Q-368:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです

 

御質問をいただきました。ありがとうございます。

 その一部に回答いたします。

 (変更を加えています)

 

Q:アファメーションとセルフトークの関係を知りたいです。

セルフトークの一部がアファメーションでしょうか?

発する言葉を管理するのがセルフトークの管理だと思っていたのですが、下記、動画(←残念ながら、現在は視聴できなくなっています)によりますと、苫米地博士は「言葉にならないものも管理するように心がけなさい」と仰っています。

そうしますと膨大な量になりますし、まずはラベリングから始めて、ネガティブな情動に気づき、徐々に減らしていくという方向性でいいのでしょうか?

 

 

A:御教示いただいた動画を確認いたしました。私自身大切なことを学び直すいい機会となりました。ありがとうございます。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6353044.html

 

動画の中で、苫米地博士は「セルフトークは広い意味でのアファメーション」と表現されています。ここでいう「広い意味」とは、「抽象度を上げると」という意味。抽象度を上げるほど、具体的な情報量は減りますが、潜在的な情報量は増えていきます。「潜在的な情報量」を「可能性」「可能世界」と置き換えると理解しやすいかと思います。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html

 

 

潜在的情報(可能世界)と物理空間

 

 

私のイメージとしては、無意識も含めた思考そのものが「セルフトーク」で、意識にあげてゴール側のコンフォートゾーンを言語化する技術が「アファメーション」です。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6040892.html

 

抽象度でいうと、セルフトーク>アファメーション。セルフトークがアファメーションを包摂している感じです。

 Q-276~:セルフトークのマネジメントについて

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_421937.html

 

 以下、苫米地式コーチング認定グランドマスターコーチ 田島大輔さんの著書「マインドの教科書」(開拓社、p292)より引用します。「無意識も含めた思考そのものが『セルフトーク』」の“意味”を感じてください。Feel

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6193912.html

 

 

マインドの教科書

 

 

思考の3つの軸(Three Dimensions of Thought

 人が思考する時の言葉・映像・感情からなる3つの要素。

 

 人間は「言葉(Words)」と「映像(Pictures)」と「感情(Emotions)」という3つの軸によって思考しています。私たちは「言葉」を使って考えます。その言葉が「映像」を想起させます。そして、その映像は「感情」を生み出します。人間は、この3つの軸で常に自分自身に話しかけています。この3つの軸による思考を「セルフトーク」といいます。

 この思考体系は、別の言葉では「アファメーション」ともいいます。アファメーションとは「事実として認識したことを宣言する」ことです。「信念について述べる」こととも言えます。ここでの「事実」とは実際の事実とは限りません。人間の『無意識』は、自分自身に事実として認識したことを真実としてそのまま受け入れます。

 アファメーションのプロセスは、人間がこの3つの軸で思考することを応用した技術です。

 引用終わり

 

 

 アファメーションのプロセスは、人間がこの3つの軸で思考することを応用した技術

 

 3つの軸で思考すること」がセルフトーク。「映像(Pictures)」と「感情(Emotions)」が含まれていることからわかるとおり、脳の言語野(運動:前頭葉、感覚:側頭葉)での情報処理に限らず、視覚野(後頭葉)や大脳辺縁系なども含む脳全体の情報処理がセルフトークです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/28959379.html

 

 対して、アファメーションは「3つの軸で思考することを応用した技術」。抽象度が上がる方向性の理論に対して、技術はより具体的なものです。抽象度の低い情報空間(その底面が物理空間)で「役に立つ」ことを目的としているのが技術であるはず。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html

 

 アファメーションは「信念について述べる」こと。ここでいう「信念」とは、「ブリーフシステム(Belief SystemBS)」のことです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5721531.html

 

アファメーションという技術を用いた「役に立つ」とは、ブリーフシステムを「現状(←過去の記憶でつくられている)」から「ゴール側(←未来の記憶でつくる)」に書き換えることだといえます。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5615935.html

 

 

 ここからはとくに重要な部分です。ゆっくりと読み進めてください。

 

 

 苫米地博士は「オーセンティック・・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp104)の中でこのように書かれています。

 

 ブリーフシステムを変えるときには通常、言語を利用します。言語によってスコトーマをコントロールするわけです。

 といっても、コーチがクライアントに対してさまざまな指示を出すということではありません。

 

 この部分はクリアですか?

 

 「コーチングは非言語」であり、言語でコントロールすることは厳禁です。そもそもコーチがクライアントをコントロ-ルすること自体がNG。コーチはクライアントのコンテンツには一切関わりません。

それなのに「言語を利用する」「言語でコントロールする」というのは?

