たちが行うべきなのは、社会にはびこる「拝金主義」「利己主義」というブリーフシステムを破壊すること。そのために社会を構成する一人ひとりのブリーフシステムをリブートする必要があります。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 そのリブ-トを実現する縁起がコーチング。歪んだブリーフシステムを、結果として是正していくのがコーチングです。

 (「結果として」はとても重要な部分。クリアでない方はこちらをどうぞ↓)

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 コーチングの内容をシンプルにまとめると、「現状の外にゴールを設定して、エフィカシーを高める」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 まずはゴール設定です。ゴールからすべてがはじまります。

 L-09520217月シークレットレクチャー -07;ブリーフシステムを変更する方法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30622243.html

 

ゴールの基本は 1)現状の外、2)心から望む、3)人生のあらゆる領域(バランスホイール)、そして 4)自分中心を捨て去る。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31184436.html

 

 

 詳細は明かすことができませんが、このところ「苫米地式コーチング」をとても危険に感じる体験が続いています。本当に夢をかなえてしまう(夢が勝手にかなってしまう)が故の危険性です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12935916.html

 

 そう言えば、「苫米地式『幸せ脳』のつくり方」(イースト・プレス、Step3)の中で、苫米地博士は「コーチングは、最終的には自己満足にすぎない」と書かれています。

 (詳しくはこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32078054.html

 

その理由(warrant)は「コーチングは『宗教方式』だから」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 宗教方式 = 幻想であることを肯定し、その幻想を徹底的にリアルに感じる方法

 

 コーチングは「宗教方式」であり、仮観です。「仮」を維持できれば、つまり「幻想である」ことを忘れなければまだいいのですが、多くはその大切な事実を忘れてしまいます。

 その理由は「抽象度の高い次元がスコトーマに隠れてしまう」から。空観を失うということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 「徹底的にリアル」とは、抽象度が下がる方向性。抽象度が低い次元に囚われてしまうと、「空」を見失うばかりか、「仮」が「実」に変わっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 それが「本当に夢をかなえてしまう(夢が勝手にかなってしまう)が故の危険性」の正体(RCA)。傍から見ると“傲慢”に感じられる状態であり、Jediの言い方でいうとdark sideに堕ちたSithです。

 F-257~:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421948.html

 

 ポイントは「自分中心を捨て去る」こと。

 それは「自分は後回し」「我欲や私心をなくす」「我はないほうがいい」といったことではなく、“自分”の定義をひろげる(=抽象度を上げる)ということです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 「自分中心を捨て去る」を追求することで、コーチングは「宗教方式」から「釈迦方式」に変わっていきます。

 

 釈迦方式 = すべては幻想だと認識することで、幸せになる方法

 

 以下、苫米地博士の著書「君は1万円札を破れるか?」(マキノ出版、p276)より引用します。「“自分”の定義をひろげる(=抽象度を上げる)」を体感しながら読み進めてください。Feel

 

 

「中観」が幸せな世界を作り出す

 内部表現を書き換える二つのアプローチは、それぞれ仏教でいう「仮観」と「空観」に当たります。仮のゴールを設定することが「仮観方式」であり、抽象度を高めることが「空観方式」だといってもいいでしょう。

 仏教では、すべての存在現象には独立した実体などなく、ほかのものとの関係性において成り立っていると考えます。このように宇宙を成り立たせている関係性のことを、釈迦は「縁起」と呼びました。縁起を表現するものとして、よく知られているのが、『自説経』にある次の詩句です。

 「此があれば彼があり、此がなければ彼がない。此が生ずれば彼が生じ、此が滅すれば彼が滅す」

 このようにたとえると、わかりやすいでしょう。「偶数」と「奇数」という概念があります。偶数とは「2で割り切れる自然数」、奇数とは「2で割り切れない自然数」のことですが、一方で、偶数は「奇数以外のもの」、奇数は「偶数以外のもの」と定義することもできます。つまり、それぞれがお互いを定義しているのであり、どちらか一方がなければ、もう一方も成り立ちません。

