L-167202201月シークレットレクチャー -11(最終回);モーツァルトの音楽を“体感”するワーク

 

20221月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の2回目。3回を通してのメインテーマは「」です

フレームとは、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のこと。苫米地博士は「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

(認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34174778.html

 02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34229897.html

 04;フレーム解体×ゴール設定

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34244552.html

 05;高次元のフレームを構築する=グレインサイズを大きくする

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34284848.html

 06;ゴールを見つける近道

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34301571.html

 07;「ゴールを見つける近道」に仕込まれた洗脳

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34339393.html

 08;コーチングによる〇〇〇〇〇〇〇の結果として起こること

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34355540.html

 09;「自分中心を捨て去る」とは

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34392486.html

 10;呼吸を意識に上げてコントロールするワーク

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34408574.html

 11;モーツァルトの音楽を“体感”するワーク

 

 

ラスト2回は実践編です。「可能世界 w から別の w1 へ移行」するため基礎的ワークを紹介します。ぜひ“初心”に立ち返って取り組んでください。

F-265:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.9;“初心”とは?>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30002338.html

 

 前回(L-166/10)は「呼吸」を取り上げました。

呼吸は人間の生命維持に必要なホメオスタシスのなかで最も重要であるにもかかわらず、意識に上げてコントロールすることができます↓

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/24281579.html

 

そのため「意識をホメオスタシスに介入させる窓口」として呼吸を利用することが有効です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 意識をホメオスタシスに介入させた後に行うのは「共感覚」!

 Q-369~:共感覚がなかなかうまく実践できません

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_428764.html

 

 以下、苫米地博士の著書「モーツァルトの奇跡! “重ね聴き”脳力開発法」(宝島社、p8)より引用します。

 

モーツァルトの奇跡! “重ね聴き”脳力開発法

 

 

天才モーツァルトを知る7つのキーワード#2 共感覚

音を見、色を聴く ― 光の音楽を生んだ感性

 

ある知覚から別の知覚を生じる

 なぜ、モーツァルトは音を使って光の世界を表現することができたのでしょうか。それは、モーツァルトが共感覚者だったからです。

 人間には、視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚という5つの知覚があります。いわゆる五感です。この五感で、ある知覚が別の知覚を生じさせる現象のことを共感覚といいます。

 たとえば、聴覚が視覚を生じさせる共感覚では、ある音を聴いたとき「この音は銀色で丸い」というように音が形で見えることになります。聴覚が味覚を生じさせると「この音は甘い」というふうになりますし、触覚につながると「この音はザラザラしている」というように感じられます。「この音はザラザラしている」というとザラついた音質を比喩的に表現していると思われるかもしれませんが、そうではなく、共感覚では肉体的な感覚として「ザラザラしている」と感じられるのです。

 子供の頃は知覚がまとまっており、誰もが共感覚を持っています。成長するにつれて知覚が分化していき、共感覚が失われるのです。大人になっても味覚と嗅覚は比較的近いところにあるので、みなさんもその感覚はなんとなくわかるのではないでしょうか。

 共感覚にもさまざまなものがありますが、音を聴くと光が見えるのが光共感覚です。モーツァルトは、この光共感覚をもっていました。ですので、自分が見ていた光の世界を音に置き換えることができました。光共感覚がなければ、決して光の世界を音で表すことはできなかったでしょう。

 

光共感覚を保ったまま育つ天才

 ただ、こうした光共感覚自体はめずらしいものではありません。長時間、音楽に接しながら成長すると、大人になっても光共感覚を保つことがあります。

 クラシックの世界では、幼少の頃から楽器を長時間練習するのが当たり前です。これは、昔も今も変わりません。モーツァルトがクラヴィア(鍵盤楽器)のレッスンを始めたのが4歳のとき。ベートーヴェンもショパンも、4歳でピアノのレッスンを始めています。

 現在でも、ショパンコンクールの予選をめざすような人は、小さいときから18時間ほどピアノを練習しています。本選ではなく予選に出るだけでこの練習量ですから、すさまじい世界ですよね。

