Q-373:やりたいことがあれば現実感は出てくるのでしょうか?

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:どうしても生きている実感が欲しいです。数年前から現実味の薄い日常を生きるようになり、よくそれについて悩んでいました。

日常を送るのに支障はないので問題扱いしなくてもいいのですが、心の奥底では現実感を得たいと思っております。

子供の頃は何もかもが新鮮で、大人になるにつれ感動は少なくなる。やりたいことがあれば現実感は出てくるのでしょうか?

ゴール(自分以外も幸せにすること)、それに紐づく活動(やりたいこと)、やりたいことを見つけるのは難しいです。

 

Aご存じのとおり、私たちが現実だと思っている目の前の世界は「一番臨場感が高いイメージ」にすぎません。つまり、すべて幻想。記憶が織りなす「一人一宇宙」です。

 Q-235:「財布を娘に盗られた」といった被害妄想が? <vol.6:記憶が織りなす

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

その事実は、コーチングにおいて、I×V=R」とプリンシプル化されています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 一般向けには明るく「夢をかなえる方程式」と表現されていますが、コーチングを学べば学ぶほど「I×V=R」の怖さが身にしみるはず。

 L-01020201月シークレット… -10;記憶でつくられる「思い込み」が自由を奪う

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24808708.html

 

I×V=R」が示していることは、「イメージ(イマジネーション)の限界が、その人の限界になる/である」ということだから↓

 L-09820217… -10;イマジネーションによって限界を作り、それを壊すことで新しい世界を獲得していく

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30699999.html

 

 「ならば、いつも夢を思い描けばいい」はそのとおりなのですが、「記憶が織りなす『一人一宇宙』」の記憶とは主に“失敗”の記憶です。その記憶にはネガティブな情動がいっぱい張り付いており、「夢を思い描く」を維持することはなかなかできません。そうですよね?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13397552.html

 

 だから、どうしてもエフィカシーが下がってしまいがち。それがコーチの存在が重要な理由のひとつです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 

 御質問中の「やりたいことを見つけるのは難しい」は、まさにコーチが介入するべきセルフトーク。「~は難しい」という自らの言葉が、「~は難しい」を現実化してしまいます。

やりたいことを見つけるのは難しい」という表現は、コーチング実践者であるあなたらしくはありませんよ。

 Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 先ほどの「『夢を思い描く』を維持することはなかなかできません。そうですよね?」も同じ。

一般的には事実かもしれませんが、「私には当てはまらない」「これからは違う」とはっきり言い切れることが重要です。その心の状態がエフィカシーです。

 

 呼吸を整え、心を落ち着け、今一度イメージしてください

 

 

 目の前の世界は「記憶が織りなす『一人一宇宙』

 

 

 その世界は「言葉(Words)」「映像(Pictures)」「感情(Emotions)」により形作られています。私たちは「言葉」を使って考えていて、その言葉が「映像」を想起させ、その映像が「感情」を生み出します。この3つの軸による思考が「セルフトーク」です。

 Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34026724.html

 

 おそらく、やりたいことを見つけるのは難しい」には、暗く重たい情動が張り付いているはず。「言葉(Words)」「映像(Pictures)」「感情(Emotions)」が一体となって、あなたのセルフイメージ=エフィカシー=コンフォートゾーン(CZ)のレベルを引き下げています。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

 あなただけではありません。それが多くの人にとっての“現実”です。

 

 とくに今の日本においては、お互いがお互いを引きずり下ろし合っています。自分の低いセルフイメージ=エフィカシー=コンフォートゾーン(CZ)のレベルに合わせて相手を引きずり下ろそうとする現状は、「コレクティブ・エフィカシー」のまるで反対です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31049084.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31078775.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31102405.html

 

人類が滅亡するかもしれないレベルで戦いがはじまっているというのに、この国の“国権の最高機関”で議論されるのは「お金(しかも裏金)」の話ばかり。これでは国民のエフィカシーはますます下がり続けるでしょう。

 F-026:最近の研究・調査で明らかになった日本の課題とその解決法

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/8430748.html

 

 情動により抽象度が下がり、お互いに引きずりおろし合うことでさらに抽象度が下がっていくと、ますます低いCZがリアルになっていきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

そんな“現実”に対しての臨場感が下がっていることが、「現実味の薄い日常」という表現にあらわれています。それは「目の前の現実世界(R)を情報(I×V)と感じている」ということでしょう。

F-244:「ゴール」と「現状の自我」の間に臨場感という橋を架ける <vol.1;臨場感>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28857122.html

 

つまり、「『現実という夢』から目覚めた(目覚めつつある)」ということ。だから、肯定的に考えることができます。苫米地博士がよく用いられる表現でいうと「脱洗脳」です。

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

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 コーチング実践者が意識に上げるべきことは、今の「現実(R)」とは異なる、新たな「R’」を生みだすこと。バラダンでの苫米地博士の講義に合わせて言い直すと、今の「可能世界“w”」から、新たな「“w1”」へ移行することです。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 では、まずは何からはじめればいいでしょうか?