 あるいは、「犬」ならば「犬以外のもの」、「人間」ならば「人間以外のもの」との関係によって、初めて、それと定義することができるわけです。このことを突き詰めていくと、あらゆる存在そのものが情報なのだ、ということがわかります。そして、この宇宙はそうした情報のネットワークとして成り立っていると考えるのが、縁起の思想です。

 それでは、無限に広がる巨大な「網」を想像してください。無数の網目が集まって網を成していますが、その区切られた一つの「網目」だけを取り出し、それは存在しているといえるでしょうか? いいえ、「網目」という実体はありません。このように、すべての存在現象はほかに依存して「仮」に現れているだけ。本来は消滅増減もなければ色形の区別もない、つまり、「空」である。このように宇宙を観るのが、「空観」です。

 人間が幸・不幸を感じる根本の原因は、すでに見てきた通り煩悩、すなわち脳幹レベルの欲求が満たされるかどうかです。その欲求が思い通りにならないことから生じる人間の苦しみや悩みを、仏教では「苦」と呼びます。けれど実は「苦」も、自分が認識しているだけの幻想なのです。自分が不幸な理由をすべて挙げても、それらのいずれも幻想でしかないとわかったら、もう幸せになるしかありません。なぜなら、「幸せではない」という理由自体がないからです。

 これはある意味、「煩悩を捨てればいい」という考え方だともいえます。自分が作り出した欲求が「苦」を生むのですから、煩悩を捨てていき、すべてが幻想であると理解したら、心安らかに生きていける、ということです。しかし、人が煩悩を完全に捨て去ると、人類が滅亡してしまいます。そこで、もう一度、認識されることによって現れる、世界の「仮」の姿を見るのです。これを「仮観」といいます。

 たとえば、コップを見て、「水を飲むもの」と認識したら、それはコップにそういう「仮の役割」を持たせたということ。同じコップを「水を注いで花を挿すもの」と認識することもあるでしょう。このように、世の中のすべてを、役割を持たされた仮の存在と見るのが「仮観」です。

 釈迦がすごいのは、「空観」と「仮観」のどちらも欠いてはいけないとわかっていたことです。すべてを「空」だと知ったうえで、同時にすべてのものに「仮」の役割を見いだしていくのです。すると、結局のところ、この世の中に何一つ、役割のないものは存在しないということがわかります。この考え方を「中観」といいます。中観こそ、私たちが最終的に目指すべき境地だといってもいいでしょう。

 もし、「『1億円持った自分』と『1億円の負債を抱えた自分』のどちらがいいですか?」といえば、だれもが1億円を持つほうがいいと答えるでしょう。しかし、「1億円持っているから幸せ」とか「1億円の負債があるから不幸」と感じるのは、本当はいずれも幻想に過ぎないことを知るのが、空観方式です。

 ただし、どうせ同じ幻想なら、自分の望むようにゴールを設定し、徹底的にそこを目指すほうが、途中の過程を楽しめます。「じゃあ、実際にどんなものか、1億円を稼いでみましょう」と、仮のゴールとして設定するのが、仮観方式です。

 注意すべきは、その達成で得られる「幸せ」は、あくまで「仮観」。幸せの仮の姿と知っておくことです。知っていれば、実際にお金持ちになっても、「もっとお金がないとイヤだ!」と思うような不幸は起こりません。要は、煩悩に振り回されないように、ということです。そこで大事なのが、「止観」という考え方です。煩悩をいったん「止めて、観る」のです。といっても、難しいことではありません。

 煩悩が暴走してしまうのは、その衝動を意識できていないからです。意識さえしていれば、コントロール下に置いて、暴走を防ぐことができます。意識するには、自分の煩悩を少し脇に置いて、客観的に眺めてみればいいのです。たとえば、食欲を覚えたとします。そのときに、「今、ごはんを食べたいのはなぜ?」と考えるのです。「おなかが空いたから食べたいだけで、理由なんかないよ!」と思わないでください。考えて、意識に上げることが大事なのです。

 「昼食を食べてから、もう8時間も経過したから、おなかが空いて当然」とか、「体がエネルギーを必要としているから」とか、理由はなんでもいいのです。ただし、なるべく分析的に考えてみましょう。

