F-338:次世代プロファイリング×ゴール設定 <vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論->
コーチングにおいて重要なプリンシプルのひとつが、「過去は一切関係ない!」。
時間は未来から現在へと流れており、過去はどんどん遠ざかっていきます。
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だから、コーチとしてクライアントさんに関わるとき、私は“未来”に集中しています。“未来”とは、もちろん、クライアントさん自身がゴール設定で生みだすものです。
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過去は一切関係ない!
…先日(2024年2月26日)、「バラいろダンディ」(TOKYO
MX)に出演された苫米地博士は、初対面で「直前まで男性だと思っていた」というキンタロー。さんに対して“プロファイリング”をされていました↓
今一番「顔芸」がバズる!キンタロー。を分析! Dr.苫米地 (2024年2月26日)
(youtube.com)
その様子を拝見しながら、感じ、考えたことをまとめます。
vol.1;コーチングにプロファイリングは必要?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33723264.html
vol.2;ゴールは自分という“殻(w0)”を抜け出して初めて見えてくる
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vol.3;苫米地博士の“プロファイリング”とは? -総論-
結局、今の自我をつくったのは、自分。だから…
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自分(w0)を構成する記憶を吟味し、受け入れるかどうか判断し、まったく新しい自分(w1)をゴール設定しながらつくりあげていく
…その積み重ねこそが、「“殻(w0)”から抜け出す」ということに他なりません。
“殻(w0)”とは、現状のコンフォートゾーン(Comfort Zone、CZ)のことであり、これまでの記憶で作りあげたブリーフシステム(Belief
System、BS)のことです。
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“殻(w0)”を抜け出し、CZやBSを再構築していくための「吟味および判断」に相当するのが“プロファイリング”であるはず。その上での「ゴール設定→まったく新しい自分(w1)創造」です。
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では、苫米地博士の“プロファイリング”を確認しましょう。
以下、博士と本橋信宏さんの共著「『洗脳』プロファイリング 重大未解決事件の犯人を追え!」(宝島社、p152)より引用し、重要な部分(青字で再引用)を解説します。
まずは全体像を感じてください。
プロファイリングが生まれたのは、FBI・BSUと呼ばれる行動科学科(Behavioral Science Unit、BSU)、現在は捜査支援課(Investigative Support Unit、ISU)がもととなっています。いわゆる行動科学ユニットとしてのFBIの中でできあがったものなのですが、1960年代の行動主義・古い心理学のパラダイムで作られたものがこのFBI・BSUなのです。たくさんの人間の行動をプロファイリングして、統計的に予想するものです。でもそれは古いやり方でしかない。人間の心を統計で扱いようがない。
新しいプロファイリングは、人間の心の中がどうなっているのか、解明しながらやる認知科学として確立しているのです。ロバート・K・レスラーのプロファイリングは典型的な古いプロファイリングです。過去のデータを使うのは何も問題ないのですが、彼自身、自我が強すぎるので、推理する対象がものすごく限られてくるのです。若い黒人の男の子が犯人だとしたら、彼がどういう心理状態にあったのか、過去のデータに頼り過ぎるのです。次世代プロファイリングは、実際にその男の子が現場に立ったとき、どういう精神状態だったか想像がつかないといけない。
FBI・BSUの次の世代によるプロファイリングを実行するためには、ありとあらゆる情報を統合しなければなりません。現場に行って、現場で得られるありとあらゆる情報をかなり高度な抽象レベルまで上げて、統合的分析をする。人間の第六感、直感的な情報処理も重要なものとなります。
具体的にどうやるかというと、犯人に完全に同調するために、タイムマシンのようにさかのぼり同調しきって、脳内で犯人の心理状態を再現する。それが次世代の操作技術であり、私のプロファイリングではさらに私なりの手法で行っています。
引用終わり
新しいプロファイリングは、人間の心の中がどうなっているのか、解明しながらやる認知科学として確立しているのです
…認知科学(cognitive
science)の現在のパラダイムは「ファンクショナリズム(functionalism)」です。
それまでの「事象を部分に分ける構造主義」とは違って、ファンクショナリズムは「部分と部分、もしくは部分と全体の双方向的な関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。その“関わり”が「ファンクション」。
コーチング関連用語でいうと、「ゲシュタルト(gestalt)」のことです。
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一般的に、ファンクションとは「機能」「役割」のこと。ファンクショナリズムも最初は「機能主義」と訳されていた時期があり、その考え方で脳を研究する学問を「機能脳科学」と呼んでいたそう。
以前は、苫米地博士も(たくさんの肩書きの一つとして)御自身のことを「機能脳科学者」と表現されていました。
Q-328:最近「記憶が抜ける」ようなことが… <vol.3;ソフトウェアとハードウェア>
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/31906669.html
その後、コンピュータとの関連から「ファンクショナリズム=関数主義」と訳されるようになりました。その関数主義を信じ研究する学者が認知科学者です。
現在の認知科学(ファンクショナリズム)は壁にぶつかっているそう。その壁とは、「フレーム問題」。
PMⅠ-06-06:仮説01)変わらないCZが生みだす「現状維持の壁」
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/13628746.html
苫米地博士は「認知科学はフレーム問題を突きつけられていながら、ほとんど顧みることなく無視し続けてきた」と指摘されています。詳しくはこちらでどうぞ↓
Q-344~:自身の人生を変えることに専念? それともコーチング活動を開始?
