L-159202201月シークレットレクチャー -03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

 

20221月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の2回目。3回を通してのメインテーマは「」です

フレームとは、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のこと。苫米地博士は「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

(認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34174778.html

 02;フレーム=BS(囚)問題

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/34191211.html

 03;フレーム解体×ブリーフシステム(BS

 

 

 今回のメインテーマ「」とは、「フレーム」のこと。

 私たちはあるフレーム()を作ってその中だけで思考するわけですが、同時にフレームに囚われています。そのフレームとは、ブリーフシステム(Belief SystemBS)のことでもあります。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

 ブリーフシステム(BS)とは、「自分はこういう人間だ」「世界はこうなっている」といった、信じて疑うことのない固定的な思考のこと。「信念」や「こだわり」と呼ばれるものは、BSのあらわれです。

 Q-169~:自身の信念を失いそうです

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_406747.html

 

 「世界を平和にしたい」「未来のために行動するべき」といった社会的にプラスな思考だけでなく、「この世はお金がすべて」「お金さえあれば何をしても許される」といった差別的な思考も、「信念」であり、「フレーム」であり、BS)です。

 PM-06-13:仮説08)はびこる差別意識

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14249741.html

 

 もともとBS自体が過去の記憶でつくられています。具体的には「情動を伴った体験の記憶」と「抽象化された情報の記憶」。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

とくに情動記憶は、その人の信念に強く影響し、強固な認識のパターンを生みだします。認識のパターンとは、「何を認識し(RASを通過)、何を認識しないか(スコトーマに隠れる)」を決めるもの。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

つまり、目の前の世界そのものが、各自のBS次第ということです。

 L-066202011月シークレット… -01目の前の世界はすべて〇〇でつくられている

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28908637.html

 

 繰り返しますが、ブリーフシステム(BS)自体が過去の記憶でつくられています。そして、そのBSが目の前の世界を生みだします。ということは

 

昨日までの記憶で今日を生き、過去の延長として明日を迎える

 

私たちはいつまでも過去に囚われ続けたまま。だから「フレーム=BS)」です。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542317.html

 

その結果、「自分はこういう人間だ」「世界はこうなっている」という個々人が強く信じて疑うことのない固定的な思考=信念は、自身の中でどんどん“絶対化”され、日に日に強化されていきます。この世に(あの世にも)“絶対”などないというのに。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194669.html

 

自身の中でどんどん“絶対化”されていく

 

これはとても危険なことです。なぜなら、前回(L-158/02)確認したとおり、フレーム=BS)は行動の枠組みでもあるから。

ハビット&アティテュードと呼ばれる無意識下の行動(性向)を制御しているのは、昨日までの記憶で作られたブリーフシステムです。

L-09620217… -08;ブリーフシステムとハビット&アティテュードと抽象度の関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

 

 それは 自我そのもののマップ!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353425.html

 

 その「自我そのもののマップ」=世界観が目の前の世界を生みだしています。一人一宇宙として。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353367.html

 

 その世界(一人一宇宙)の中で「自我そのもののマップ」のままに行動し続けるのは、自由ではなく、「無人運転」。よくて「自動運転」です。だから

 F-089~:無人運転と自動運転の違い ~シーサイドライン逆走に思う~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_369873.html

 

 本質的に人は不自由

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/10400987.html

 

 この事実を、まずはしっかり認識すること。その上でのコーチングです。

 L-148202111月医療系研修会 -03;「ゴール側の世界(w1)の臨場感を維持し続ける」ための鍵

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33745283.html

 

 コーチングとは、「自身の自由意思で見いだしたゴール側から、『フレーム=BS(囚)』を再構築していく」こと。そのために、まずは「現状のフレーム」を解体していきます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 では、「現状のフレーム」を解体してスコトーマを外し、より高い次元のフレームを再構築していくために、何を心がければよいでしょうか?

 

 以下、苫米地博士の著書「超『時間脳』で人生を10倍にする」(宝島社、p102)より引用します。「フレーム解体」の“ちょっとしたコツ”をマスターしてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 

現状のフレームを解体するためには?

 多くのビジネスマンは、

 〇「営業職のフレーム」「総務職のフレーム」「企画職のフレーム」など職種ごとのフレーム

 〇「A社のフレーム」「B社のフレーム」「C社のフレーム」など会社ごとのフレーム

 にはめ込まれて、仕事をしています。

 特定のフレームが生まれてしまうと、その他のフレームの存在が見えなくなり、自分が属するフレーム以外の処理ができなくなります。結果として、処理できるタスクの数が限られてしまい、全体として見たときにタスクの処理スピードは遅くなってしまいます。

 そこで、今のビジネスマンがやるべきことは、「現状のフレームを解体することでスコトーマを外し、より高い次元のフレームを構築する」ことです

 そのためにはまずは、

 ・自分のフレームを疑う

 ・幅広い知識・関心をもつ

 という二つのことが必要です。それぞれについて、以下に解説します。

 