 

 以下、「オーセンティック・コーチング ~本物のコーチング~」(CYZOp111)より引用します。「ブリーフシステムを変えてスコトーマをコントロールするのに言語を利用するが、言語でコントロールしてはいけない」をしっかり理解してください。Feel

 

 

◎ブリーフシステムを変える“言葉”

 本当のコーチは基本的にブリーフシステムを変えるためにおしゃべりなんかしません。しない理由は明白で、効果がないことを知っているからです。

 仮に、コーチがセッションの途中で「その生き方は間違っています。そのゴールは間違っています」と言ったとしましょう。実際にはそんなことをコーチは決して言いませんが、仮に言ったとしても、それを聞いたクライアントがコーチの言う通り、生き方を変えるでしょうか?

 十中八九変えないでしょう。

 他人から「生き方を変えなさい」と言われて「はい。変えます」と即答する人はいないのです。上手な言い方をすればいいとか、話し合うことで答えが見つかるなどということはありません。他人の言葉では人は変わらないのです。もし変わったのであれば、それは誘導です。

 では、誰の言葉なら変わるのでしょうか?

 変わるのは、自分の言葉です。自分が心から「絶対に変わるんだ」「変わりたい!」と思うからこそブリーフシステムは変わるのです。

 私がさきほどから言っている“言葉”とはコーチの口から出る言葉ではありません。クライアントの内なる言葉=内省言語のことを言っているのです。

 コーチの仕事とはクライアントの内省言語を喚起させることなのです。

 さきほどから言っているように「さあ、これからゴールを設定しましょう。ただし、ゴールは現状の外ですよ。どんなゴールを設定しますか?」と質問したところで明確な答えは返ってきません。

 仮に返ってきたところでほぼ現状の内側です。そこで現状とは何かを説明しても、やはり同じです。現状の外側は現状の内側にいる限り、見えないのですから、やはり変えられません。

 ですから、コーチが語りかける言葉は無力なのです。いえ、これはコーチに限ったことではありません。セラピストやカウンセラー、精神科医にしても変わりません。言葉で他人は変わりません。

 催眠術師の言葉で味覚が変わったりするのは、被催眠者のほうに催眠にかかりたいという意識があり、催眠術師も彼らの気持ちを理解しながら術を進めているから味覚が変わるのです。

 しかし、コーチングではクライアントを現状の外側に引っ張り出そうとします。現状とは言葉を換えれば慣れ親しんだ場所です。そこから出ていかせようとすれば、強烈な反動が意識でも無意識でもやってきます。

 その反動をコーチが言葉でひっくり返してクライアントを現状の外側に誘導するなんてことはできないのです。

 私が常々、「コーチングは非言語ですよ」と繰り返すのは、これが理由です。

 引用終わり

 

 

 変わるのは、自分の言葉です。自分が心から「絶対に変わるんだ」「変わりたい!」と思うからこそブリーフシステムは変わるのです

 

 厳密にいうと、「絶対に変わるんだ」「変わりたい!」はセルフトークの第3段階。その段階(決意)のままであれば、ブリーフシステムを変えることはまだまだ難しいでしょう。

 Q-103:あがり症は克服できますか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19152931.html

 

 それほどまでにブリーフシステムを変えることは困難なこと。だから、本物のコーチ(Authentic Coach)との縁が重要です。

 F-222:コーチングの基本概念を習熟して、エフィカシーをブーストしよう!

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/27832570.html

 

 

 ところで、動画の中で博士が仰っていた「言葉にならないもの」とは何かクリアですか?

 

そうです。「言語抽象度を超えたもの」ということ。別の表現でいうと「超言語」「超論理」。

https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6194585.html

 

 「夢をかなえる方程式 I×V=R」でいうと、その「超言語」「超論理」が「I×V」のポイントです。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/6542364.html

 

 ブルース・リー(←ご存じですか?)の有名な言葉「Don’t think, feel!」でいえば、「feel」の部分。それが「3つの軸で思考すること」であるセルフトーク。

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14120540.html

 

 反対に「I×V=R」のR化(実装)のためには言語や論理が必要です。つまり、不言実行(あるいは非言実行)だけではなく、「有言実行」も重要だということ。

 Q-072:不言実行はなぜ大切なのか? 有言実行は本当に間違っているのか?

 https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/14973460.html

 

まとめると

 

抽象度を上げる方向性 =超言語、超論理 … I×V ←思考(超言語・映像・感情)

抽象度を下げる方向性 =言語、論理 … R化(実装) ←アファメーション

それらを同時並行的に行うことが「セルフトークのコントロール」

 

という感じ。そのように私は理解しています。

 

 

 以上、私の回答です。

 御質問ありがとうございました。

 

 

苫米地式コーチング認定コーチ      

苫米地式認定マスターヒーラー      

 CoacH T(タケハラクニオ)     

 

 

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