L-157202201月シークレットレクチャー -01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 

20221月にコーチ向けのレクチャーを行いました。守秘義務を結んだ上で行う全3回の講義の2回目。3回を通してのメインテーマは「」です



2021年11月シークレットレクチャー

 

 

当日の講義内容をブログ用に再構成してお届けします。

 リラックスを深めながら、気楽にお読みください。

 F-284~:気楽 ver.2

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_424593.html

 

 *初回の講義はこちら↓

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_427369.html

 

 01;フレームとは、認識の枠組みであり、行動の枠組み

 

 

 メインテーマ「」とは、「フレーム」のこと。

 フレームは、「人工知能の父」と呼ばれるマービン・ミンスキー(Marvin Lee Minsky1927~2016年)が提唱した概念で、「ある知識を表現するための知識の単位とその結合方法」のことです。

そのフレームを、苫米地博士は「その状況、現象、事物の特徴などを、逐一、記述していく方式で物事を定義していく方法論」と表現されています。

(認知科学から苫米地理論への流れはこちらでどうぞ↓)

 Q-349:認知科学の次のパラダイムとは?

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32909282.html

 

 フレームとは、「認識の枠組み」のこと。フレームを持たないと、人はうまく情報を認識することができません。それを「スコトーマに隠れる」「スコトーマが外れない」などと表現します。

ちなみに、スコトーマを外すことができるのは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)がそろったときです。つまり

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721610.html

 

 人は知らないことは認識できない

 

例えば、普通に文章を読むだけでは、「情報」は得られても、「知識」はなかなか得られません。それなのに、なぜ私たちは学習できるのでしょう?

 PM-05-06~8そもそも教育とは?-3)学習を促進する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9367702.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533528.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/9533623.html

 

 答えは「ゲシュタルト能力がある」から。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

ゲシュタルトができると、知識がないものも認識することができます。苫米地博士は「知識とゲシュタルトを組み合わせた『文脈』の中で認識が生まれる」と話されています。

L-10320218月シークレットレクチャー -05;知らないことを見える化する

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31263124.html

 

人は、物事を解決するにあたって、「関連することだけをふるい分けて抽出し(RAS)、それ以外の事柄に関しては無視(=スコトーマに隠す)して思考する」という能力を持っています。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721658.html

 

つまり、ある枠組みを作って、その中だけで思考することができるということ。その「枠組み」がフレームです。

Q-235:「財布を娘に盗られた」といったvol.6:記憶が織りなす「一人一宇宙」>

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27981625.html

 

そのフレームとは、認識の枠組みであるだけでなく、行動の枠組みでもあります。行動の枠組みの中にはさらにいくつもの小さな枠組み(サブフレーム)があり、それらの選択の組み合わせにより実際の行動が決まっていきます。

例えば、「昼食にラーメンを食べる」という場合、「昼食」に関するたくさんの記憶が「昼食フレーム」を構成しており、「ラーメン」に関する記憶がいくつもの「ラーメンフレーム」をつくっているという感じ。

その中から「この前とんこつだったから、今日は味噌だな」とか、「眠くなるから軽めにしよう」「給料日前だから安くすまそう」などとサブフレームが選択され、「コンビニでカップ味噌ラーメンを食べる」という行動が選ばれる

それが「フレームの選択により行動が決まる」ということです。

 F-260:不満と傲慢のはざまで苦しんでいる君へ <vol.4;「Connecting the dots~ゲシュタルト、フレーム、スクリプト~

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/29738652.html

 

 「関連することだけをふるい分けて抽出し(RAS)、それ以外の事柄に関しては無視(=スコトーマに隠す)して思考する」というフレームは、コーチングにおいてとても重要です。なぜでしょうか?

 

 以下、苫米地博士の著書「その検索は止めなさい 欲しい情報が一瞬で手に入る超速フィルタリング脳の作り方」(主婦と生活社、p28)より引用します。キーワードは“思考”。

ぜひとも「RAS」に関するゲシュタルトを再構築してください。Feel

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/7383761.html

 

 

RAS(ラス)のからくり

 情報収集をするうえで、なぜ収集するよりも放出することのほうが大切なのか?

 それはRASの機能に大きく影響しているからです。

 私の本の読者ならご存じだと思いますが、RASというのは、あなたにとって重要な情報を自然に集めてくれる脳機能のことです。例えば、韓国旅行を計画した途端に韓国に対する情報(電車の中の中吊り広告の韓国特集や、新聞の韓国の記事など)が目につくようになるのはRASの機能によるものです。

 では、なぜ韓国情報が自然に目につくようになったのでしょうか? それはあなたが韓国情報は「重要だ」と判断したからです。

 ではRASはどうやって、それを重要だと決めたのでしょうか? たいていの人は「それは韓国に関する情報に触れて、興味を持ったから決めたんだ」と答えるのではないかと思いますが、実はちょっと違うのです。