 このように子供の頃から長く音楽に接していると、光共感覚になるケースが多くあります(私自身は生得的な光共感覚者で、あらゆる音が立体的な光として見えます)。

 ですので、モーツァルト以外のクラシックの作曲家にも光共感覚の人が少なからずいたはずです。そのような作曲家には、音が光として見えていました。自分が作曲した曲が演奏されると、光の世界が立ち上がったことでしょう。

 しかし、そうした作曲家には表現すべき光の世界があらかじめ見えていたわけではありません。作った曲が結果的に光の世界となっただけです。ですから、光の世界を音楽で表すこともなかったのです。

 モーツァルトには、表現すべき光の世界が見えていました。そして光共感覚を使い、その世界を音に置き換えていったのです。

 引用終わり

 

 

 モーツァルトには、表現すべき光の世界が見えていました。そして光共感覚を使い、その世界を音に置き換えていったのです

 

 そんなモーツァルトの音楽を“体感”することが今回のワーク。

 

 苫米地博士は「モーツァルトを聴くだけでIQが上がる」と語られていますが、その理由はクリアでしょうか?

 

 鍵となるのは「ドーパミン」です。ドーパミンは「心地いい」「楽しい」といった感情をもたらす神経伝達物質のこと。

 モーツァルトの音楽を聴くと、中脳の腹側被蓋野(ふくそくひがいや、VTAVentral Tegmental Area)というドーパミン神経系の拠点が刺激されます。腹側被蓋野が刺激されるとドーパミン分泌(放出)がおこり、腹側被蓋野の先にある腹側線条体の側坐核(そくざかく、NAccNucleus accumbens)が刺激されます。

側坐核は快楽や幸福感を司る部位なので、そこが刺激されることで「心地いい」「楽しい」といった気分になっていきます。

(「ドーパミン」について、詳しくはこちらでどうぞ↓)

Q-281~:ドーパミンの分泌をコントロールまたはどの程度分泌されているか分かるようになるのですか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422146.html

 

 今、「なぜモーツァルトなのか?」と疑問に思っているのでは?

 

 その理由として、苫米地博士は「モーツァルトの音楽が持っている情報量の多さ」を挙げられています。その「情報量の多さ」の根拠が「倍音」です。

 博士によると、モーツァルトの曲は倍音が精密に設計され、倍音同士の干渉にいたるまで細かく計算されているそう。そのため描かれている世界の精度が非常に高く、他の作曲家の作品より情報量が多いのだそうです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/12340209.html

 

 ここで注意するべきなのが、「情報と知識は違う」こと。

 L-10320218月シークレットレクチャー -05;知らないことを見える化する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31263124.html

 

 いくら情報量が多くても、脳は意味のない情報は処理しようとしません。スコトーマに隠れるから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 モーツァルトの音楽は完璧に統合された“意味のある情報”であるため、聴くだけでたくさんのドーパミンが分泌されるそうです。その“意味のある情報”とは「ゲシュタルト」のこと。反対に「ゲシュタルトが意味を決める」ともいえます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 そんなモーツァルトの音楽を聴きながら、さらにドーパミン分泌を加速する方法があります。それが「ゴール(の世界)」のイメージングです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 ゴールの世界を思い描き、さらには共感覚を用いて体感しながら、モーツァルトを聴く!

 

 それが「可能世界 w から別の w1 へ移行」するため基礎的ワークです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 モーツァルトを“体感”したら、あらためて「新たな『フレーム=BS別の w1)』を再構築」に取り組んでください。きっと今まで以上に“豊かさ”を感じられるはずです

 (その理由はこちら↓)

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 

 まずは過去の記憶でつくられた「これまでの『フレーム=BS可能世界w)』」を解体

→ スコトーマが外れる

→ 新たなゴール設定

→ 高い次元に「新たな『フレーム=BS別の w1)』」を再構築

=グレインサイズが大きくなる

=ゲシュタルトを統合

=抽象度が上がる

 → 人生がますます豊かになる

 

 

あらためて伺います

「囚」を見て、どのようなイメージが浮かびますか?