 あるいは、「あの服が欲しい」と思ったとき、理由を考えます。「デザインが好きだから」「有名ブランドで、ステータスになるから」「お買い得だから」とか、いろいろ出てくることでしょう。それらのうち、自分にとって、特に意味のある理由はどれだろうかと分析していけば、自らの欲求がどんなものであるかを認識できるはずです。

 このように「止観」によって、自らの欲求を認識することは、抽象度の上がった世界から眺めることにほかなりません。抽象度を上げた世界から眺めれば、欲求は自然にコントロールできます。それを続けることによって、中観の境地に至っていくわけです。

 中観に至るとは、ありとあらゆる価値観の束縛を超えながら、この世界の中で真に自由に、自らの望む役割を果たせるということです。同時に、自分以外のすべての存在が果たしている役割も認めることができるようになります。あらゆる存在は、それぞれの役割を果たしているだけであり、そこにいっさいの上下関係などないことがわかってきます。

 そのような視点に立てると、自分や自分の子どもが愛おしいと思うのと、全く同じように、世界中のすべての人を、さらには宇宙に生きとし生けるものすべてを、愛おしいと思えるようになります。

 もし、世界中のみんながそのような考え方をもつに至れば、いっさいの差別と戦争をなくすことができます。それこそ、だれもが真に自由に生きることのできる、真に幸せな世界です。そうは思いませんか?

 引用終わり

 

 

意識するには、自分の煩悩を少し脇に置いて、客観的に眺めてみればいい

 

 現在の若者は、男女問わず、貧しくなってしまったのでしょうか?」と思ったのはなぜ?

 

 それをゆっくり考えてください。考えて、考えて、意識に上げ続けることが大切です。

 (その時は逆腹式呼吸をお忘れなく↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 

 すると、きっと新たなゴールが見つかるはず。「みんなが幸せな新しい世界」をコンフォートゾーン(Comfort ZoneCZ)とする、今までは想像すらできなかったゴールが。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 

 釈迦がすごいのは、「空観」と「仮観」のどちらも欠いてはいけないとわかっていたことです。すべてを「空」だと知ったうえで、同時にすべてのものに「仮」の役割を見いだしていくのです。すると、結局のところ、この世の中に何一つ、役割のないものは存在しないということがわかります。この考え方を「中観」といいます。中観こそ、私たちが最終的に目指すべき境地だといってもいいでしょう

 

 みんなが幸せな新しい世界」をCZとするゴールを見つけたときは、すでに「中観」で生きはじめています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 あせらず、あわてず、あきらめず 苦楽を同じように味わいながら、ゴールに向かって突き進んでください。それが生きるということです。

 L-08820213月シークレット… -11コンセプチュアル・フローに隠された“秘密”

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30266822.html

 

どうすれば来るのでしょうか?」はそのうちわかります。ご安心を。

 (「そのうちわかる」理由はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30497354.html

 

 

 最後にもう一言。

 「みんなが幸せな新しい世界はどうすれば来るのでしょうか?」と思える人は、すでに豊かな世界の中にいます。

 あとは足りないピース(新たなゴール)を見つけ、臨場感を高めるだけ。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 その大切な縁起がコーチングです。だから、コーチングを実践し続ければ大丈夫!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

Q-385につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

 ポイントは「自分中心を捨て去る」こと。それは「自分は後回し」「我欲や私心をなくす」「我はないほうがいい」といったことではなく、“自分”の定義をひろげる(=抽象度を上げる)ということです

 

 もしも「自分は後回し」「我欲や私心をなくす」「我はないほうがいい」に違和感を感じないなら、まだまだ洗脳から抜け出せていないのかもしれません。

こちらを確認してください↓

 L-163202201月シークレット… -07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 

 

-告知1

今年度のオンラインセミナーは、コーチング募集開始前の「コーチング説明会」として開催します。

次回は2024825日(日)13:30~15:00の予定。オンラインでのライブ講義に加え、30日間限定の配信も行います。詳細はこちらで御確認ください↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34761055.html

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

  

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