 「韓国に関する情報に触れて、興味を持ったと“あなたが発信した”から韓国の情報は重要だと決まった」のです。

 つまり、最初に情報を発信したのはあなたなのです。

 これはどういうことかといえば、あなたが韓国に興味を持つ前は、韓国情報は「この世に存在していなかった」からです。

 もちろん、現実的には韓国情報は昔からあふれるように存在していました。しかし、あなたは、韓国に関心を持つまで、その情報に興味を持たなかったはずです。関心がなければ、存在しないのと同じ。だから、あなたが興味を持つまで「あなたにとって韓国情報はこの世にはなかった」というわけです。あなたの脳が韓国情報を意識できるようになったのは(=RASが重要と判断するようになったのは)、あなたが「韓国ってなんか面白そうだ」と決めたからです。

 たぶん、ここで「いやいや、先に韓国情報を収集したから、韓国ってなんか面白そうだと判断したんじゃないか」という反論が出てくるでしょう。

 確かにそうなのですが、「韓国ってなんか面白そう」と思ったのは、その情報を自分の脳機能を使って「思考」した結果です。先ほどからいうように、大切なのは「思考」するということなのです。

 これは逆の場合を考えればもっとわかるでしょう。

 つまり「思考」がない情報がどんなものかということです。

 それは、よく飲み屋でオジサンたちが語っているウンチクです。前日に見たテレビの情報番組、あるいは新聞雑誌などで見知った「情報」という名のマメ知識を、部下たちを相手に披露する。これが「思考」なき情報のいい例です。

 もうひとつ、ある女性雑誌では毎年、読者が選ぶ好きな男性タレントを発表していますが、ここ10数年はずっと同じタレントが1位を取っているようです。選んだ人たちがそのタレントの熱狂的なファンだったり、「演技が好き」など好きな理由があるなら問題はないのですが、実は彼を選んだいちばんの理由は、「好きなタレントとして毎年選ばれているほどだから、やはりこの人しか考えられない」というものだったのです。ここにも情報に対する「思考」はありません。あるのは思考停止です。

 

 以上のことを踏まえて「情報とは何か」というものが見えてくるのではないでしょうか?

 情報とは、あなたが意識するまでは単なるデータです。目の前に無数に存在するのに、まったく気がつかない空気のような存在です。

 しかし、いったん興味を持ったならば、毎日見ていたモノの中からすら新情報発見ということも可能なのです。昨日見たはずの中吊り広告の中に、雑誌記事の中に、いつも会話を交わしている同僚の言葉の中に、あなたがついさっき興味を持った事柄に対する情報が含まれているのです。そしてその情報は、実はあなたが「思考」という形で発信し始めたから、入ってくるようになったということです。これが情報というものです。

 

 ちょっと整理してみましょう。

 1. 情報とはあなたが意識するまで単なるデータである。

 2. 情報発信とは「思考」である。

 3. 「思考」を発信する場所は抽象空間=脳内である。

 4. 情報は発信することによって収集できる。

 

 ということになります。

 情報のやり取りというのは自分が情報を出すからフィードバックがあるわけで、一方的に自分が受け取るだけというのはありえないということです。それが情報の普遍的ルールというわけです。

 もうひとつ例を出しましょう。

 いま、ある人がお金持ちになりたいと決めました。なぜなら、財布を開けたら、空だったからです。銀行口座を見たら、残高がなかったでもいいですが、とにかくその人はお金がないという情報を環境(=世間、もっといえば、レジにいた店員など)に対して出した瞬間、「金持ちになろう」と決めたのです。そして、金持ちになるのが重要だと決めたその人のRASは、そこからお金持ちになるための情報を拾うようにセットされるというわけです。

 引用終わり(この続きは次回引用します)

 

L-158につづく)

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ     

苫米地式認定マスターヒーラー     

 CoacH T(タケハラクニオ)    

 

 

-告知1

2024年度のオンラインセミナーは、6月と11月に開催する予定です。

(セミナー冒頭でパーソナルコーチングの説明を行います)

セミナー開催1ヶ月前に、このブログで御案内いたします。

 

 

-告知2

 クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。

一緒に楽しみましょう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html

 

 

-関連記事-

F-311:デジタル自傷行為 <case-side -1;ブリーフシステム・RAS&スコトーマ>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32477117.html

L-09620217月シークレットレクチャー -08;ブリーフシステムとハビット&アティテュードと抽象度の関係

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30652206.html

Q-279~:今までRASとスコトーマは「認識しているものの中から何を選ぶか?」という話だと思っていました

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_422026.html

Q-322~3:速いスピードで移動した人は長生きできるって言いますよね? <vol.4~5:「体感時間」を拡張するための4つの要因>

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31746698.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31785852.html

 

 

その検索はやめなさい

Kindle版はこちら↓

その検索はやめなさい | 苫米地英人 | マーケティング | Kindleストア | Amazon