 

 

2021年11月シークレットレクチャー2

 

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記1

 モーツァルトの楽曲を用いた応用的ワークを紹介します。

 

 前々回(L-165/09)、「可能世界 w から別の w1 への移行を促す」ためには、コーチ自身が1)無意識のうちに全体像を身体的に感じて、2)複数のことを同時進行で考えながら、3)瞬時にオリジナルの考えを導きだせる ことが必須であると書きました。

 L-10720218月シークレットレクチャー -09;「I×V」とは〇〇

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31370555.html

 

 その感覚をマスターするためのワークです。「モーツァルトの奇跡!」(宝島社)内で紹介されているワークをまとめます。

 

 STEP1:音と動きをイメージする>

 -個々の楽器の音をイメージできる」ことが目標

-まずは弦楽器、金管楽器、木管楽器、メロディ系打楽器(ピアノなど)、リズム系打楽器(ティンパニーなど)の各カテゴリの楽器の音の出方、響きの特徴をつかむ

-そして、音色や音の響き、揺らぎを脳と身体で体感する

 -さらには演奏者の動きも。「すべての芸術は身体表現。身体をリアルに感じられると、その芸術に対する理解が深まる」by苫米地博士

 

STEP2:メロディラインを聴き分ける>

 -交響曲や室内楽では複数のメロディが同時に進行している

例:主旋律:ヴァイオリン、副旋律:フルート

 -モーツァルトの曲を聴きながら、複数のメロディラインを聴き分ける

 -同時に、演奏者の動きや、その動きによって音が楽器や演奏者の身体に響いて振動しているところをイメージする

 -モーツァルトの曲という抽象度の高いものを、まず個々のメロディという低い抽象度でとらえることを意図している

 -「複数のものを並列して捉える能力」や「物事を分解する能力」が刺激される

 

STEP3:メロディを別の感覚に置き換える>

 -共感覚者になるトレーニング

 -モーツァルトの曲を聴きながら、(例えば)色をイメージする。例えば

  「ヴァイオリンが弾いたメロディは水色」

  「フルートのこのパートは赤から青へのグラデーション」

  「ピアノが弾いているこの和音は濃い緑色」

 -モーツァルトの楽曲がもつ抽象的な世界の臨場感が高まる

  →モーツァルトが描こうとした世界がくっきりと像を結び、自分の身体で触っているようにリアルに感じられるようになる

 

STEP4:ゲシュタルトをつくる>

 -聴き分けたメロディラインを再統合してゲシュタルトをつくる

  =楽曲をひとつの総体として味わう

 -抽象度を上げて楽曲をアートとして体感することが目的

 -抽象度の高いモーツァルトの楽曲がアートとして体感できれば、IQは飛躍的に上がる

 

 

-追記2

 さらなる応用的ワークは「モーツァルトの重ね聴き」。苫米地博士の著書「聴くだけ! クラシック音楽で脳が目覚める」(ペダルファーブックス)に詳しくまとめられています。重ね聴き音源(CD)付きです。

 

聴くだけ! クラシック音楽で脳が目覚める

 

 

-追記3

 究極のワークはDVDCD教材「『悟り』への道」(Club Tomabechi)で。

CDdisc2)に収録された「シンフォニア/悟り、その先へ」は、モーツァルトに加え、苫米地博士の「ダヴィンチ脳音源Ⅱ・Ⅳ」を含む11曲が重ねられています。

圧倒的悟り体験により、さらなる“現状の外”が感じられるはずです。

Q-209:「“現状の外”のゴールの体感」とはどういうのが正しいのでしょうか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/26877574.html

 

 

-告知1

2024年度のオンラインセミナーは、8月とR7.2月に開催する予定です(変更しました)。

セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明と募集の御案内を行います。

開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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