 □自分のフレームを疑う

 まずは常に自分のフレームを疑う姿勢をもってください。

 「このフレームは本当に正しいのかな」「ほかのフレームがあるんじゃないのかな」と考え続けることが大切です。

 フレームが強くなればなるほど、人はそのフレームに束縛され、行動を制限されます

 たとえば、今の世の中、大企業が赤字を出したり、人員を削減したりして、次々と倒産をしています。「大企業で働くこと=安定した生活」という図式は、もはや過去のものです。

 しかし現実はどうでしょう。いまだに「一流大学に進学して、上場企業・有名企業に就職することが人生の成功だ」というフレームを信じている人がたくさんいるし、そのフレーム通りに行動している人があまりに多すぎる。それは、「一流大学に進学して……」というフレームがあまりにも強烈すぎて、ほかの生き方、ほかの価値観に想像が行きつかないのです。

 オレオレ詐欺に引っかかる高齢者も同じです。一度「電話をかけてきたのは息子だ」→「息子は今すごく困っている」→「私が助けてあげないと!」という強烈なフレームが生まれてしまうと、どれだけ銀行員が「絶対詐欺ですから」と説得しても、脳がその説得を聞こえなくしてしまうのです(聞こえているとしても、脳が必要のない情報としてとらえるため認識しない)。

 だから、これだけオレオレ詐欺は社会問題に発展して、みんなが口をそろえて「気をつけましょう」と言っているのに、引っかかってしまうのです。

 また、過去に大きな成功を手にしている人や組織ほど、過去の成功をもたらしたフレームが強固なものとなり、ほかのフレームに目が向かなくなります。気付いたら時代に取り残されていたということにもなりかねません。

 旧財閥系の古い体質の企業などでは、いまだに稟議書を挟み板で回していたり、お茶くみ当番が決まっていたりと、おかしなしきたりがたくさんあります。でも、社内にいる社員たちは「これがうちの会社のやり方だ」「この方法だからこそ、今の繁栄があるんだ」と思い込み、変えようともしません。というか、そもそもほかのフレームがあることさえ、気付いていないのでしょう。

 経団連も過去のフレームに囚われて、スコトーマに陥っています。

 経団連は、昭和30年代の高度成長期に成功した輸出型企業が中心になっています。経団連の社長たちは「昭和30年代の経済右肩上がりの時代の考え方・方法論が正しいんだ」というフレームが外せないでいます。

 しかし、昭和30年代と今では、経済状況も人びとのニーズも変化しています。今の円高の世界経済の中では、彼らのフレームはほとんど役に立ちません。

 にもかかわらず、過去に大きな成功をつかんでしまった分、フレームはより強固になり、ほかのフレームで仕事をしようという発想にならないのです。だから日本の経済は苦しみ、行き詰まっているのです。

 打開策は簡単です。経団連の社長たちが自分たちのフレームをいったん解体し、今の時代にふさわしい新しいフレームをもてばよいのです。

 普通のビジネスマンも同じことです。

 多くの人は、上司から教えられたり、自分なりに工夫して、フレームを構築します。

 今までそのフレームで滞りなく仕事を処理していたならば、あなたはきっと

 「このフレームに従って仕事をすれば問題は起こらない」「このフレームは絶対だ」と信じ込んでしまっているでしょう。

 それこそ「スコトーマ」なのです。

 はっきり言いましょう。

 「あなたのタスク処理のスピードは遅すぎます!

 「もっと効率的なタスク処理のフレームは、必ず存在します!

 まずは自分のフレームを疑ってください。

 引用終わり(この続きは次回引用します)

 

 

 フレーム解体のポイントの1つは、「自分のフレームを疑う」こと。

 F-263~4:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.7~8;「知の呪縛」から抜け出すための逆向きのスコトーマ外し>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29906587.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29951903.html

 

 ここで重要なのは“気楽に取り組む”ことです。これまでのフレーム=BSを強く否定したり、「必ず変えよう」などと意気込むと、なかなかうまくいきません。

だから気楽。その気楽が“ちょっとしたコツ”です。

 F-109:気楽

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19980130.html

 

L-160につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-追記-

フレーム解体のポイントの1つは、「自分のフレームを疑う」こと。ここで重要なのは“気楽に取り組む”ことです。これまでのフレーム=BSを強く否定したり、「必ず変えよう」などと意気込むと、なかなかうまくいきません

 

 その理由は?

 

 そう、これまでのフレーム=BSを否定するとエフィカシーが下がりやすく、「必ず変えよう」と意気込むとhave toになりがちだから。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5616012.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5882609.html

 

 だから“気楽”♪

 F-072:「糖尿病リスク予測ツール」に思う vol.2;わかっちゃいるけどやめられない♪

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/15394923.html

 

 *さらに根本的な理由(RCARoot Cause Analysis)はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html

 

 

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(セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明を行います)

セミナー開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

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 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

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