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_426561.html
苫米地博士のすごいところ(の1つ)は、問題(case)を指摘されるときに、必ず解決(plan)も考えていらっしゃるところ(ディベーターにとっては当たり前なのでしょうが)。
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ファンクショナリズムの先のパラダイムも、しっかりと理論化されています。それが“苫米地理論”です。さらにいうと、その苫米地理論をベースに、ルー・タイスさんのコーチング・システムをアップデートされています。それが“苫米地式コーチング”。
PMⅠ-01~:苫米地理論とは? ~抽象度と超情報場仮説
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_123517.html
現在、苫米地理論には3つのパラダイムがあります。第1世代「サイバーホメオスタシス理論」、第2世代「超情報場理論」、第3世代「生命素粒子理論」です。
シンプルにまとめると…
第1世代「サイバーホメオスタシス理論」
:ホメオスタシスがサイバー空間(情報空間)にもひろがっている
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831660.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971818.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4971956.html
*情報空間はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516539.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654230.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4654316.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4831442.html
第2世代「超情報場理論」
:4次元(もしくは11次元)の物理空間を包摂するように超次元空間(情報空間)が存在し、高次の情報空間の因果が物理空間に写像される
(注:物理空間は情報空間の一部。抽象度を軸とした場合、情報空間の底面が物理空間)
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165823.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5165888.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306380.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306438.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5306445.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/5445932.html
第3世代「生命素粒子理論」
:物理空間に最小単位があるように、情報空間にも最小単位(生命素粒子)がある
Q-330:最近「記憶が抜ける」ような… <vol.5;イメージの限界が自分の限界>
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では、次の引用にいきましょう。
過去のデータを使うのは何も問題ないのですが、彼自身、自我が強すぎるので、推理する対象がものすごく限られてくる
…ここで苫米地博士が話されているのは、「自我が生みだすスコトーマ(scotoma)」のこと。今回のテーマに沿っていうと。「『過去の記憶でつくられた現状(Status
Quo、SQ)という“殻(w0)”』の内側しか認識することができない」ということ。
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そのスコトーマを生みだす/外すポイントは、1)知識、2)重要性、3)役割(責任)の3つ。
よって、「推理する対象」をひろげるためには、1)知識を増やし、2)重要性と3)役割(責任)を拡張すればいいはずですが、残念ながら、それだけではスコトーマは外せません。
なぜなら、皆さんも御承知のとおり、知識量とスコトーマが外れることは相関しないから。むしろ知識が増えることでスコトーマが生じることも起こりえます。
その事実を伝えているのが、ソクラテスの「無知の知」であり、礼記の「学然後知不足」です↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/19879896.html
では、どうすればいいのでしょう?
FBI・BSUの次の世代によるプロファイリングを実行するためには、ありとあらゆる情報を統合しなければなりません。現場に行って、現場で得られるありとあらゆる情報をかなり高度な抽象レベルまで上げて、統合的分析をする。人間の第六感、直感的な情報処理も重要なものとなります
…答えは「統合」。ゲシュタルト化であり、ゲシュタルト同士のさらなるゲシュタルト化です(connect the dots)。
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その本質は「抽象度を上げる」「抽象度が上がる」こと。
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4448691.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4449018.html
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/4516484.html
抽象度を上げる力=ゲシュタルト能力は、人間がそもそも持っている偉大な能力であり、訓練によりさらに高めることができる無限の力です。
L-133:2021年11月… -02;自我とRAS&スコトーマとコーチングの関係
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/33004210.html
*ゲシュタルト能力を高める訓練はこちら↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/30075139.html
「高度な抽象レベルで、統合的分析をする」 …それが苫米地博士の“プロファイリング”。苫米地理論を基盤とした次世代のプロファイリングです。
(F-339につづく)
苫米地式コーチング認定コーチ
苫米地式認定マスターヒーラー
CoacH T(タケハラクニオ)
-追記-
それまでの「事象を部分に分ける構造主義」とは違って、ファンクショナリズムは「部分と部分、もしくは部分と全体の双方向的な関わりの中で意味が生まれてくる」と考えます。その“関わり”が「ファンクション」。コーチング関連用語でいうと、「ゲシュタルト(gestalt)」のことです
…さらに釈迦哲学でいうと、「縁起」です。
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-告知1-
2023年度のオンラインセミナーを企画しました。9月から1ヶ月おきに、計4回開催する予定です(9月、11月、1月、3月)↓
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/32135874.html
次回の開催は2024年4月28日(日)の予定です(←再変更しました)。1ヶ月前に告知を行います。お楽しみに。
-告知2-
クラブ活動をはじめました。その名は「コーチング・デ・コンパッションクラブ」。
一緒に楽しみましょう!
https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_418055.html
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https://coaching4m2-edge.blog.jp/archives/cat_425355.html
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