 

そう、ゴール設定です。それは「I×V=R」の「I」を作る作業だといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

ゴールを設定しても臨場感が低いままであれば、新たな「R‘」「“w1”」の現実感は乏しいままです。それはエフィカシーが低い(足りない)ことと同じ。

ですので、ゴールを設定したら、次はエフィカシーを上げることに集中しましょう。その際には「共感覚」「プライミング」「トリガー&アンカー」などを活用してください。

 

 *「共感覚」はこちら↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

 

 *「プライミング」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33233344.html

 

 *「トリガー&アンカー」はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/23944294.html

 

 

以下、苫米地博士の著書「15歳若返る脳の磨き方」(フォレスト出版、p123)より引用します。博士が教えてくださる「2つの特徴」を反芻しながら、コーチング実践者にふさわしい「脳の使い方」をマスターしてください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 

IQが高い人の脳の使い方

 IQを高め、脳を若返らせる苫米地流メソッドは次章で披露していきますが、本章の締めくくりとして、IQが高い人がどのように脳を使っているかを紹介しておきましょう。この点を理解しておけば、より積極的に苫米地流メソッドに取り組めるようになると思うからです。

 IQの高い人の脳の使い方は、大きく分けると2つの特徴があります。

 ひとつは、単純な話かもしれませんが、IQの高い人は長時間の思考をしているという点です。

 わが身を振り返っていただきたいのですが、いまのあなたは長時間、考え続けることがあるでしょうか。

 学生時代ならば、卒論を書くために1年間ひとつのテーマを考え抜くという経験をしたと思います。しかし、社会人になって以来、どうでしょうか。1年、少なくとも数ヶ月にわたって、何かを考え続けたことがあったでしょうか。

 新規プロジェクトを立ち上げるために、あれこれ構想し、仕事のプロセスを考え抜いたという経験はあるかもしれません。会社によって異なるでしょうが、じっさいに新規プロジェクトが始動するまでには、半年くらいの準備期間があるはずです。たしかに担当者になれば、その間は寝ても覚めてもプロジェクトのことばかり考えることになります。

 しかし、そのさい必要になる思考は、抽象化ではなく具体化ではないでしょうか。ビジネスですから、まったく新しいパターンの発見を要求されることもないと思います。

 また、すでに述べたように、誰かが過去に同じようなことに携わり、経験知がすでに蓄積してもいます。いくら頭を使って考え続けるといっても、それは私がいう長時間の思考とはちょっと違います。

 この点では、企業の基礎研究所に勤める学者や研究者は有利です。彼らは、ひとつのテーマを1年くらい考えつづけ、実験を行い、新しい理論をつくったり発明したりします。これは、私がいう長時間の思考そのものです。

 しかし、基礎研究職に就くことのできる社会人はほんの一握りにすぎません。ビジネスパーソンのほとんどは、仕事で長時間の思考を行う機会も必要性もないといえます。その状態に甘んじていれば、長時間の思考とは無縁のまま人生を閉じることになるでしょう。

 長時間の思考といえば、学者や研究者にのみ許された特権のように感じるかもしれませんが、本当はそうではありません。

 たとえば、はっきりとしたライフワークを持つ人は、10年、20年をひとつのことに費やし、その間ずっと考え続けます。

 また、フィールドワークを行う人も同じです。

 たとえば、趣味で水生植物や湿性植物の観察を行っている知り合いがいますが、彼は、日本の田んぼや里山について縦横無尽の膨大な知識を持っています。彼の持論は、歴史的に見て水生植物の多様性が日本の農業と食糧を支えてきたというものです。彼は自由になる時間を使い、かれこれ5年以上そのことばかりを考えつづけ、持論のような認識にたどりつきました。これも立派な長時間の思考です。

 数ヶ月、あるいは1年以上の間ひとつのことを考えつづけるには、対象への尽きない興味と、たくさんの知識に基づいた抽象度の高い思考が必要です。

 具体化することばかり考える習慣は、思考に費やす時間をどんどん短縮させる方向に働きます。具体化ではなく抽象化するからこそ、IQの高い人は長時間の思考ができるわけです。

 引用終わり

 

 

 ゴールを設定し、エフィカシーを上げる

それと同時に行うのが「フィールドワーク」。そのフィールドワークに対する臨場感(=ホメオスタシス・フィードバック)の強さが「現実感を保つ」ための鍵です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 そして、want to”に囚われ物理次元に束縛されてしまわないために、「ライフワーク」を持ち続けることが重要。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 「フィールドワーク」と「ライフワーク」のイメージはクリアでしょうか?

 

 「Calling」と呼ばれるような体験をすると、「ライフワーク」を見つけやすくなるかもしれません↓

 F-293:今日1日だけは、憧れるのはやめましょう vol.6;リーダーシップの本質

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31524022.html

 

 私は、「ライフワーク」は空観で体得するものであり、「フィールドワーク」は仮観で実践することだと理解しています。そのふたつを同時に行う「ライフワーク×フィールドワーク」が中観です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 以上より、御質問にシンプルに回答すると... 中観で生きよ!

 

 それは苫米地博士にコーチングを学ぶ者の生き方でもあります。

 F-256:イノベーションがうまれるとき <後編;ゲバラ主義>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29522943.html

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

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